働き方・ライフスタイルの変化を示す? 女性の厚生年金加入率はどれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月21日 12時10分
![働き方・ライフスタイルの変化を示す? 女性の厚生年金加入率はどれくらい?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_116611_0-small.jpg)
社会進出をする女性が増えているいま、女性の厚生年金加入率も年々増加する傾向にあります。今回は、女性の厚生年金保険への加入の実態について解説します。
女性の厚生年金加入者数
厚生労働省の資料によると、2018年度の厚生年金加入者総数は4428万人で、その内女性は1687万人と全体の約38%の割合となっています。また、年齢別に見ると、男性そして女性ともに45歳から49歳の割合が高く、平均年齢は男性で44.5歳、女性は42.6歳となっています。
■短時間労働者で見ると?
ただし、短期労働者の場合で見ると、男性は65歳から69歳、いわゆる定年後の再雇用の割合が多いのに対し、女性は45歳から49歳となっており、フルタイム同様にこの年代の割合が1番多いことが特徴です。
(出典:厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(※1))
標準報酬月額等
では、2018年度の厚生年金加入者の標準報酬月額等を男女別に見ていきましょう。
<標準報酬月額の平均>
標準報酬月額は男性と女性で10万円以上の開きがあるものの、伸び率については女性のほうが大きいことが分かります。
<標準賞与額平均>
標準賞与額でみると、男女差は20万円近くあり、伸び率については男女ともに差がありません。
<1人あたり標準報酬額(総報酬ベース)>
年間ベースの総報酬額については、男性は500万円が平均となっており、女性の場合は330万円程度となっています。しかし、伸び率は男性が0.9%であるのに対し、女性は1.4%となっています。
<男女別推移>
標準報酬月額そして標準賞与額については、男女ともにゆるやかに上昇しています。さらに総報酬ベースの標準報酬額については、男性が一時低下したにもかかわらず、女性の場合は上昇を続けており、その伸び率も常に男性を上回っています。このことは、長く勤務する女性が増えたことを裏付けているといえるでしょう。
(出典:厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(※1))
女性活躍推進法の成立
女性の働く機会が増えた背景には、2015年の「女性活躍推進法」の成立があります。この女性活躍推進法により、301人以上の従業員を雇用する事業主に対して、2016年4月1日より以下のことが義務付けられることとなりました。
■自社の女性の活躍状況の把握・課題分析と行動計画の策定
国や地方公共団体、そして民間企業の事業主は、「女性の採用比率」「勤続年数の男女差」「労働時間の状況」「女性管理職比率」などを把握し、そのうえで女性が活躍できる職場づくりのための行動政策を策定し、公表することとされています。
■10年間の時限立法
この女性活躍推進法は10年間の時限立法ではありますが、成立されてから今までに、女性が働きやすい職場を目指すためにさまざまな取り組みがなされています。
(出典:厚生労働省「女性の職場における活躍を推進する 女性活躍推進法が成立しました!」(※2))
まとめ
現在、女性が働きやすい環境を目指して、「ライフイベントに対応した柔軟な働き方の促進」や「ワーク・ライフ・バランスの推進」、さらには男性の意識変革も視野に入れた取り組みが行われています。ひとり親家庭への支援策もさることながら、子育てや介護によって離職することがないような配慮がなされている点も注目すべきといえます。
出産や育児休暇についても復帰の際に不利益な扱いをしてはならないなど、企業が務める取り組みも進んでいることから、今後の女性の厚生年金加入率の増加および社会進出が期待されます。
(出典:総務省「女性活躍の推進に関する政策評価」(※3))
出典
(※1)厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
(※2)厚生労働省「女性の職場における活躍を推進する 女性活躍推進法が成立しました!」
(※3)総務省「女性活躍の推進に関する政策評価」
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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