お金をどの方法で増やす? 預貯金・投資・保険の使い分けはどうする?
ファイナンシャルフィールド / 2021年8月23日 3時20分
人生にはさまざまなイベントがあり、将来に備えてお金を貯めている人も多いのではないでしょうか。また、お金を貯めるだけではなく、積極的に増やしたいと考えているかもしれません。 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2020年)」によりますと、2人以上世帯の金融資産の保有額の平均値は1436万円、中央値は650万円でした。また、金融資産保有世帯について金融商品別の構成比を見ると、預貯金は47.2%、有価証券(債券・株式・投資信託)は20.0%、生命保険は19.5%でした。 調査結果からは、金融商品を主に預貯金、投資、保険に分けている状況が考えられます。今回は、預貯金、投資、保険を使い分けるときの考え方を紹介します。
預貯金の特徴は元本保証
金融商品を使い分けるときは、それぞれの特徴を知っておくとよいでしょう。
預貯金の特徴は元本保証があることです。元本保証があると、預けたお金(元本)が将来受け取るときに減ってしまうことはありません。
また、金融機関が経営破綻した場合でも、預貯金は預金保険制度によって一定の範囲で保護されています(外貨預金など対象外の金融商品もあります)。
普通預金はいつでも入出金をすることができ、急にお金が必要となった場合でもすぐに引き出せる流動性の高さも特徴です。
定期預金は満期になるまで引き出すことはできません。やむを得ない事情で解約する場合は、途中解約利率が適用されるペナルティーがありますが、元本が保証されている点は変わりません。
投資は中長期視点で
株式、債券、投資信託といった投資の特徴は、投資した株式などが値上がりしてリターンが期待できることです。一方、元本保証がないため、投資したお金(元本)が減る可能性があります。
経済の成長に伴って投資した会社などが成長し、株式など有価証券の価値が増えることが期待できます。成長によるリターンを得るためには、中長期的な視点で運用するのがポイントです。
また、株式など有価証券の価格は変動していますので、急にお金が必要になったときに解約すると元本割れする可能性があります。投資するお金には、現時点で使う予定のない余裕資金を充てるのがよいでしょう。
リスクに備えるなら保険
保険は死亡や病気、けがなど、もしものときのリスクに備える金融商品です。
保険にも貯蓄性を備えた商品があり、保険の基本的な機能である保障に加えて、満期を迎えたときに満期保険金が受け取れるタイプや解約した場合に解約返戻金を受け取れるタイプがあります。
「終身保険」は死亡するまで一生涯保障が続きますが、貯蓄性もあるため、解約した場合に解約返戻金を受け取ることができます。「養老保険」や「学資保険」は満期があり、死亡保障のほかに、満期になると満期保険金を受け取ることができます。その他、老後に備える保険として「個人年金保険」があります。
低解約返戻金型タイプの保険では、一定期間に解約をした場合、元本に対して支払われる解約返戻金が少なく設定されています。途中解約の場合は元本割れになるケースがありますので注意が必要です。
保険はあくまでも保障が中心であり、貯蓄性は保障に対するプラス機能と考えるのがよいでしょう。
目的を意識して使い分けを
金融商品を選ぶ場合には、必要な時期や目的を意識しましょう。
まず、10年以内のように比較的短期間のうちに必要なお金について考えてみましょう。例えば、結婚資金や住宅購入の頭金、数年後の子どもの学費などが該当します。これらについては、増やすよりも減らさないことを重視して、元本保証がある預貯金を選ぶとよいでしょう。
短期的に必要なお金が把握できれば、残りのお金については余裕資金と考えることができます。これは老後資金や、まだ幼い子どもの教育資金などが該当します。10年以上運用ができるお金については、預貯金だけでなく投資も選ぶこともできます。
保険は、基本的にリスクに備えるものです。ただし、保障と貯蓄を兼ねたい場合、満期まで解約する可能性が低い場合には貯蓄型保険も選択肢の1つです。
預貯金、投資、保険を選ぶときには、まず将来のライフイベントを想像して、お金の必要な時期や金額をイメージしましょう。その上で、余裕資金の範囲で預貯金以外の方法を選ぶとよいでしょう。
出典
金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2020年)
金融広報中央委員会 預貯金
金融広報中央委員会 保険のキホン 必要な保障を見極める!
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員
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