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〈女優〉ショップ「SWEDEN GRACE」を始めて、自分がこんなに商売が好きだと知りました。

ファイナンシャルフィールド / 2019年2月19日 7時54分

お店を始めたいと思ったきっかけから教えてください。 以前からお店をやりたい気持ちがあって、何度か具体的に動き始めたこともありました。その時はオーナーさんとスポンサーさんがいて、私のコンセプトで店作りをする、というものでし […]

お店を始めたいと思ったきっかけから教えてください。

以前からお店をやりたい気持ちがあって、何度か具体的に動き始めたこともありました。その時はオーナーさんとスポンサーさんがいて、私のコンセプトで店作りをする、というものでしたが、女優の仕事との兼ね合いなどがあって、なかなか上手くいきませんでした。去年の2月に50歳の誕生日を迎えたので、もうやるなら今しかないと。全部を自分でやる形でないと始まらないと思ったのです。さっそくお店を探し始めたのですが、なかなか決まらなくて。それで以前テレビ番組の取材で谷根千に来た時に、初めて谷中が面白い街だと知ったことを思い出しました。私は猫が好きで、谷中は猫の街で有名。谷中霊園には川上家のお墓があって、父親と所縁のある場所です。Tokyobikeという自転車屋さんの紹介で、いっしょに谷根千を1日かけて自転車で回って、谷中の「へび道」がとても気に入りました。このあたりはギャラリーもいくつかあるし、落ち着いて見てもらうには良い場所だと思いました。

ショップオーナーになるための勉強をされたのですか?

経営に関しては、特別な勉強をしたわけではありません。10年前から女優の立場で、経済紙のために経営者をインタビューする仕事を毎月続けてきました(月刊誌「カンパニータンク」)。自分の店を作ることを考え始めてからは、意識しながらその仕事に取り組むようになりましたね。経営者の方々からうかがったお話が、参考になっています。ガラスの仕事を始めていたので、2009年に自分の会社「MAJKO.K」を立ち上げました。でも個展をやるくらいで、なかなか動けなかった。そろそろ本格的に始めないと、という気持ちもお店の開業を後押ししましたね。

主な取り扱い商品は川上さんの出身国であるスウェーデンの小物と家具ですね。

北欧の商品を扱うお店は増えていますが、いわゆる雑貨屋さんはやめようと思っていました。各国のものをいっしょにした北欧ショップではなく、私と母が好きなスウェーデンに特化した商品構成で、「小物」にこだわった店作りを目指しました。デザイナーである両親が若い頃に勉強のために過ごしたスウェーデンは、デザインの王国と呼ばれています。当店で扱うのは100年前のビンテージの小物や、家具にしても当時からデザインを変えずに作られ続けている商品。長く使うものであり、あちらこちらへ行かずにぶれない商品コンセプトがあります。決して幼稚にならずに大人が使える可愛らしさがあるし、飾るだけではなくて実用性もあります。それが魅力だし、私が惹かれる点ですね。

商品の仕入れはどのような方法でされていますか?

家具の輸入に関してはすでに親がやっていたので、それを引き継いでいる部分があります。私が生まれた50年前からデザインの専門家で、スウェーデン語が堪能な母が、買い付けの時に現地の会社との契約を担当。現地に友人も多いので仕事を任せられるのです。母の目も通した品揃えができることは、当店の強みだと思っています。昨年末はオープンしてから最初のクリスマスだったので、関連商品をお求めになりたいというお客様の声を多くいただいていました。それならば現地へ行こうということで、12月に母と2人で行きました。近年は夏に行くことが多かったのですが、冬の現地を実際に見た上でたくさん買い付けることができたのは良かったと思います。今スウェーデンで流行っているものや根付いているものを、日本に紹介したい気持ちが強いですね。

お店では川上さんデザインのガラス作品も販売されています。

以前は個展の時に販売し、常設のショップはなかったこともあって、ファンから要望を受けていました。2005年に初めて「川上麻衣子ガラスデザイン展」をギャラリーで開催して、2年ごとに続けてきました。スウェーデンへ行くたびにガラス製品を買っていた私の趣味が出発点。私がガラス好きだと知られるようになった20代に、ガラスを扱ったテレビ番組に出演した時、有名なガラス作家さんから勧められて、青森の工房でガラスを吹かせていただきました。当時職人さんの世界に入って体験できるのは貴重でした。30歳頃に学校に通って、吹きガラスを習得したのですが、やはり難しいことがわかりました。スウェーデンではデザイナーと職人が分業になっています。私は工芸作家という誤解を受けないために、ガラスデザイナーの肩書にしています。母がテキスタイル・デザイナーで、父が木工デザイナー。同じ道は歩めないと思ったし、芸能界に進んだこともあったので、両親とは違うガラスという分野で始めました。親とは関係ないところで好きなようにできたのは幸いでした。

開業から3ヵ月経った今、感じていることは?

予想外だったのは、自分がこんなに商売が好きだと知ったこと。その面白さは実際にやってみて気づいたことです。考えてみたら川上家は商人の家系なので、血筋なのかなと思いますね。曜日や日にちや天気によって、人の流れがこんなに違うものなのか、というのも以前はまったく意識したことがありませんでした。ようやく自分の城ができたのは、感慨深いですね。女性のお客様の反応を見ているだけで、幸せに感じます。収入面を比較すれば女優業とは異なりますが、お金には代えられない喜びがあると思っています。

スウェーデン人の生活スタイルから学べる「節約、合理性」があれば教えてください。

日本人とスウェーデン人は性格が似ていると言われています。彼らが日本人に憧れる部分もありますし。彼らの生き方として避けられないのが気候との闘い。夏の白夜と冬の極夜。夏に弾けた時に、誰もが原始的に帰ります。ほとんどの人が代々受け継がれてきた別荘を持っていて(日本人の感覚の別荘とは異なる)、電気も水道もない環境で生活します。排泄物も肥料として利用することが、家族としての循環という考え方。森で木の実を取って、自給自足する。森はすべての人々に開放されている自由があります。そのような彼らの考え方が合理的。自立して合理的に考えられることの基礎になっていると思います。彼らが都会的な感覚を持つ一方で、循環を意識したライフ・スタイルを実践しているのが、節約や合理性に繋がっています。友人の子供が、どれが毒キノコであるかも、ちゃんと私に説明してくれますから。そういうところが日本とは違うと思いますね。日本は自然もたくさんあるので、本当はそれらから学ぶべきでしょう。

女優から出発してから、様々な分野へと活動を広げてきました。ご自身の成功体験を踏まえて女性読者にアドバイスするとしたら?

女優業に関しては、売れすぎないのが良かったと思っています(笑)。一気に売れるとかコマーシャルにたくさん出るとかではなく、じわじわと続けてきました。その分、他の人がやらない仕事ができたし、特に10代は役柄の幅が広がりました。一つのイメージに固まって売れたわけではなかったことも大切。飽きられるのが怖いだけではなく、同じような仕事をしていると自分も飽きてしまいますから。デビューした頃は女優業だけが当たり前だったけれど、時代の変化につれて他の分野の活動が女優業の幅を広げると認識されるようになりました。今は女性がやりたいことをやるのが許される時代。やりたいことのために何かを削らなければいけないこともありますが、強い気持ちがあればそれはできるし、選択は見えてくるはず。自分の可能性や面白いと思ったことは狭めずに、年齢に関係なくどんどんやった方がいいと思いますよ。

今後お店をどのように育てていきたいですか?

谷中を選んで、本当に良かったと思っています。街の人たちが受け入れてくれて、平日でも口コミで近所の方が何度も来店されるんです。この街に馴染んでいきたいですね。スウェーデンと東京の下町というアンバランスなものがバランスをとっているのがいいなと。店舗を広げるとか増やすのではなく、ここでじっくりと続けたいです。他の活動に広げるとしたら、女優業を生かしたワークショップをするのも一つのアイデア。そのようなコミュニケーションができる場所にしていきたいと思っています。

【SWEDEN GRACE】

暮らしを豊かにするスウェーテンのテサイン &川上麻衣子デザインガラス、その他、楽しい小物たちのセレクトショップ。
場所:台東区谷中2-5-15
電言:03-5834-8709 Fax 03-5834-8756
開店日:木曜、金曜、土曜、日曜、祭日
時間:11時~ 18時

映画『やまない雨はない』 クランクイン
スイーツ界のカリスマ、マダム信子の波乱の半生を描く『やまない雨はない』が大阪でクランクイン。大阪で行列ができるスイーツ店「マダムシンコ」を手掛けているのがマダム信子。彼女の半生と彼女を支えた夫との夫婦愛を、やまない雨にたとえ、感動的にドラマチックに描きます。このマダム信子を演じるのが川上麻衣子、マダム信子の20代から60代までを演じます。マダム信子を、影で支え、掛け替えのないパートナーである夫、川村幸治役には、TVシリーズ「特命係長 只野仁」などで存在感をみせる永井大。

監督・脚本:北﨑一教
出演:川上麻衣子 永井大
原作:マダム信子「やまない雨はない」
企画・制作:ベック/クロックワーク/アイエス・フィールド
公開予定:2018年、全国公開
配給:アイエス・フィールド

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