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拡大三角形が上昇相場の途中で現れた場合、その後の相場はどうなるのか。

ファイナンシャルフィールド / 2021年10月3日 12時10分

拡大三角形が上昇相場の途中で現れた場合、その後の相場はどうなるのか。

前回までは三角持ち合いパターンのうち、三角形が右側に閉じていく形状について見てきました。   今回からは、その逆として、三角形が右側に開いていく形状の持ち合いパターンについて確認していきたいと思います。

典型的な拡大三角形のイメージ

まず初めに、三角形が右側に開いていく形状の持ち合いパターンの典型から見ていきましょう。このパターンを便宜上、「拡大三角形」と表現することにしますが、その典型的な形は下図のとおりです。
 


※筆者作成
 
一連の流れを簡単に説明すると、


(1)それまで続いてきた上昇相場がいったん天井をつけ、その後、反転下落する
(2)再び上昇し、その後、さらに下落する
(3)上値と下値の水準を広げながら、この動きが3回程度続く
(4)最終的に、相場が下値のトレンドラインを下回らずに反転上昇し、上値のトレンドラインを突破する

という動きによって、典型的な拡大三角形パターンが完成します。
 
拡大三角形の特徴は、上値と下値が時間の経過とともに右方向に拡大していく点ですが、別の表現をすると、時間が経つにつれて値動きが荒くなるということができます。
 
この意味は、上に向かおうとするときは良いニュースに、下に向かおうとするときは悪いニュースに反応しやすく、これまで解説してきた典型的な三角持ち合いパターンと比べると、相場が煮詰まるどころか、より不安定になりやすいと考えられます。
 
投資家心理としては、上値を追う場面では楽観が、下値を探る場面では悲観が時間の経過とともに大きく出やすく、気持ちがぐらぐら揺れやすくなっている状態を示しています。
 
このため、拡大三角形が成立した後の上昇は、典型的な三角持ち合いパターン出現後の上昇と比べると、本当に力強い上昇になるのか予測がつきにくく、拡大三角形が成立したからといって、必ずしも強い上昇が現れるとは限らないと考えておく必要があります。
 

典型的な拡大三角形は相場のどの位置で現れやすいのか

ただし、拡大三角形が出現する場所によっては、拡大三角形成立後の上昇の勢いを見立てることはできるため、その違いを下図の波の位置で確認していきましょう。
 


※筆者作成
 
拡大三角形が成立する波の位置は、エリオット波動理論でいうところの「第II波」と「第IV波」です。これらの波はそれぞれ、第I波の調整、第III波の調整であるため、相場全体の流れとしては、大きな上昇相場の途中で現れていることが見て取れます。
 
そして、拡大三角形が第II波で出現した場合、その後は第III波というより力強い波につながる可能性が高くなるため、この段階で拡大三角形が成立すると、その後の上昇の勢いは比較的力強くなるだろうと予測することができます。
 
一方、拡大三角形が第IV波で現れた場合、その後に続く第V波については、上昇の波の長さが短くなることがあり得るため、たとえ拡大三角形が出現したといえども、必ずしもその後に続く上昇の勢いが強いとはいえません。
 

まとめ

拡大三角形は、どちらかというと第IV波で現れやすい波形ですが、このような違いを理解しておくと、その後の投資判断に役立てることができるかもしれません。
 
次回は、典型的な拡大三角形が失敗に終わるケースについて見ていきたいと思います。
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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