60歳以降の働き方。給料をいくらもらうと年金が「支給停止」になる?
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月23日 22時40分
![60歳以降の働き方。給料をいくらもらうと年金が「支給停止」になる?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_116843_0-small.jpg)
60歳以降に働くと年金が支給停止になるという話を聞き、今後を不安に感じる人は少なくないでしょう。 実際に60歳以上である程度の収入がある場合、年金は一部支給停止になります。そのため、60歳以上で働くときは収入をうまく調節する必要があります。 この記事では60歳以降の働き方について、年金の観点から解説します。年金の支給停止基準も詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください。
60歳以降の勤務は年金の支給停止に注意
60歳以降に勤務をすると、年金が支給停止になる可能性があります。支給停止になる割合は、収入と年齢によって変わりますが、年金がもらえなくなると、生活にも大きな支障が出てくる可能性もあるのです。
60歳以降の勤務は、支給停止の条件を意識しながら決めましょう。ここからは、支給停止の対象となる年齢、支給停止になる理由を解説します。
60歳以降も働きたい人は、ぜひチェックしてください。
支給停止の対象となる年齢
60歳以上になると、支給停止の可能性が出てきます。支給停止について上限の制限はないので、60歳以上で働くすべての人は年金に注意が必要です。
ただし、60歳以上と65歳以上で支給停止の条件が違うため細かく確認しましょう。
働くと支給停止になる理由
年金は働かなくなった人のためのものであるため、働いた場合は支給額が減ってしまいます。
60歳以降で収入が多い場合、年金に加え収入を受け取ると資産にさらに余裕ができてしまいます。これは老後の資金の助けになるという年金の目的から外れてしまうため、年金の支給が停止されるのです。
年金が支給停止になる条件
年齢ごとに支給停止の条件は異なるため、自分の年齢に応じて条件を確認する必要があります。支給停止の条件は、以下3つのパターンで異なります。
●60歳以上65歳未満で働く場合
●65歳以上で働く場合
●失業保険をもらう場合
条件をしっかり確認して、自分が該当するのかチェックしてください。
60歳以上65歳未満で働く場合
60歳以上65歳未満で働く場合は、収入に応じて支給停止額が変わります。
収入 | 支給停止額 |
---|---|
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下 | なし(全額支給) |
基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円以下 | (総報酬月額相当額+基本月額-28万円) ×1/2×12 |
基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円を超える | {(47万円+基本月額-28万円) ×1/2+ (総報酬月額相当額-47万円)} ×12 |
基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円以下 | 総報酬月額相当額 ×1/2×12 |
基本月額が28万円を超え、総報酬月額相当額が47万円を超える | {47万円✕1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12 |
基本月額とは、毎月の年金支給額のことを指します。そして総報酬月額は、年収を12で割った数です。自分の給与に当てはめて確認しましょう。
65歳以上で働く場合
65歳以上で働く場合、支給停止額は以下のとおりです。
収入 | 支給停止額 |
---|---|
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円以下 | なし(全額支給) |
基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超える | (総報酬月額相当額+基本月額-47万円) ×1/2×12 |
自分の収入に沿って確認しましょう。
失業保険をもらう場合
高年齢雇用継続給付金または高年齢再就職給付金を受け取っている場合、年金の一部がもらえません。もらえなくなる年金は、最大で標準月額報酬の6%となります。
年金の支給停止に該当したら?
60歳以降で年金の支給停止条件に該当すると、年金の一部がもらえなくなります。しかし、自動で年金支給が停止されるのか分からず、悩む人は多いでしょう。
ここからは、支給停止の要件を満たしたらどうすれば良いか解説していきます。「支給停止になったら手続きは必要?」「これからの勤務はどうすれば良い?」といった悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてください。
手続きを確認する
年金の支給停止手続きは、自分で行う必要はありません。また、退職し支給停止を解除するにあたっても、すみやかに手続きが行われます。
しかし、手続きがうまくできているか自分で確認することは大切です。支給停止の基準を満たして以降、年金が適切に支払われているかチェックしましょう。
勤務体系を見直す
年収と収入に不安があれば、勤務体系を見直しましょう。収入が基準以下になれば支給停止の解除も可能です。
もらえる年金を多くしたいなら、勤務体系を調節して収入を減らしましょう。
支給停止の基準を意識して働こう
老後の資金確保や定年延長のため、60歳以降も働く人は多くいます。しかし、収入が多いと年金が支給停止になる可能性があるため、働き方は慎重に検討する必要があるでしょう。
年金が支給停止になっても、それ以上に収入があれば生活には困りません。しかし、今後も元気に働き続けられるか分からない場合、支給停止にならない程度の収入で働き、受け取れるお金を増やすことも大切です。
年金をもらうか、働くか迷ったらファイナンシャルプランナーに相談するのがおすすめです。今後の生活資金も含めファイナンシャルプランナーに相談し、最適な選択をしましょう。
出典
日本年金機構「在職老齢年金の支給停止の仕組み」
日本年金機構「年金の支給停止(撤回)を希望するとき」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
この記事に関連するニュース
-
定年まで5年ありますが「早期退職」に応募しようか迷っています。失業給付を受け取ったら、受給できる「年金額」は減る?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月27日 2時20分
-
ヒドイ仕打ちだな…月収32万円・67歳サラリーマン、年金機構から届いた「年金支給停止」の通知に激怒
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月24日 10時15分
-
2024年中に、64歳で特別支給の老齢厚生年金を受給する資格が発生します。在職老齢年金は48万円が支給停止調整額になるのですか?
オールアバウト / 2024年7月14日 18時30分
-
年金だけでは老後が不安→勤務続行も…60歳超で「月収47万円以上」の会社員を襲う〈在職老齢年金制度〉の理不尽【FPが警告】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月13日 11時15分
-
母は70歳まで働き続けるようなのですが「収入をいくらにおさめよう」と悩んでいました。稼ぎすぎると何かあるのですか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年7月4日 2時10分
ランキング
-
1「キャンプブーム」は終わった アウトドア業界はどの市場に“種”をまけばいいのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月31日 7時30分
-
2「身代金」「初動対応」、"KADOKAWA事件"の教訓 凄腕ホワイトハッカーが語る日本企業への警告
東洋経済オンライン / 2024年7月31日 8時0分
-
3トヨタ自動車、国交省「是正命令」受け謝罪 型式指定不正の原因は「現場と経営の両面」体制見直しへ
ORICON NEWS / 2024年7月31日 17時47分
-
4【速報】日銀が追加利上げを決定 政策金利0.25%程度に 長期国債買い入れは26年1~3月に月間3兆円程度に
日テレNEWS NNN / 2024年7月31日 13時12分
-
5日銀、追加利上げ決定=政策金利0.25%に―国債購入、月3兆円に段階縮小
時事通信 / 2024年7月31日 13時44分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)