コロナ禍でつみたてNISAの利用者が増えている? 初心者が始めるときの注意点
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月30日 3時10分
毎月一定額を投資する少額投資非課税制度「つみたてNISA」。コロナ禍の今、つみたてNISAの利用者が大きな伸びを見せています。2021年3月末時点で、361万5075口座に達しており、2020年12月末から19.6%も増加しました。 世代別では、30代が24.3%、20代が21.7%増加しています。40代の18.7%、50代の17.4%に比べると、若い世代での拡大が目立つと言えるでしょう。今回は3種類あるNISAの制度と、初心者がつみたてNISAを始めるときの注意点をご紹介します。
NISAの3つの制度の違いとは
「投資」とは、利益を見込んで株式や投資信託など購入することです。株式や投資信託などの金融商品を売却して利益を得ると、約20%の税金がかかります。
NISAは、この約20%の税金を非課税にすることで資産づくりを促進する一方、家計から経済成長のために資金を供給する目的で導入されました。
NISAには3種類があり、それぞれの違いは次のとおりです。
(2021年9月現在)
つみたてNISA | 一般NISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
利用できる方 (日本に住んでいる) |
20歳以上 | 20歳以上 | 0~19歳 |
非課税投資枠 (新規投資額) |
毎年40万円まで (最大800万円) |
毎年120万円まで (最大600万円) |
毎年80万円まで |
非課税期間 | 最長20年間 | 最長5年間 | 最長5年間 |
投資可能期間 | 2018~2037年 | 2014~2023年 (2024年から新NISAへ移行) |
2016~2023年 |
なお2024年以降は新NISAが創設される予定です。つみたてNISAの内容は現行どおり継続され、2042年まで5年間の期間延長が決まっています。
初心者がつみたてNISAを始めるときの注意点とは
若い世代からも、注目を集めているつみたてNISA。金融機関によっては100円から資産運用をスタートでき、厳選された「長期・積立・分散投資」向けの投資信託から商品を選ぶだけです。しかも低コスト商品に限定されている点も魅力といえるでしょう。
ここでは、積立投資限定で公募株式投資信託とETF(上場株式投資信託)を買い付けする「つみたてNISA」の注意点を、投資初心者に向けてご紹介します。
毎年40万円まで非課税投資枠で20年間積立投資のみ
つみたてNISAは「積立」限定で、年間40万円まで投資信託を低コストで買付可能です。最長20年間、つまり最大800万円まで非課税投資枠を利用できます。
つみたてNISAでは、自動的に買い付け・積み立てするので、買いのタイミングを自分で見極める必要がありません。一方で一般NISAのようにスポット購入できないため、相場の変動に応じて、資産配分の比率を自分で修正(リバランス)できないので注意しましょう。
非課税枠の未使用分を翌年以降に繰り越し不可
つみたてNISAで、新規購入できる非課税投資枠は毎年40万円までです。月々1万円をつみたてNISAで運用した場合には、その年の非課税投資枠の未使用分は28万円となります。そして、未使用分の28万円を、翌年以降に繰り越すことはできません。
一般NISAとの併用不可
NISA口座の開設は、1人1口座と限定されています。そのため、つみたてNISAと一般NISAの併用はできないので、どちらか一方を選択しましょう。
口座間移動・損益通算はできない
一般口座や特定口座で保有する金融商品を、非課税投資枠があるからといってNISA口座に移すことはできません。
つみたてNISA口座内の投資信託が値下がりした時点で売却すれば、損失が出ます。しかし、一般口座や特定口座で保有する金融商品の配当金や売却で利益が出たからといって、つみたてNISA口座と損益通算はできないので注意してください。
非課税期間が終了したらロールオーバーできない
つみたてNISAでは、翌年の非課税投資枠に移す「ロールオーバー」はできません。
そのため20年間におよぶ非課税期間が終了すると、売却しない場合は一般口座や特定口座など「課税口座」に払い出されます。
NISA口座取引は確定申告の対象外
NISAの制度上、売買益や配当金は非課税なので、NISA口座取引で得た利益は確定申告の対象外です。同時に「売買損失もない」とみなされる点を、事前に知っておきましょう。
低コストで投資を始めたいならつみたてNISAを検討しよう
つみたてNISAは、今すぐに使う必要のないお金を、教育や老後資金などのために増やしていきたい……投資は初めてだけれども、少額から一度試してみたい方にぴったりな金融商品です。
厳選された投資信託だけを取り扱うつみたてNISAでも、損失が出る可能性はゼロではありません。しかし低コストで少額から始められるほか、税制上の優遇も受けられます。
当記事で解説した注意点を参考に、つみたてNISAをぜひ検討してみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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