離れて暮らすひとり暮らしの親が心配…。どうやって見守る?
ファイナンシャルフィールド / 2021年8月18日 10時10分
離れて暮らすひとり暮らしの親が気がかりだけれども、仕事が忙しく連絡をとるのも気づいたら1ヶ月ぶり、というようなケースもあると思います。遠方だと頻繁に帰省するのも難しいでしょう。親の安否を確認するサービスはあるのでしょうか。
地域コミュニティへの参加
高齢者は引きこもって家で過ごす時間が長くなると、運動不足から足腰の筋肉が弱り歩くのがつらくなったり、気持ちがふさいだりなど肉体的・精神的に弱ってしまうことがあります。
地域のコミュニティに参加することで、健康の維持や孤独感の解消に役立ちますし、見守りも期待できます。自治体では、地域住民や学校、企業、NPO法人等と協力して、高齢者の居場所づくりや見守りサービスを提供しています。
帰省の際、実家の近所にある地域包括支援センターなどに行き、どのような地域コミュニティがあるか調べてみましょう。
実家のリフォーム
東京消防庁の資料によると、高齢者の日常生活事故のうち、約8割が「ころぶ事故」によるものです。次に多いのが階段等から「落ちる」事故です。事故の多くは住宅内で発生しており、そのほとんどが一番身近な居室・寝室で起こっています。
高齢になると、カーペットやコンセントなどにつまずいて転倒し、骨折するリスクがあります。骨折は介護が必要となる原因ともなります。
部屋の片付けや手すりの設置などリフォームをし、転倒などの原因を取り除きましょう。階段がある家庭では、階段には握りやすく滑りにくい手すりを設置するとよいでしょう。
簡単なリフォームであれば介護保険が使えます(20万円まで原則1割負担で利用可能)。要介護認定を受けていない高齢者に改修の補助をする自治体もあります。
また、高齢者自身ができる対策として、普段から足腰を鍛え、つま先を上げてすり足をしないようにすることも大切です。
自治体の見守りサービス
自治体の見守りサービスをいくつか紹介します。
例えば、大阪市では65歳以上のひとり暮らしの方や高齢者のみの世帯などを対象に、急病などの緊急時に迅速に対応する緊急通報システム事業を実施しています。
通報装置やペンダントの緊急ボタンを押すだけで、受信センターと通話ができ、利用者からの緊急通報を受け、状況に応じて協力者や親族に連絡したり、救急車の出動を要請してくれたりします。
また、看護師などが、生活や健康面での不安や悩みごとの相談を24時間365日体制で受け付け、適切なアドバイスを行っています。そのほか、お伺い電話、委託業者による緊急駆けつけも行っています。利用料は月額792円(所得税非課税世帯は無料)です。
東京都日野市では、月に1回程度を目安に推進員が高齢者に玄関先で声かけを実施したり、週に1回程度の割合で郵便受けに何日もたまった新聞等がないかを確認したりするなど、さりげない見守りを実施しています。
また、見守り支援ネットワークの追加機能の1つとして、高齢者が誰でもふらっと立ち寄れる場所として「ふれあい交流型」の立ち上げ・支援や自立した在宅生活を支援するために、日常生活における「ちょっとした困りごと」のお手伝い(1回300円)もしています。
自治体によってさまざまな見守りサービスを無料または低価格で提供していますので、調べてみましょう。
民間の見守りサービス
経済的に余裕があれば、民間の見守りサービスも検討しましょう。
例えば、郵便局では、月1回、郵便局社員がご利用者宅などへ直接訪問する「みまもり訪問サービス」(月額2500円)や、利用者へ毎日電話(自動音声)にて体調確認を行い、家族にメールで報告する「みまもりでんわサービス」(コースにより月額1070円・1280円)などを提供しています。
詳細については、日本郵便のホームページで確認してください。
(※このサービスに関する情報は、2021年7月時点のものです)
このほかにも警備会社、電力会社、ガス会社など、さまざまな企業が見守りサービスを提供しています。調べてみましょう。
(参考・引用)
消防庁「高齢者の日常生活事故を防ぐために」
厚生労働省「介護保険における住宅改修」
大阪市「緊急通報システム事業」
日野市「日野市高齢者見守り支援ネットワークのご案内」
日本郵便株式会社ホームページ
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。
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