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下降局面で現れた「三川」に見える相場パターン。本当にトレンド転換を示唆するもの?

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月8日 9時10分

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前回は、酒田五法のうち、三川と逆三尊について概要をお伝えしてきました。今回は、実際のチャートにおいて三川と逆三尊がどのように現れ、また、それが持つ意味について日経平均株価指数を用いてお伝えしていきたいと思います。

実際のチャートで見る「逆三尊」パターン

三川・逆三尊については、日経平均株価指数のチャート面においてイメージがしやすいように、まず逆三尊から見ていきたいと思います。
 
〇日経平均株価指数(日足):1991年1月4日~2021年6月15日

※筆者作成
 
上のチャートは、1991年1月4日から2021年6月15日までの日経平均株価指数の推移ですが、赤丸の箇所が逆三尊に近い形といえるでしょう。いわゆるITバブルが崩壊した辺りから下降局面が続いていましたが、2003年に底を打ち、小泉政権下で相場が回復してきた過程で出現しています。
 
特徴としては、下降局面の終盤で1回目の底値をつけ、その後、いったん値は戻りますが、大きく値を下げて2回目の底値をつけ、再び値を戻すものの上昇のペースが鈍り、また値を下げて3回目の底値をつけた後、大きく反転上昇していくというパターンを描いています。その後は、以前お伝えしたように三尊が出現し、上昇局面が終わりを迎えています。
 
相場は、上昇局面と下降局面の連続で進んでいきます。三尊が上昇局面の終わりで出現するならば、逆三尊はこのようにして下降局面の終盤で現れる傾向があります。
 

一見、三川と思われるパターン

前述のように逆三尊は下降局面の終盤で現れ、出現後は上昇局面にトレンド転換していきますが、三川自体は下降局面から上昇局面の転換期に必ず現れるとは限りません。この意味について確認していきましょう。
 
〇日経平均株価指数(日足):1991年1月4日~2021年6月15日

※筆者作成
 
チャートは前述したものと同じ日経平均株価指数ですが、今度は別の赤丸で囲った箇所を見てみます。ここは、相場のいわゆる踊り場となっていますが、日経平均株価指数においてバブルが崩壊した後、長期的に相場がもみ合っていた期間です。
 
三川は、逆三尊に代表されるように、通常、下降局面の終わりで現れる傾向があります。しかし、赤丸の箇所を見ると、下降局面の途中で三川が現れているように映ります。
 
この意味するところは、1回、2回、3回と底値をつけたものの、3回目の底値をつけた後の反転上昇が短期間で終わり、その後に下落してしまったため、三川になるだろうと思われていた形状が打ち消され、結果的に、この期間の相場は三川ではなかったという判断になります。
 
この点が難しいところですが、以前お伝えした三山も、今お伝えしている三川も、厳密にいうと必ずしもトレンド転換を予測するものではありません。三山や三川がチャート上に出現している場合は、この点を疑い、本当にトレンド転換するかどうかを他のチャート分析指標やファンダメンタルズ分析を用い、総合的に判断していく必要があります。
 

まとめ

酒田五法における「三川」・「逆三尊」は、原則的に下降局面で現れるチャートパターンですが、特に注意をしておく必要があるのが、三川については必ずしも下降局面から上昇局面へのトレンド転換を予測するものではないという点です。
 
これは専門家でも見抜くことが難しいため、ローソク足や酒田五法について学んでいる投資初心者は、他の分析手法も含め、総合的な投資判断を行うよう心がけていくようにしましょう。次回は、酒田五法のうち「三空」について見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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