「おまとめローン」を利用する際の注意点は?メリット、デメリットを確認
ファイナンシャルフィールド / 2021年10月8日 12時0分
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長期化するコロナ禍は、少なからず家計にも影響を及ぼしてきています。 複数の金融機関からカードローンやキャッシングなどの借り入れをしている場合、返済手数料や返済手続きに手間がかかるなど、さまざまな問題を抱えているケースは少なくありません。 それらを解消する1つの方法として、借入先をまとめて一本化する「おまとめローン」があります。ここでは、おまとめローンを利用する際の注意点やメリット、デメリットなどについて確認してみたいと思います。
「おまとめローン」と「借り換え」の違い
「おまとめローン」とは、複数の金融機関からのカードローン、クレジットカードによるキャッシングやショッピングなどの借り入れを1つにまとめて、一本化するローン商品のことです。
取り扱いの金融機関ごとに適用金利や適用できる融資の範囲、返済条件などが異なるため、利用する際には十分に比較検討する必要があります。
おまとめローンを利用する効果としては、借入先が一本化されることで金利などの返済条件が改善されたり、それぞれに異なっていた返済期間や返済日など、さまざまな返済手続きの手間が削減されることが期待されます。
一方で、元々1つの借入先からの融資について、現状より返済条件が良い金融商品に契約し直すことを「借り換え」といいます。例えば、十数年前に契約した住宅ローンについて、より金利が低い住宅ローンに借り換えることで月々の返済額や総返済額の軽減を実現するために「借り換え」が利用されます。
この両者に共通することは、新たに借り入れの契約を行うことです。
「おまとめローン」のメリット
前述のとおり、おまとめローンの返済条件などは金融機関ごと(商品ごと)に異なりますが、その主なメリットを見てみましょう。
(1)金利を低く抑えることで返済額を軽減できる場合がある
複数のカードローンやキャッシングなどを利用している場合、それぞれの借入額は比較的少額であったとしても高い金利が適用されている場合が多いです。おまとめローンは、それらを一本化することを前提に提供される商品であるため、低い金利が適用できる場合があります。
また、それぞれが少額の借り入れを一本化して借入額を大きくすることで、より有利な金利条件を適用できる場合もあります。金利を低くできた結果、月々の返済額が軽減されるなどの直接的な効果を得ることができます。
実際に利用を検討する際には、金融機関のホームページに用意されているシミュレーション機能などを使って、月々の返済額や総返済額などの試算を事前に実施することをお勧めします。
(2)返済の管理負担を軽減できる
複数の借入先がある場合は、それぞれに条件が異なるため、管理などに手間がかかる場合があります。
例えば、借入先ごとに返済日が異なり、1ヶ月の中で3回、4回の返済日が到来するようなケースもあり得ます。その都度、必要となる資金を用意するなど気を抜けない状況が続きますが、おまとめローンを利用すれば借入先が一本化されるため、その分、返済管理の負担を省力化することができます。
「おまとめローン」のデメリット
一方、おまとめローンの主なデメリットは以下のとおりです。
(1)新たに審査を受ける必要がある
おまとめローンを利用するには、新たに借り入れを契約することになるため、当然、審査を通過する必要があります。
これまでに借り入れの返済に遅延があったり、コロナ禍の影響で大幅に収入が減少した場合など、審査を通過できずにおまとめローンが利用できない可能性もあります。
(2)借入期間が長期化する場合がある
おまとめローンを利用して月々の返済額を軽減した場合、その他の生活費などの支出を含めた毎月の支出額が減少するため、家計にとっての恩恵は大きいと思います。
しかし、月々の返済額の軽減にのみ注力すると、借入期間が長期化する傾向があり、結果として、借入期間を通じて支払う総返済額が元々の条件よりも増加してしまう場合があります。
おまとめローンの利用を検討する際には、月々の返済額、借入期間、総返済額のバランスを考慮して選択する必要があるでしょう。
まとめ
おまとめローンを利用して毎月の返済額が軽減されると、借り入れそのものの負担が軽くなったような誤解が生じる可能性があります。あくまでも、返済するべき借入元金の金額はこれまでのままで、決して減ったわけではありません。
月々の資金繰りに余裕が出たからといって、無計画な支出をしたり、安易に新たな借り入れをするなどの行為は厳に慎むべきです。何よりも、繰り上げ返済などを含めた計画的な返済を心掛けていきましょう。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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