特殊詐欺は他人ごとではない? 知っておきたい対処法
ファイナンシャルフィールド / 2021年8月13日 4時0分
オレオレ詐欺に代表される特殊詐欺事件は、相変わらず横行しています。私は大丈夫! とタカをくくっている人ほど、実はだまされやすいそうです。手口は巧妙になっているようですが、対処法などについて考えます。
みんなが思っている「私は大丈夫!」
消費者庁の告知チラシによると、コロナ禍における詐欺・トラブルに遭った約80%の人が「自分は大丈夫」と思っていたそうです(※1)。
これまで多発していたオレオレ詐欺に加えて、在宅時間の増加で利用する機会が増えたネット消費関連のトラブルや、自治体に成りすましたコロナ詐欺など手口は多様化しています。
消費者庁のホームページに面白い記事を見つけましたので紹介します。“消費者被害防止! だまされやすさを測る心理傾向チェック!”というもので、簡単な質問に答えることで「だまされやすさ」を自己診断できます(※2)。
自分の弱点を知っておくことで、いざという時に冷静な判断ができるかもしれません。だまされやすい性格か? の判断だけでなく、取りあえず試してみる価値はあると思います。どのような手口に弱いのかが分かれば、危険を回避しやすくなるかもしれません。
独りで悩まず、まず相談
悪質なトラブルに「送りつけ商法」というものがあります。これは注文していないのに勝手に商品を送りつけてきて、代金を支払わせるものです。
「何かな」と思い、小包を開封したら中には請求書が同封されていて支払いを求められたり、電話でしつこく請求されたりするものです。
改正された特定商取引法では、一方的に商品を送りつけられた場合、これまでは14日間保管後処分するようになっていたものが、直ちに処分できるようになりました。
消費者庁では、このような悪徳商法の対応として3カ条を示しています。
(1)商品は直ちに処分可能
注文や契約をしていないにもかかわらず、金銭を得ようとして一方的に送り付けられた商品については、消費者は直ちに処分できます。
(2)事業者から金銭を請求されても支払不要
一方的に商品を送り付けられたとしても、金銭を支払う義務は生じません。また、仮に消費者がその商品を開封や処分しても、金銭の支払いは不要です。 事業者から金銭の支払いを請求されても、応じないようにしましょう。
(3)誤って金銭を支払ってしまったら、すぐ相談
一方的に送り付けられた商品の代金などを請求され、支払い義務があると誤解して、金銭を支払ってしまったとしても、その金銭については返還を請求できます。 対応に困ったら、消費者ホットライン188へ相談しましょう。
勝手に処分しても良いことや、「金銭を支払う義務は生じません」という文言をみると、とても安心できるのではないでしょうか。
商品を受け取ってしまったら、こちらに非がなくても落ち着かない気分になります。その弱気に付け込まれてだまされる人が多いのだと思います。(3)にある消費者ホットライン(局番なし)188を知っておくと、少し冷静になれそうです。
自動通話録音・留守番電話機能などで対処
警察庁の報告によると、被害者への欺罔(ぎもう)手段として最初に用いられたツールは電話が86.9%だそうです。そこで有効な対策の1つに電話の自動通話録音機の設置があります。
自動通話録音機の貸し出しを行っている自治体も増えています。大田区の場合の概要は以下のとおりです。
数に限りがあるので、事前に問い合わせが必要なのですが、このような制度は大いに利用すると良いと思います。警告メッセージが流れることで抑止力になります。お住まいの自治体に確認されると良いと思います。
自動通話録音機以外の方法としては、
(1)常に留守番電話に設定しておき、録音内容を聞いて相手を確認した上で電話に出る
(2)ナンバーディスプレイ機能を活用し、電話番号から相手を確認した上で電話に出る
などを実践している方も多いです。
また、自動通話録音機等の機能を内蔵した電話機もあり、家電量販店で購入できますので、買い替えの時は機種選びの参考にすると良いと思います。
筆者の知人は90歳代のご両親と同居されています。いきなり1万6500円の干物が送られてきたそうです。ご両親と業者の間で、何らかのやり取りがあったかどうかは未確認です。これを機に、ご両親が使っていた固定電話を休止されたとか。この対処法も一案です。自分の資産を守る対策を真剣に考える必要がありそうです。
(※1)消費者庁「便乗悪質商法の注意喚起!」
(※2)消費者庁「消費者被害防止! だまされやすさを測る心理傾向チェック」
(出典)
警察庁「令和2年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(確定値版)」
大田区ホームページ
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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