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消費税のかかる取引とかからない取引 その1

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月27日 4時0分

消費税のかかる取引とかからない取引 その1

2021年4月から本体価格の総額表示が義務付けられました。   これは、消費税込み価格で品物やサービスの価格表示をしなくてはいけないというルールです。罰則は特にありませんが、ルールを守らない場合は、税務当局からの改善指導を受けることがあるとされています。   ところで、品物やサービスの価格には全て消費税がかかるのでしょうか?   答えはNoです。消費税がかからないケースもあるのです。また、消費税がかかるものと、かからないものは複雑に入り組んでいることがあります。   消費税は私たちの家計に大きな影響を与えますが、課税の有無を見極めることが、少しでも家計を改善する手掛かりになると思います。これから2回にわたって、消費税の課税の有無について解説していきます。

消費税が課税される場合は?

消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う取引で、資産の譲渡、貸し付け、および役務の提供と外国貨物の引取(輸入取引)に関するものと決められています。
 
このように定義をすると難しいのですが、「課税取引」であるための条件は以下の全てを満たしたものということになります。該当しないものは、「不課税取引」として消費税がかかりません。
 
また、次項以降で述べますが、以下の条件を満たしていても「非課税取引」や「免税取引」として消費税の対象外となるものもあります。


1. 国内における取引であること(輸入取引を含む)
2. 事業として対価を得て行う取引であること
3. 資産の譲渡、貸し付け、役務の提供であること

 

消費税のかからないものは?

一方、消費税のかからないものとして、次の3種類が定められています。
 

1.消費税の不課税取引

不課税取引とは、上記の課税取引の要件に当てはまらないものをいいます。
 
これには、給与・賃金、寄付金、見舞金、保険金、株式配当金、損害賠償金などが挙げられます。無償で試供品や見本品を提供した場合も含まれます。
 

2. 消費税の非課税取引

消費税の対象取引であっても、消費に負担を求める税としての性格からなじまないものや、社会政策的配慮から課税しないものとして、法律に規定されている取引などのことをいいます。
 
非課税取引の代表的なものは以下のとおりです。それ以外にもさまざまなものがあります。


・土地の譲渡および貸し付け
・住宅の貸し付け
・株式等の有価証券の売買、保険料の支払い、借入金
・商品券、プリペイドカードといった物品切手等の譲渡
・医療、福祉、教育に関するもの

ただし、単にこれらに関するものなら全てが非課税取引になるというわけではありません。ここまでは非課税であるが、ここからは課税対象であるというように境界が複雑なので、実際の対応に当たっては注意が必要です。
 

3.消費税の免税取引

商品の輸出、外国にいる事業者に対するサービスの提供などの輸出取引は免税となります。
 
輸出取引も資産の引き渡し時点では資産が国内にあるため、本来であれば国内における取引に該当しますが、商品やサービスが外国において消費されるため、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づき免税取引となります。
 
実務的にいうと、輸出取引のために仕入れた商品やサービスには消費税が課せられているので、輸出取引の場合、しかるべき手続きを踏めば、仕入れに課せられた消費税を還付してもらうことが可能になります。
 

まとめ

今回は、消費税の課税のルールについて説明しました。「その2」では、消費税のかからない具体的な取引の詳細と、その注意点について解説したいと思います。
 
出典
国税庁 No.6105 課税の対象
国税庁 No.6157 課税の対象とならないもの(不課税)の具体例
国税庁 No.6209 非課税と不課税の違い
国税庁 No.6201 非課税となる取引
国税庁 No.6205 非課税と免税の違い
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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