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車を購入する場合の「残価設定ローン」とは?

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月18日 11時30分

車を購入する場合の「残価設定ローン」とは?

若者の車離れが叫ばれて久しいですが、車の保有や利用方法では、カーシェアリングサービスなどのサブスクリプションサービスが普及してきています。   また、車を所有することなく、月々一定額を負担することで車検や税金などの費用を一括してリースするカーリースなども人気があります。   そして、車をローンを組んで購入する場合でも、通常の銀行マイカーローンの他に、残価設定ローンと呼ばれる商品があります。ここでは、その仕組みとメリット、デメリットなどについて確認してみたいと思います。

残価設定ローンとは?

残価設定ローンの「残価」とは、あらかじめ経過年数や走行距離などで決められるローンの最終返済回時点で残っている車の価値(下取り価格)のことをいいます。残価設定ローンの場合は、この車両価格から残価を差し引いた額に対して、ローンを計算し、毎月返済していく方法です。
 
例えば、一般的な銀行マイカーローンと残価設定ローンを以下の条件で購入した場合は、
 

【銀行マイカーローンの場合】

車両価格 500万円 支払回数 5年(60回) 年金利 2% 元利均等返済(毎月支払)
→毎月の返済額 8万7638円 総支払金額 525万8328円

 

【残価設定ローンの場合】

車両価格 500万円 支払回数 5年(60回) 残価 100万円 年金利 3%
→毎月の返済額 7万3004円 総支払額(残価含む) 530万7238円

 
上記の事例では、残価設定ローンの場合、車両価格から残価分100万円を差し引いた400万円を59回で返済することになります。そして、最終回に100万円の残価が残ります。
 
事例のとおり、金利は2%よりも高い3%と仮定しても、残価設定ローンを利用することで毎月の支払額は低く抑えることができます。
 

残価の精算はどうするのか?

それでは、ローンの最終返済回の時点で残る残価はどのように精算するのでしょうか?その精算方法には以下の3つがあります。
 

(1)車を返却する

前述のとおり、残価を下取り価格として車と返却することで精算する方法です。この場合には、もちろん残価を金銭で支払うことはありません。
 

(2)残価を支払って車を買い取る

前述の事例でいえば、残価100万円を支払うことで同じ車を買い取り、そのまま使用する方法です。100万円を一括で支払う方法や再度100万円のローンを組む方法などがあります。
 

(3)新車に乗り換える

これまで使用した車を返却し、新車に乗り換える方法です。購入時にさまざまなルールが定められていますが、基本的には同一メーカーの一定車種を選択する場合が多くなります。
 
残価設定ローンを利用する方は、あらかじめ残価をどのように精算するのかについて、ローンを組む前にイメージしておくことが望ましいといえるでしょう。
 

残価設定ローンのメリット、デメリット

残価設定ローンを利用する場合の注意点やメリット、デメリットについて見てみましょう。
 
【メリット】
 
(1)車両価格から残価を引くことで、月々の支払額が低く抑えられること

前述のとおり、銀行マイカーローンより高い金利となった場合でも、ほとんどの場合月々の支払額を低く抑えることができることが最大のメリットとなります。
 
一般的な金利の水準は、残価設定ローンでは3%~5%程度の場合が多く、銀行マイカーローン(1%~3%程度)よりも高く、ディーラーローン(3%~10%程度)よりは低い傾向となっています。
 
(2)あらかじめ下取り価格が保証されていること
ローンの最終返済回時点での残価(下取り価格)があらかじめ保証されている点も大きなメリットといえるでしょう。
 
ただし、残価設定ローンでは、通常月々の走行距離に上限が設けられており、規定よりも走行距離が上回った場合や、劣化や損傷が激しい場合などには、追加料金を請求されることがあるため注意が必要です。
 
また、比較的短期間で新車に乗り換える方法があることもメリットの1つでしょう。
 
【デメリット】
 
(1)車両の状態や利用状況などで追加料金が発生する場合があること

残価設定ローンでは、追加料金が請求されない限りあらかじめ設定された下取り価格が保証されるため、価格は下がることはありません。追加料金の発生を抑え、思わぬ出費を防ぐためには、設定されたルールを理解し、丁寧に使用するなどの注意が必要となるでしょう。
 
(2)銀行マイカーローンよりも高い金利を負担すること
これも前述のとおり、一般的な金利水準では銀行マイカーローンよりも高く、ディーラーローンよりも低い水準で、中間ぐらいとなっています。また、車の所有権はディーラーなどにあり、自ら所有権があるわけではありません。
 

まとめ

居住地域にもよりますが、車の使用頻度があまり高くなく、走行距離も限られる場合や、子どもが小さいうちなど一定の期間だけ利用したい場合には、残価設定ローンは有力な選択肢の1つとなるかもしれません。逆に、使用頻度が高い場合には、追加料金が発生する場合があることに注意が必要です。
 
また、前述の事例にもあるとおり、一般的には銀行マイカーローンを利用した方が返済期間における総返済額は低くなる傾向があります。現在の低金利の状況を踏まえれば、車に関する総支出額をできる限り抑えたいという方にとっては、銀行マイカーローンの利用の方がメリットは大きいかもしれません。
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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