FIRE、実践しない人も使える考え方のヒント
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月23日 4時10分
![FIRE、実践しない人も使える考え方のヒント](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_116742_0-small.jpg)
みなさん、「FIRE」という言葉をご存じでしょうか。最近では、実践のノウハウ本が書店に並んでいます。FIREの考え方には賛否両論ありますが、実行するか否かはさておき、お金との付き合い方を学ぶヒントになりそうです。具体的に内容を考察します。
FIREを始める前に考えておくこと
FIRE(Financial Independence, Retire Early)は直訳すると「経済的に自立する、早期に引退生活を始める」の意味です。早い段階で経済的な基盤を築き、不労収入で生活することで早期リタイアを実現します。
大まかな実践の考え方は次のようなものです。
まず、自分が思い描くリタイア後の生活において、1年間に必要な金額を算出します。その金額を運用収益で賄いますので、必要になる運用総資産額を求めます。ここで一般的には4%ルールなどが提案されています。“4%なら運用できる数字として無理な値ではない”という目安です。
例えば、年間に必要な金額が250万円だとします。6250万円あれば、6250万円×4%=250万円で、6250万円を取り崩すことなく生活できるというわけです。この場合の目標金額は6250万円と定まりましたので、後はコツコツと資産形成に励むことになります。
資産が目標金額に達成したら毎年4%の運用をして、その範囲内で生活をするのです。もちろん年間250万円で生活するのが難しく500万円かかるとなれば、必要な運用資産額も2倍になります。2倍の資産を作るのは大変なので、リタイア後の運用を4%ではなく6%で運用できないかと考えるかもしれません。ですがそうなるとリスクが高くなりますので、持続するのが難しくなります。無理は禁物です。
注意点がいくつかあります。人生山あり谷ありというように、想定外の出来事も多々起こります。リタイア後の長い人生、果たして年間250万円で足りるのかということ。また4%の運用としていますが、長期的に運用して平均すると達成できても、通年で考えて問題ないのかというとそう甘くはありません。経済は○○ショックなど、不確実なことも多いです。慎重な試算が必要といえます。
「もしFIREするなら」と考えてみませんか?
FIREの準備として、最初に3つのステップがあると思います。
(1)ライフプランを考える
(2)お金の使い方に優先順位をつける
(3)自分のリスク許容度を知る
FIREを実践する意向がなくても、一度「自分のお金との付き合い方」を知るためにこの3つを考えてみることはお勧めです。
(1)ライフプランを考える
FIREは経済的自立と早期リタイアですが、“お金に縛られずに思うがままの生活を手に入れたい”というからには、ライフプランがあるはずです。自分が理想としている生活はどのようなものかを考えることは重要です。将来どうなりたいのか、日々の生活はどうしたいのか……こうしたことを考える機会を持つことは必要です。
(2)お金の使い方に優先順位をつける
FIREを実践するには、お金の整理をする必要があります。1年間に必要な金額の洗い出しは、お金の流れを可視化する上で重要です。またリタイア後の生活を支える運用資産を作るためには、節約は欠かせません。支出の無駄を省くには、お金の使い方に優先順位をつける必要があります。FIREを実践するつもりになって、家計を見直してスリム化をはかるのも一案だと思います。
(3)自分のリスク許容度を知る
リタイア後の生活は4%の運用で賄うFIRE生活ですが、4%のポートフォリオは、例えば
<国内株式10%・先進国株式30%・新興国株式10%・先進国債券30%・新興国債券20%>というようになります。これは一例ですが、どのような組み合わせにしてもリスクと向き合うことになります。
景気が落ち込んで資産が目減りした時、どの程度まで耐えられるのか、我慢して持ち続けられるのか等々は、とても重要です。自分のリスク許容度を考えると、4%ではなく、もう少し安定的な3%運用となるかもしれません。自分のリスク許容度にのっとって運用することが、運用を長続きさせる秘訣(ひけつ)だと思います。
「人生100年時代、長く働く時代」などといわれ、働き方も多様な時代になりました。ステップアップや職種変更のため、途中で学び直しすることもあるでしょう。フレキシブルに人生の選択をするためにも、経済的なゆとりは必要です。早期リタイアせずとも、経済的な自立を視野に入れるべき時代になったのかもしれません。
執筆者:宮﨑真紀子
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
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