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アパートを退去する時に敷金は返金されるの? 改正民法でルールが明確化

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月13日 4時0分

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2020年4月に施行された改正民法では、アパートなどの賃貸借契約について、退去の際の原状回復義務の範囲や敷金の返還に関するルールの明確化が計られています。   改正前の民法では、原状回復義務に関する貸主と借主の負担や敷金の取り扱いなどが不明確となっていたため、退去時に大家さんと借主のトラブルとなるケースも多く発生していました。  

改正民法(債権法)による明確化

改正民法では、これまで国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」や裁判例に沿って実務上運用されてきたルールを、民法に規定することで明確化が計られています。
 

(1)敷金

敷金(西日本では保証金などの名称)については、その名称の違いによらず、退去の際の修繕費用(借主負担分)や家賃滞納に備え、貸主に預けておくお金のことです。
 
改正民法では、賃貸借契約によって借主が貸主に対して負担する金銭債務を担保するために貸主に預けるお金との趣旨を規定しています。そして、退去時には貸主は債務を控除した金額を借主に返還しなければならないと定められました。
 

(2)原状回復義務

原状回復義務については、原則、借主にあるとしています。そして、これまでトラブルとなりがちだったその範囲について民法上で明確化が計られました。
 
基本的には、借主の不注意や故意、過失による建物の劣化、損傷(床や壁を汚したり、傷つけたりした場合)が対象となります。逆に、借主が普通に暮らしている中で生じる自然損耗や経年劣化については、その範囲に含めることなく、貸主の負担で修繕などをする必要があります。
 

(3)家賃減額

給湯器やエアコン、トイレなどの設備の故障によって借主が使用できなくなった場合、改正民法では、その使用および収益をすることができなくなった割合に応じて、賃料が減額されると明記されました。
 
どのような故障で、どの程度が減額されるかは貸主との交渉が必要となりますが、1つの目安として、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会が以下のようなガイドラインを示しています。
 
例えば、通常10年程度で交換を要する給湯器が故障して、風呂が1ヶ月間使えなかった場合、それが借主の責めに帰することができない事由であれば、月額家賃の10%(免責期間3日間)を目安に家賃が減額されることになります(原則は期間に応じて日割計算)。
 


※公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 「貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」に基づき、筆者作成
 

(4)修繕

前述のとおり、賃貸住宅の設備(給湯器やエアコンなど)が借主の通常使用の範囲で故障したり、建物が一部破損した場合は、貸主の負担で修繕することが原則となります。
 
しかし、貸主に対して修繕の連絡をしてもすぐに対応されないことがあるため、改正民法では、貸主に連絡して相当の期間が経過しても修繕がなされない場合には、借主自らが修繕できることを規定しています。
 
そして、その修繕費用は「賃借人は、賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができる。」と定められています。
 

まとめ

その他にも、家を賃貸契約する場合の保証人(保証契約)について、保証人が負うこととなる責任の上限額(極度額)を定めることが明記され、極度額を定めない場合の契約は無効となるとされました。
 
家を賃貸する場合に、契約時に受ける重要事項説明や契約書の記載内容について、あまり細かくは覚えていないという方も多いと思われます。特に借主が個人(一般人)の場合には、法律上で一方的に不利となる契約を排除する措置が取られており、一定の範囲では守られていることも事実です。
 
しかし、最終的には契約当事者としての借主の責任として、契約内容を把握しておくことは非常に重要なことと思います。
 
出典
公益財団法人日本賃貸住宅管理協会 貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
 

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