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酒田五法における「三空」が成立したとしても、セオリーどおりになるとは限らない

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月10日 11時0分

酒田五法における「三空」が成立したとしても、セオリーどおりになるとは限らない

前回、酒田五法における「三空」が出現すると、その後の相場展開は反転する傾向があるとお伝えしましたが、必ずしもそうとは言い切れないため、今回は実際のチャートにおいて、三空出現後の相場がどうなるかについて観察してみようと思います。

実際のチャートで見る「三空」

下のチャートは、2003年12月1日から2004年4月30日までの期間中における日経平均株価指数の日足です。ローソク足で描いていますが、白色が陽線、黒色が陰線です。
 
〇日経平均株価指数(日足):2003年12月1日~2004年4月30日


※筆者作成
 
赤丸で囲っている箇所が、いわゆる「三空踏み上げ」パターンを示していますが、4つ、ないしは5つの陽線が描かれ、陽線と陽線の間の「窓」(「空」)が3つ、ないしは4つできている状態のものをクローズアップしています。
 
いずれの赤丸箇所も窓を開けながら連続して陽線が描かれているため、非常に力強い上昇相場になっていることが分かりますが、その後、必ず反落しているかというとそうでもありません。
 
例えば、一番左側の赤丸箇所の「三空踏み上げ」パターンでは、三空が成立後、わずかに値を下げ、再び上昇に転じてから半値戻し程度の調整が入っています。真ん中の赤丸箇所では、三空成立後、間もなく調整が入っています。さらに一番右側の「三空踏み上げ」パターンでは、三空成立後、小反落したものの上昇し、その後はもみ合い相場に移行しています。
 
このように実際のチャートを観察してみると、三空成立後、間もなくして反落するというのはあながち間違っていないようですが、その反落がさらに続くとは言い切れないため、三空によってトレンド転換が起こりやすいと考えるのはいささか早計にも映ります。
 

まとめ

こうして見ていくと、酒田五法における「三空」はパターン分析としてはある程度有効に働くように見えますが、セオリーどおりに行かないということも同時に認識しておく必要があるといえるでしょう。
 
テクニカル分析は往々にして、このような傾向をどう分析するかという作業であるため、他の分析ツールやファンダメンタルズなどの分析も行いながら、多面的に相場判断をしていくことが求められます。次回は、酒田五法のうち、4つ目にあたる「三兵(さんぺい)」について見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)
 

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