退職金は自分でつくる。目的を持った資産運用とは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年6月26日 3時10分
![退職金は自分でつくる。目的を持った資産運用とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_109010_0-small.jpg)
新型コロナウイルスの影響で、賞与が減ってしまったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 家計の見直しに寄せられるご相談の多くは、今後の収入に関することが増えてきました。毎年の賞与だけでなく、予定されている退職金が本当に支払われるのかと不安を感じている方も少なくありません。 また、非正規雇用など退職金がそもそもないという方もいます。そこで今回は、ご自身で退職金を準備しておく方法についてお伝えしていきたいと思います。
退職金とは
退職金とは、労働者の退職に際して企業が支払う金銭給付の総称です。退職手当、解雇手当、退職慰労金、退職功労報奨金など、企業により、また退職事由によってさまざまな名称があります。
退職金は退職所得控除がありますので、例えば1000万円や2000万円と多額の退職金を受け取っても、すべてに課税されるわけではありません。退職所得控除の計算は以下となります。
勤続年数 20年以下……40万円×勤続年(80万円に満たない場合には、80万円)
勤続年数 20年超……800万円+70万円 × (勤続年数-20年)
例えば、勤続年数30年の方が2000万円の退職金を受け取った場合は、以下のように計算されます。
800万円+70万円×(30-20)=800万円+700万円=1500万円
2000万円-1500万円=500万円
このように、2000万円の退職金を受け取っても、課税対象となるのは500万円です。
退職後の生活資金として大きな役割をもつ退職金ですが、年々、退職金の額が減っている企業や、退職金制度そのものがない企業も増えてきました。これからは、ご自身でも退職金を準備していく時代です。
では、どのような投資方法があるのか確認していきましょう。
自分で退職金を準備するための投資商品
退職したタイミングや、退職後に受け取れるよう準備していく必要があります。さまざまな投資商品がありますが、確定拠出年金や年金保険や積立保険などで退職金を準備することができます。
いずれも年金(私的年金)用の商品ではありますが、一時金で受け取れる商品もありますので、退職のタイミングで大きな資金が必要な際などに活用できます。
まずは以下を確認しながら商品選びをしていきましょう。
1.退職金としてほしい金額の算出
2.毎月の積立額を試算
3.商品の選択
目標額ともいえますが、まずは退職金としてどのくらいほしいという金額を算出します。
例えば退職金を1000万円とし、退職までの年数で月々の積立額を算出します。25歳の場合、定年65歳ですと40年ありますので、1000万円の退職金を貯めるためには年間25万円、月々約2万円の積立額となります。
算出した積立額が毎月の支出として負担でない場合は、次のステップとして、何で貯めていくのか商品を選択していくことになります。確定拠出年金は、拠出した金額(積立額)が所得控除の対象となりますので節税にもつながります。また、一時金で受け取る場合は、前述の退職所得控除が適用されます。
年金保険や積立保険は、年金受け取り、一時金受け取り、併用可能など、商品により異なりますので、それぞれのメリット・デメリットなどを確認しながら選択するとよいでしょう。
年金保険や積立保険を一時金で受け取った場合は一時所得、年金で受け取った場合は雑所得となります。前述の退職所得控除はありませんのでご留意ください。
まとめ
退職金も年金も自分自身で準備するという「自助努力」が必要な時代です。「退職金が少ない」「そもそも退職金がない」という方でも、今から少しずつ積み立てしていくことでまとまった資金を準備することができます。
節税効果や控除があるもの、少しでも増やせるものなど、商品を分散しながら準備していくのもお勧めです。まずは、退職金を準備する! という目的をもち、実際の資産運用を検討してみましょう。
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
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