60歳以降も働いて、年金を増やせるケースとは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年8月7日 23時0分
![60歳以降も働いて、年金を増やせるケースとは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_113381_0-small.jpg)
定年が60歳である企業などに勤めており、勤め先に勤務延長制度や再雇用制度などがある場合は、60歳以降も働くことが可能となっています。 60歳以降も働いて年金保険料を納め続けることで、受け取る年金が増えるか考えてみましょう。
老後の年金を増やす方法
将来、受給できる年金額を増やすことができれば、老後の生活はより豊かになると考えられます。年金受給額を増やす主な方法には、老齢基礎年金を満額にする、老齢厚生年金の受給額を増やす、年金として受け取るための財形年金貯蓄をするなどがあります。
老齢基礎年金を満額にする
老齢基礎年金は、20歳から60歳になるまでの40年間(480月)納めると満額の年額78万900円、月額で6万5075円(令和3年度)を受け取ることができます。
高校卒業後に大学や専門学校に進学した場合、20歳の誕生日を迎えた時点では学生であることが多くなります。在学中に年金保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」を利用していると、卒業してすぐに年金保険料を納め始めたとしても、60歳までに480月の年金保険料を納めることはできません。
例えば、20歳から大学卒業までの2年間(24月)、学生納付特例で年金保険料の納付の猶予を受けていたとします。この場合、年金は24月/480月分減額され、受給額は年額約74万円になります。年金を65歳から85歳まで20年受給すると考えると、総受給額が約80万円少ないことになります。
老齢基礎年金を満額受給するための保険料納付期間を満たしていないケースで60歳以降も働き続けるときは、国民年金に任意加入をして保険料を納めることで、受け取れる年金を満額に近づけることができます。
60歳から62歳まで働いて月額1万6610円(令和3年度の例)の保険料を納付した場合、24月で約40万円を支払うことになりますが、65歳から20年間の年金の総受給額が約80万円増えます。
なお、60歳以降の働き方によっては厚生年金に加入となり、国民年金の任意加入を行うことはできません。
厚生年金の受給額を増やす
60歳以降もフルタイムなどで働くことを選択すると、厚生年金に加入することとなります。厚生年金には70歳まで加入できますので、60歳の定年後も働く場合は厚生年金に加入継続することで受給額を増やせます。65歳からの老齢厚生年金の受給額の計算式は以下となります。
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの厚生年金の加入期間の月数+平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月からの厚生年金の加入期間の月数
老齢厚生年金は平均標準報酬額が高く、加入期間が長いほど、受給額が多くなります。
例えば、平均標準報酬額20万円で60歳から65歳になるまでの5年間(60月)働き続け、厚生年金に加入継続すると、受給額は年額約6.5万円(20万円×5.481/1000×60月)増えます。70歳まで10年間(120月)働いた場合は年額約13万円です。
財形年金貯蓄を始める
老齢基礎年金や老齢厚生年金といった公的年金を増やす以外に、例えば勤務先に財形制度があれば、財形年金貯蓄に任意に加入することで年金額を増やすことができます。
財形年金貯蓄は、60歳以降に年金として受け取るための老後の資金づくりを目的としており、満55歳未満の勤労者が加入でき、財形住宅貯蓄と合わせて貯蓄残高550万円まで利子などに税金がかからない制度です。給与から一定額の天引きで積み立てられます。
このように年金として受給する額を増やすコツは、できるだけ長く働き続け、納める保険料や貯蓄額を増やすことなのです。
なお、60歳以降も働き続けることで年金受給額を増やすだけでなく、その収入により、老後の生活のために取り崩す貯蓄額を最小限に抑えることができます。貯蓄に余裕を持つことで老後生活はより豊かになります。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 老齢年金ガイド(令和3年度版)
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント
この記事に関連するニュース
-
60歳になった人が、将来もらえる年金を増やす方法3つ
オールアバウト / 2024年7月25日 19時30分
-
もうすぐ60歳ですが、専業主婦の期間が長かったので年金は「月6万円」程度です。「あと3年」加入すると年金はどれだけ増えますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月23日 4時40分
-
国民年金の支払いが1カ月抜けてるとのことでした。今から払えば満額もらえるとのことですが、手続きをしたほうがいいの?
オールアバウト / 2024年7月11日 20時30分
-
老後の収入を月3万円増やしたいのですが、どれくらい「受給を遅らせる」と3万円増やせますか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月5日 23時50分
-
現役時代の年収は「600万円」でした。老後は「時給1200円・1日5時間・週3日」働く予定ですが、年金額は増えるでしょうか? 少しでも暮らしが楽になればと思います
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 4時30分
ランキング
-
1コメ在庫が過去最少、高値の懸念 156万トン、前年比2割減
共同通信 / 2024年7月30日 19時13分
-
2部屋に泥棒がいる!〈高級老人ホーム〉で優雅に暮らす86歳母からのSOS…急ぎ駆けつけた51歳長男の目に飛び込んできた「まさかの光景」【FPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 11時15分
-
3しまむらグループの子ども服「バースデイ」が謝罪、物議のコラボ商品の販売中止【全文】
ORICON NEWS / 2024年7月30日 20時41分
-
4海外の優秀なエンジニアが日本企業を選ばない訳 人気が落ちている要因は「企業の体質」にあった
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 16時0分
-
5なぜペットボトルのサイズが8種類もあるのか…伊藤園の「むぎ茶」が圧倒的に支持される納得の理由
プレジデントオンライン / 2024年7月30日 16時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)