【転職時に必要な年金の手続き】退職日と入社日が離れていたら? iDeCoに入っている場合は?
ファイナンシャルフィールド / 2021年10月27日 12時0分
いざ転職先が決まった! と喜ぶのもつかの間。転職となると社会保険(健康保険や年金)の手続きはどうすれよいのでしょうか。 健康保険は、企業側にお任せしてしまえばよいけれど、年金はある程度の手続きは自分でやらなければなりません。ここで整理しておきましょう。
ケース1:離職期間がないか同月内での場合は転職先に年金手帳を提出
もっともシンプルなケースは、離職期間がない場合です。また仮に離職期間があっても、退職した同じ月内に転職先に入社する場合は、転職先の会社に年金手帳を提出するだけで特に自分が役所や年金事務所に出向く必要はありません。
ケース2:転職先は退職日と同じ月でない場合
次に転職先が決まっていない場合、転職先が決まっていても入社日が退職日の翌月以降の場合は、厚生年金から国民年金への切り替えが必要になります。退職日の翌日から14日以内に住んでいる市区町村の役所の国民年金担当窓口で手続きをします。
ケース3:iDeCoの手続き
ケース1とケース2は、将来国から支給される年金の基礎的な部分です。最近では、iDeCo(イデコ)という個人型年金に加入されている方もいらっしゃると思います。
この場合の手続きは少し複雑です。iDeCoの加入資格の状況に変更があった場合に変更手続きを忘れると、引き落としが停止される場合があります。掛け金を後から追加で支払うことはできませんので注意が必要です。
ケース3-1:転職先の「企業型」確定拠出年金に加入する
今までのiDeCoの資産を勤務先の企業型確定拠出年金に移すための「移換手続き」と、iDeCoの「加入者資格の喪失手続き」が必要になります。企業型年金に移すための書類は、転職先の担当者に書類をもらって提出します。
また、iDeCoの「加入者資格喪失届」にかかる書類等は個人で取扱金融機関に提出(郵送)します。
ケース3-2:転職先の企業型確定拠出年金に加入しないでiDeCoを継続する
勤務先変更の届け出は個人で取扱金融機関に行います(郵送など)。
ケース3-3:転職先の企業型確定拠出年金とiDeCoを併用する
企業によっては、iDeCoとの同時加入を認めている場合があります。法令上の上限がありますので、転職先の年金担当者に確認してください。
ケース3-4:自営業者・無職や主婦・主夫になる場合
加入者被保険者種別変更届を取扱金融機関から入手して提出(郵送)します。あわせて、事業主払いから個人払いへ変更する場合は「引落金融機関変更」の手続きも必要となります。
ケース3-5:転職を機にiDeCoをやめたい場合
これを機にiDeCoへ毎月拠出するのをやめたいと考える場合もあると思います。これまで拠出して、たまってきた資金を運用するだけの「運用指図者」になることも可能です。その場合は加入者資格喪失届を取扱金融機関に提出(郵送)します。
ただし (1)資産の引き出しは原則60歳まではできないこと、(2)運用指図者の期間は、口座維持にかかる手数料(信託銀行への支払い毎月66円)がかかること、(3)年1回(2月)に運用資産から手数料が別途控除されることを改めて認識しておきましょう。
まとめ
年金はいずれの場合でも長期にわたって拠出し、拠出金が運用され、私たちの老後の収入源です。将来の受給額に直接影響しますので、うっかりの手続き漏れでは済まされません。不安な時は、そのまま放置せず必ず転職先の年金担当者に確認しましょう。
出典
日本年金機構「就職・転職・退職」
企業年金連合会「運用指図者」
iDeCo公式サイト
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者
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