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不動産の相続。相続人1人が単独で所有すべき? 相続人全員で共有すべき?

ファイナンシャルフィールド / 2021年8月27日 10時10分

不動産の相続。相続人1人が単独で所有すべき? 相続人全員で共有すべき?

相続財産に不動産が含まれている場合、その不動産を複数の相続人で相続して共有財産(共有名義)とするのか、それとも特定の相続人が単独で相続して固有財産(単独名義)とするべきなのか。この選択は非常に重要になります。   どちらにもメリットとデメリットがあるため、それらを理解しないまま決定すると相続人の間で無用な争いが起きたり、その後の管理など相続とは別の問題の原因となることもあります。

相続した不動産を共有名義とする場合のメリット・デメリットは?

相続によって共有名義とした不動産は、相続人各自の持ち分が決められているのですが、その持ち分とは関係なく、各自が自由に不動産を使うことができます。
 
例えば、相続人の1人の持ち分30%だからといって、共有名義の家の30%の面積しか使えないわけでもなければ、家の利用に他の相続人の同意が必要なわけでもありません。
 
一方、保存行為を除く管理行為については、過半数以上の持ち分がある共有者の同意が必要になりますし、変更を加えるような行為は他の相続人の同意が必要であり、持ち分に応じた費用を負担しなければならないなど制限もあります。
 
例えば、30%しか家の持ち分を持たない相続人は、自身の持ち分と合わせて過半数以上となるように他の共有者の同意を得ない限り、その家を勝手に他人に貸したりできませんし(管理行為)、家の増改築や売却(変更行為)は他の相続人の同意を得なければできないことになります。
 
不動産を共有名義にするメリットは、いったん法定相続分に沿った持ち分で共有名義にしておくことで公平な遺産分割となり相続手続きがスムーズに終わる、増改築を行う場合は複数の相続人で費用を負担するため各自の負担が少なく済む、などがあります。
 
共有名義のデメリットは、何より権利関係が複雑になることです。
 
共有する不動産の今後の利用や管理について、相続人全員で話し合いなどをしながら調整することになりますし、共有している人が亡くなって相続が発生した場合、新たに共有者が増えることにもなります。
 
また、相続人同士で不動産に対する意見の食い違いなどが生じて争いとなったり、誰かが自分の持ち分を売却して知らない人が共有者の1人になっていたということも理論上は起こり得ます。
 

相続した不動産を単独名義とする場合のメリット・デメリットは?

不動産を単独名義とすることのメリットは、何より権利関係がシンプルな点です。所有者が明確になるため、利用も管理も全て相続した1人が自分の事情に合わせて行うことができるからです。
 
デメリットとしては、遺産分割の際に相続人のうち誰が単独で相続するかでもめたり、全員が納得する形で相続する人が決定されていないと後々トラブルになる可能性が残る点です。
 

不動産の相続は単独か、共有か

相続した不動産を相続人の1人が単独名義で所有すべきか、それとも共有名義にしておくべきなのかはケースによって異なります。しかし、基本的に共有は避け、誰かが単独で所有するという形式が望ましいででしょう。
 
その理由は、共有名義として権利関係が複雑になることのデメリットがあまりにも大きいからです。
 
特に兄弟姉妹間での共有名義とした場合、その後も長年にわたって共有関係が続きます。例えば、そのうちの誰かの経済状況が変わるなどして不動産を売りたいと言い出したり、配偶者や家族が不動産の管理形態などに口出ししてトラブルに発展するということもあります。
 

相続した不動産の所有は可能な限り単独で

相続した不動産は、可能であれば相続人の1人が単独名義で所有するようにしてください。単独名義、共有名義のどちらにもメリット・デメリットがあるにせよ、単独で所有した方が結果的に相続人同士の関係性が守られ、問題も起きにくいからです。
 
とはいえ、一番は相続人全員が納得できるよう決めることです。相続によって取得した不動産の所有権については、それぞれのメリット・デメリットを確認した上で相続人の間でしっかり話し合い、できる限り全員が納得できる所有形態を選ぶようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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