「V2H」って何?電気自動車の電力を家庭用に有効活用
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月27日 22時10分
![「V2H」って何?電気自動車の電力を家庭用に有効活用](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_117028_0-small.jpg)
皆さんは「V2H」という言葉をご存じでしょうか? V2Hは「Vehicle to Home」の略で、「車(Vehicle)から家(Home)へ」を意味する言葉です。つまり、電気自動車によって蓄えられた電力を、家庭用の電力として有効に活用しようという考え方やシステムを意味しています。 昨今の電気自動車の普及と相まって注目を集めるV2Hについて、その概要を確認してみたいと思います。
電気自動車と充電設備
経済産業省を中心に進められる次世代自動車戦略では、EV(Electric Vehicle:電気自動車)やPHV※(Plug-in Hybrid Vehicle)の普及が進められています。全国に選定されたEV・PHVタウンなどで試行的にインフラ整備を進め、より本格的な普及への道筋を構築しようとしています。
※PHVとは、外部の電源から充電できるタイプのハイブリッド車で、電気自動車のモーターと同時にエンジンも搭載している車のこと。
EVやPHVの普及に不可欠となるのが、充電設備の整備です。充電方法として最も一般的なのは、家庭用のコンセント(100V/200V)を利用する方法です。インフラ整備が進むにつれて、街角の多くの場所で充電設備が設置されつつあります。
※経済産業省 「EV・PHV情報プラットホーム 充電設備について」を参考に筆者作成
上表のとおり、一般的な充電方法である普通充電タイプについては、充電時間が長くかかることがデメリットの1つといえます。また、100Vと200Vの違いによって、約2倍の充電時間の差が生じます。
一方で、充電設備の本体価格については、急速充電タイプと普通充電タイプでは格段の価格差があります。
充電設備の進化
前述のとおり、電気自動車の充電設備は家庭用のコンセント(100V/200V)のほか、家庭用の充電スタンドが利用され始めています。
充電スタンドには、家庭用の電源を単に電気自動車の充電に利用するだけでなく、電気自動車に蓄電した電力を家庭で活用できる給電機能が備えらえれるようになりました。
さらに、太陽光発電との組み合わせにより、昼間に太陽光発電を利用して蓄電池装置に蓄えた電力を、夜間に電気自動車の充電に利用することで、電気代がかからない仕組みを構築することも可能となっています。
V2H機器の活用へ
充電設備の進化により、高性能なV2H機器が普及することで、電気自動車の活用の幅が広がりつつあります。
車から家庭への給電を行うV2H機器には、太陽光発電設備の有無や発電した電力の使用方法によって、大別すると「非系統連系」と「系統連系」の2つのタイプがあります。
「系統連系」とは、太陽光発電設備を導入し、発電した電力を自家消費しているタイプです。太陽光発電の電力、電力会社からの電力、電気自動車からの給電が連携し、同時に使用することができます。
まとめ
V2H機器にはさまざまな活用メリットがありますが、最も大きなメリットは、電気料金を節約できることでしょう。
電気自動車に搭載されている蓄電池は、一般的な蓄電池よりも大容量のものであるため、より長時間の使用が可能となります。また、電気料金が安くなる深夜帯などの利用を組み合わせることで、充電コストを軽減することもできます。さらに、停電時などには家庭用のバックアップ電源としての利用も想定されます。
自治体によっては、EV・PHVの購入に対する補助金とともに、V2H機器の導入費用についても補助金が交付される場合もあります。導入を検討される方は、お住まいの自治体のホームページなどでご確認ください。
出典
経済産業省 EVEV・PHVPHV情報プラットホーム 充電設備について
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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