共働き世帯の老後。収入別の年金平均受給額はどれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月15日 23時0分
![共働き世帯の老後。収入別の年金平均受給額はどれくらい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_116125_0-small.jpg)
厚生労働省の「共働き等世帯数の年次推移」によると、共働き世帯は増加傾向にあります。それに伴い世帯収入が増加することが予想されますが、老後に受け取れる年金額はどれくらいになるのでしょうか。 以下では、標準的とされている年金額と収入別の年金受給額について解説していきます。
標準的な年金額は22万496円
日本年金機構のホームページには、令和3年4月分からの年金額について記載があります。それによると、国民年金(老齢基礎年金)の金額(満額)は月額6万5075円です。一方、老齢厚生年金の標準的な金額は月額22万496円とあります。
老齢基礎年金は年収による差はないため、年収がいくらであっても満額は同じ金額です。つまり年収が500万円であっても1000万円であっても、令和3年4月分からの老齢基礎年金の満額は月額6万5075円となります。
一方、老齢厚生年金は年収により受け取る年金額が変わります。従って、日本年金機構のホームページに記載されている「老齢厚生年金の標準的な金額は月額22万496円」というのは、ある設定の基に計算された金額となります。この場合の設定は、以下のとおりです。
●採用された収入は平均的な収入 ※平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円
●算出された年金額は、夫の老齢厚生年金額と夫婦2人分の老齢基礎年金を合計した額
つまり、この条件を整理すると以下のようになります。
●夫:会社員(厚生年金加入。年収526万8000円)
●妻:専業主婦(国民年金加入)
●夫:月額15万5421円
●妻:月額6万5075円
●夫婦合計:月額22万496円
収入別の概算年金受給額
ここから、年収別の年金受給額(概算)を計算していきます。年金額は以下の式により試算していきます。
●年金額=老齢基礎年金額+老齢厚生年金額
●老齢基礎年金額(月額)=6万5075円
●老齢厚生年金額(月額)=老齢厚生年金額(年額)÷12ヶ月
●老齢厚生年金額(年額)=報酬比例年金額(※1)
●報酬比例年金額=平均標準報酬額×5.481÷1000×480ヶ月(※2)
(※1 経過的加算、加給年金額を考慮しない)
(※2 平均標準報酬額は期間中一定であるものと仮定する)
試算の結果は、以下のとおりです。
年収 (平均標準報酬額) |
老齢基礎年金額 (月額) |
老齢厚生年金額 (月額) |
年金合計額 (月額) |
---|---|---|---|
240万円(20万円) | 6万5075円 | 4万3848円 | 10万8923円 |
360万円(30万円) | 6万5075円 | 6万5772円 | 13万847円 |
480万円(40万円) | 6万5075円 | 8万7696円 | 15万2771円 |
600万円(50万円) | 6万5075円 | 10万9620円 | 17万4695円 |
720万円(60万円) | 6万5075円 | 13万1544円 | 19万6619円 |
上記の試算結果を基に、共働き世帯が老後に受け取れる年金額の概算が把握できます。例えば、以下のようになります。
●夫:会社員(厚生年金加入。年収600万円)
●妻:会社員(厚生年金加入。年収360万円)
●夫:月額17万4695円
●妻:月額13万847円
●夫婦合計:月額30万5542円
まとめ
今回試算してみた年金額は、あなたが予想していた年金額と比べて多かったでしょうか、少なかったでしょうか。今回の計算はあくまで試算ですので、あなたが将来受け取れる金額とは一致しないでしょう。しかし、大まかな金額を把握することはできましたね。
大まかな額を把握できれば、将来老後資金が足りるのか不足しそうなのかを予測することができます。予測することができれば、必要に応じて対策を立てることができますので、今回の試算の結果は大いに役に立つ情報となります。
老後は、いつ来るのか分かっているものです。老後資金に不安を感じたら、早めに対策を立てるようにしましょう。なお、年金の受取額を詳細に知りたい場合は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認されることをお勧めします。
出典
厚生労働省 「共働き等世帯数の年次推移」
日本年金機構 「令和3年4月分からの年金額等について」
日本年金機構 「老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)」
日本年金機構 「年金見込額試算」
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー
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