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災害時の避難所生活中の保険金手続きの注意点

ファイナンシャルフィールド / 2021年11月8日 10時0分

災害時の避難所生活中の保険金手続きの注意点

災害に関する避難情報について、従来は警戒レベル4として「避難勧告」と「避難指示」の2つの用語で避難が呼びかけられていましたが、2021(令和3)年5月から「避難勧告」を廃止して、「避難指示」に一本化されました。   台風はもちろん、ゲリラ豪雨が長時間続いて局地的に水害に遭うケースのニュースも増えてきました。避難できる状況であれば、早い段階で避難すべきであるという認識に変わってきています。   予想よりも早く「避難指示」が出れば、命を守るために自宅玄関前に土のうを準備したり大事な家財道具を2階に持って行ったりする時間も無く、避難中に自宅や家財道具が水害で被害を受けるかもしれません。水害を補償する火災保険に加入していれば被害に遭っても保険の請求ができます。   しかし、避難所で生活している段階で火災保険金等の保険金の請求手続きをする際には注意が必要です。

避難所にはさまざまな人が避難

以前の記事で、保険金の請求は早く行うべきというお話をしておりますが、避難所で生活をしている状況での請求手続きには注意が必要です。避難所には周辺住民の方が数百人単位で避難してきているケースがあります。
 
世帯同士のプライバシーも完全に守られているわけではありません。雨が降っていれば電話をかける場所も限られます。
 
火災保険の請求のための事故の報告の電話を避難所内ですると、誰かに聞かれている可能性があります。電話での請求時には、本人確認のための氏名、生年月日、住所などを口頭で伝える必要があります。
 
考えたくはありませんが、避難所に窃盗犯が出入りしていた場合、住所を聞かれることで自宅を留守にしていることが分かり、避難中に自宅が窃盗の被害に遭う可能性も出てきます。補償限度額を超える高額なタンス預金など保険でも補償されない損害が生じるかもしれません。
 
また、避難所に避難している方が全員火災保険に加入しているとは限りません。火災保険に加入していないために災害後の生活が困窮しそうな被災者に、保険金請求をしていることを聞かれた場合にねたまれる可能性もあります。復旧後の近所付き合いに支障が出るかもしれません。
 
くれぐれも避難所生活中の保険金請求は他人に聞かれないような場所で行ってください。
 

自宅に戻れそうなら戻る準備

水災の場合、雨がやんでもしばらくは土砂崩れや上流で降った雨が下流に届くまで時間がかかることがあります。避難指示が解除になるまでは避難所内にとどまるべきです。道路が冠水していた場合は地面が見えません。マンホールや側溝のふたが外れていて下水に落下したり、凶器となるようながれきが沈んでいてそれを足で踏んで大けがをしたりする可能性もあります。
 
しかし、避難所生活が長くなると疲労も蓄積します。自宅に戻れるめどが立てば戻る準備をします。自宅に残した貴重品があればそれを取りに行き、自宅が片付くまでは避難所生活を続ける場合もあります。その際は避難所内で盗難被害に遭わないように身につけられるバッグにしまって、寝るときも肌身離さず持っているようにします。
 
避難所が学校の場合は、設備として鍵付きロッカーがあり、それが使える場合もありますが、学校としての再開準備もありますので、あまり期待せず自己防衛が必要です。避難所から自宅に戻れればその後の保険の請求手続きもスムーズです。
 

自宅の被害記録を残す

災害がおさまって、自宅の片付けを早く行いたいところですが、まずは被害記録を残さないと火災保険金を正しく請求することができません。床上浸水の場合、壁の汚れの跡で、自宅がどこまで水に浸かったか分かります。拭き掃除をする前に内壁と外壁両方記録しておきましょう。
 
水に浸かった形跡がある家電製品は、電源を入れるとショートして火災等の恐れもあります。被害の記録として写真等に撮っておいて電源を入れずに廃棄するなど二次被害を抑える対応も必要です。
 

保険会社の現地調査の日程調整を速やかに

もしも、長期間自宅に住める状態ではなく、避難所暮らしが続いていても、原則保険会社が現地調査をします。大規模な災害だと被災者が多く、保険会社の現地調査の日程調整がうまくいかずに、保険金の支払い時期が遅くなる可能性があります。先に挙げた個人情報の漏えいに気をつけながら避難所外で早めに保険金請求のための手続きや現地調査の日程調整を行ってください。
 

自分や親しい人が被災したときのための知識

今回の記事は災害に遭ったときにしか役に立たないことです。しかし、毎年のようにどこかで避難所から保険金請求を行わざるを得ないような被害を受ける方がいます。
 
もしも皆さまや親しい方が被災者となり、保険金請求をきっかけに被災者にさらなる不幸が起きないように、本記事のことを知っておいていただければと思います。
 
執筆者:西村和敏
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
宅地建物取引士

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