最近よく聞くETFってどんなもの?
ファイナンシャルフィールド / 2021年11月22日 12時10分
「iDeCo」や「つみたてNISA」の加入者が増えていますが、株式市場全体の動きを見ると、その運用資産にETFを選ぶ人が多くなっているように思われます。 ETFは、個人や金融機関の保有も多いのですが、日本銀行の金融緩和政策で市中にお金を出す手段としても有名です。今回は、ETFのしくみと、よく購入されているETFの種類を具体的に学んでみましょう。
ETF(上場投資信託)とは
ETFとは、証券取引所に上場しており、株価指数などに代表される指標との連動を目指す投資信託のことです。「Exchange Traded Funds」の頭文字をとりETFと呼ばれています。
ETFの代表的な銘柄に「東証株価指数(TOPIX)」や「日経平均株価指数(日経平均)」に連動するETFがあります。
例えば、TOPIX連動ETFは、東京証券取引所の1部上場全銘柄の動きを反映するTOPIXの値動きにほぼ連動した値動きをするように運用されます。日経平均連動ETFは、東証1部225銘柄から算出される日経平均の値動きに連動するように運用されます。
代表的な種類はTOPIX連動や日経平均連動ですが、日本株の規模別や業種別、外国株、債券、REITなどさまざまな種類のETFが東京証券取引所に上場しており、2021年10月現在で246銘柄あります。
ETFの特徴
ETFは投資信託ですが、東京証券取引所に上場していますので、一般の投資信託とは少し違った特徴と取引形態になっています。
・上場株式と同じように、株式市場で売買ができます。
(指値、信用取引などが可能、手数料は証券会社ごとに差がある)
・保有者(受益者)には分配金が支払われます。
・信託報酬は普通の投資信託に比べて低くなっています。
・購入単価は普通の投資信託(1万円)よりは大きく、数万円以上になります。
・価格変動のリスクはありますが、個別の株式や債券の保有に比べて、相当数の銘柄を分散保有するのと同じことになるので、リスク対応の効果を得ることができます。
ETF銘柄のサンプル事例
ここでは、実際に取引されているETF銘柄のサンプル事例を見てみましょう。よく取り上げられる、TOPIX連動銘柄、日経平均連動銘柄、海外株式連動銘柄のサンプル銘柄について、実際の数値をまとめてみました。
表は筆者作成
・個別銘柄名の表示でなくサンプル銘柄名はA~Eとしました。
・サンプルA、Bは3銘柄の平均値、Cは2銘柄の平均値、D、Eは1銘柄
この表から読み取れることは、ETFにはさまざまな銘柄があり、複数の管理会社(アセットマネジメント会社)がETFを創成して売り出していることです。
また、分配金利回りはETFの種類によって相当違っていることが分かります。時価総額の欄を見ると、それぞれの人気度が分かるのではないでしょうか。
これらのETFを購入した人にとっては、昨年から今年の株価上昇は資産増につながったと想定されます。ただ、株式市場は典型的なリスク市場ですから、ETFを購入する場合も、常にリスク対応・リスク分散を念頭に入れる必要があります。
資産運用時の銘柄選択の難しさ
iDeCoやつみたてNISAで資産運用を始める人が増えていますが、運用資産の銘柄選択は簡単ではありません。日本株だけでも3000銘柄以上と上場株式数が多く、個別銘柄を選ぶのは知識と手間を要します。
その点、ETFは銘柄が分散された形になっていますから、会社ごとの個別銘柄を保有するよりもリスク軽減される運用対象として選ばれる背景となっているのでしょう。ETFと似た投資信託には、「インデックス投信」というものもありますので、興味のある方は参考にしてみてください。
まとめ
ETFを購入する場合のことも想定して、ETFのしくみと特徴の説明と共に、サンプル銘柄の実際の数値を挙げてみました。
株価は毎日変動しますので、ETFもそれに伴って値動きがあるものです。iDeCoやつみたてNISAへの組み込みや、個人の特定口座での保有を含めて、運用資産選びに役立てていただければと思います。
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP
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