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上がると思ったけど上がらない? 酒田五法の「上げ三法」が失敗するケースとは

ファイナンシャルフィールド / 2021年8月11日 23時10分

上がると思ったけど上がらない? 酒田五法の「上げ三法」が失敗するケースとは

前回は、酒田五法の「三法(さんぽう)」のうち「上げ三法(あげさんぽう)」について見ましたが、上げ三法は「上昇局面がいったん終わり、調整局面に変化した後、再び上昇基調に転じる」といったトレンドのパターン分析に用いられます。   ただ、必ずしもそうならない場合もあるため、今回は、結局のところ、上げ三法に至らないケースについて見ていきたいと思います。

「上げ三法」のおさらい

「上げ三法」のイメージは次のようになります。
 


※筆者作成
 
上昇局面がいったん終わって調整局面になり、その後、再び上昇局面に入っていくというのが上げ三法の特徴です。ポイントは、調整局面のレンジ上限を突破するかどうかですが、その意味をいったん図で確認してみましょう。
 

※筆者作成
 
最初の陽線坊主の終値(ここでは高値と同じ値)を調整局面のレンジ上限ラインとして、赤線を引っ張っています。そして、4つ目のローソク足である陰線坊主の終値(ここでは安値と同じ値)の水準に、調整局面の下限ラインとして青線を引っ張っています。
 
上げ三法が成立する要件は、このようなレンジ相場における上限を突破することなので、仮に突破すれば、上げ三法の成立を確認したということで買いを入れていきます。
 

「上げ三法」の失敗パターン

ここまでが前回のおさらいですが、問題は、上げ三法が成立しないケースです。この状況を図で見ていきましょう。
 


※筆者作成
 
最後のローソク足がレンジ相場の上限ラインを突破できずに、むしろ、下限ラインを割り込んでしまっているケースです。
 
上げ三法は、つまるところ、レンジ相場の上限を突破することで、その後の上昇基調に乗っていくべきだという考え方ですが、逆にレンジ相場の上限ラインを抜けることができなかった場合、上昇への期待はそがれ、ショックのあまり、強い下落を引き起こす可能性をはらんでいます。
 
それが上の図のような上げ三法の失敗パターンです。
 
投資家心理としては、もうこれ以上は上がらないだろうというあきらめを表していますが、このような波形が現れるのが天井相場です。天井相場は、端的にいうと上昇局面の最終盤ですが、それまである程度長く続いてきた上昇局面がいよいよ終わるという場面で起こる相場です。
 
要するに上昇局面の終わりで天井相場が起こるわけですが、このタイミングで上げ三法の失敗が確認されると、相場は大きく反転し、下降局面に転換していく可能性が高くなります。
 

まとめ

上げ三法では、レンジ相場を抜けるかどうかが見極めのポイントになりますが、今回見たように、レンジ相場が上昇局面のどの位置で現れているかを確認することがより重要です。
 
上昇局面の序盤や中盤でレンジ相場が現れると、どちらかというと上げ三法が成立しやすく、逆に終盤で現れる場合は、上げ三法が失敗する可能性が高いといえます。
 
このため、酒田五法における三法のうち、上げ三法においても、売買の判断をする際は他のテクニカル分析ツールやファンダメンタルズ分析も活用することを心掛けましょう。
 
次回は、上げ三法とは真逆の「下げ三法(さげさんぽう)」についてお伝えしていきます。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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