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金融資産1億円以上の富裕層は日本にはどのくらいいる?

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月5日 10時30分

金融資産1億円以上の富裕層は日本にはどのくらいいる?

日本に金融資産を1億円以上所有している、いわゆる富裕層と呼ばれるような世帯はどれくらい存在すると思いますか?   富裕層が世帯全体のどれくらいを占めているのか、その数の推移にどのような傾向が見られるのか。日本の富裕層の実態に迫っていきます。

富裕層とは?

富裕層とは、一般層と比較して大きな経済力を有するような人たちを指す言葉です。どれくらいの経済力があれば富裕層と定義されるのかについては諸説ありますが、今回は金融資産を1億円以上有している層を富裕層と定義し、実態について深追いしていきます。
 

日本における富裕層は130万世帯超え

株式会社野村総合研究所の推計によれば、2019年に日本で金融資産1億円以上を保有している富裕層は、なんと全体で132.7万世帯という結果になっています。これは対象となった5402.3万世帯のうち約2.4%という割合です。
 

出典:株式会社野村総合研究所 「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」
 
132.7万世帯と聞くと、とても多く富裕層が存在しているように思えますが、割合にしてみるとやはり富裕層は少数派であるということが分かります。
 
ちなみに、今回の推計に利用されている金融資産とは、預貯金だけでなく、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険、年金保険など一般的な金融商品を含めた合計額です。
 

富裕層の数は増加傾向にある

若者の貧困問題や老後破産など、生活苦が報道される反面、富裕層の数は2011年以降、増加を続けています。2011年には81万世帯だった富裕層は2019年現在、132.7万世帯と約1.6倍にまで増加しているのです。
 

出典:株式会社野村総合研究所 「野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計」
 
このように富裕層が増加の道をたどった背景には、日本人の金融リテラシーの向上以外にアベノミクス政策の影響も大きいといわれています。アベノミクスとは2012年、当時の首相である安倍晋三氏が日本経済回復を目標に行った金融政策のことです。その効果の1つが、このように富裕層の増加につながったと考えられます。
 

今後、富裕層の動きはどうなる?

2020年はコロナ禍で失業率が増加するなど、経済問題がより大きな問題となった年ではあるものの、日経平均株価は30年ぶりの高値で取引を終え、2021年6月14日現在は2万9000円を超えるなど、金融市場は非常に好況です。現時点での富裕層の数は、今回示したデータよりもさらに増えている可能性もあります。
 
しかしながら、この金融市場の好況は実体経済を反映しているものとは言いがたく、日銀の買い支えによってもたらされているものと考えるのが自然です。日銀の方針もいつまで継続するかは分かりません。バブルがはじけたように、いずれこの局面も落ち着きを見せていくことでしょう。
 
2021年は、2020年から続いた好況が次第に落ち着きを見せていくのではないかと筆者は予想しています。富裕層の数が2020年のデータでは増加したとしても、2021年も同様の動きとなるとは限りません。
 

金融資産1億円以上の富裕層は日本にわずか2.4%

日本に金融資産1億円以上を持つ富裕層と呼ばれるような世帯は、2019年では全体の2.4%ほどしか存在しないようでした。金融市場が好調であることを考えると、この数値よりも現在は富裕層の数が増加していることが予想されます。
 
富裕層を目指すのであれば、いったんは1億円の金融資産を目標に、日々経済の動向に目を向けて努力していくのが近道かもしれません。
 
出典
株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計
Yahoo!ファイナンス 日経平均は125円程度高、買い先行後は戻り待ちの売りに上値は重いもよう=14日寄り付き
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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