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60歳からの働き方。結局、月いくら働いたら年金は減額されるの?

ファイナンシャルフィールド / 2021年9月27日 12時10分

60歳からの働き方。結局、月いくら働いたら年金は減額されるの?

「稼ぎすぎると年金がカットされる」と聞いて、定年後の働き方を悩んでいる人は多いのではないでしょうか。働きながら年金も満額受給したいと考えるなら、「在職老齢年金」の制度を意識する必要があります。   ここでは、在職老齢年金制度の概要や年金の支給停止のルールについて説明するとともに、令和4年4月から新設される「在職定時改定」についても紹介します。年金額を基準に定年後の働き方を考えたい人はぜひ、制度の理解にお役立てください。

60歳を超えて働く人の「在職老齢年金」とは

 
勤務先が厚生年金保険の適用事業所であれば、老齢厚生年金受給者であっても厚生年金保険に加入しなければなりません。
 
厚生年金保険に加入しながら老齢厚生年金を受給する場合、年金と給与・賞与の金額に応じて、受給額の一部または全額が全額支給停止となることがあります。この制度が「在職老齢年金制度」です。
 
在職老齢年金制度が適用されるのは、次の3つの場合です。
 

●厚生年金保険に加入している
●共済組合等に加入している
●議員として報酬を受けている

 

在職老齢年金の収入制限のルール

 
在職老齢年金制度では(1)総報酬月額相当額(給与月額)と(2)老齢厚生年金の基本月額の合計額をもとに、老齢年金の支給停止額の判定が行われます。
 

(1)総報酬月額相当額(給与月額)=賃金(標準報酬月額)+年間の賞与(標準賞与額)÷12
 
(2)老齢厚生年金の基本月額=年金額(年額)÷12

 
(1)と(2)の合計が基準を超えた場合に、老齢厚生年金が一部支給停止または全部支給停止されるルールです。65歳未満と65歳以上では、異なる基準金額が設定されています。
年齢別の基準金額と支給停止額の計算方法について、詳しくみていきましょう。

 

65歳未満の場合

 
65歳未満の場合、老齢厚生年金を全額受給できるのは、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が28万円までの場合です。28万円を上回ると、次の式で算出した支給停止額が年金額から差し引かれます。
 
※ただし年金制度の改正により、令和4年4月以降は、65歳未満の人の年金支給停止のボーダーラインが28万円から47万円に引き上げられることが決定しています。
 

【老齢厚生年金の基本月額28万円以下、総報酬月額相当額が47万円以下】

支給停止額= (総報酬月額相当額+老齢厚生年金の基本月額-28万円)×1/2×12

 

【老齢厚生年金の基本月額28万円以下、総報酬月額相当額47万円超】

支給停止額={(47万円+基本月額-28万円)×1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12

 

【老齢厚生年金の基本月額28万円超、総報酬月額相当額47万円以下】

支給停止額=総報酬月額相当額×1/2×12

 

【基本月額28万円超、総報酬月額相当額47万円超】

支給停止額={47万円×1/2+(総報酬月額相当額-47万円)}×12

 

65歳以上の場合

 
65歳以上の場合は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計が47万円を超えるまでは、老齢厚生年金を全額受給できます。47万円を超えた際の支給停止額の計算式は、次のとおりです。
 
支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)×1/2×12
 

在職中の老齢厚生年金受給者の新ルール「在職定時改定」とは?

 
老齢厚生年金をもらいながら働く人が、在職老齢年金制度と合わせて確認しておきたい制度は、年金制度改正によって令和4年4月より導入される「在職定時改定」です。
 
在職定時改定とは、厚生年金保険に加入して働く65歳以上の年金受給者の年金額を、毎年10月に改定する制度です。
 
従来は退職などで厚生年金被保険者の資格を失うまでは、老齢厚生年金の額は据え置かれていました。しかし、在職定時改定の導入によって、納めた厚生年金保険料が年ごとに年金額に反映されるようになります。つまり、多く働くほど即時的に年金額が増加するわけです。
 
一見、収入増加につながる良い制度のようですが、在職定時改定で年金額が増えることで、在職老齢年金の支給停止ラインを越えるケースも考えられます。年金がカットされない範囲で働きたいという人は今後、在職定時改定も考慮して働き方を調整する必要があるでしょう。
 

給与と年金のバランスを考えた働き方を模索しましょう

 
働きながら年金を受給する場合、一定以上の収入があると在職老齢年金制度によって年金が減額される可能性があります。しかし、年金額が下がっても、収入の総額や退職後の年金額は上がることになるでしょう。
 
目先の年金額だけにこだわるのではなく、現在の家計状況や退職後の資金計画との釣り合いをよく考えて、バランスのとれた働き方をすることが大切です。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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