工場勤務の正社員40代の平均年収はどれくらい？

工場勤務の収入に対し、どんなイメージをお持ちでしょうか。厚生労働省実施の調査によれば、工場勤務など製造業に携わる40代正社員の平均年収は、全産業の平均を下回ります。しかし、企業規模や学歴によっては、高収入を目指すことも可能です。   ここでは、製造業で働く40代正社員の平均年収について、全体および学歴、企業規模ごとの数字を紹介します。産業全体の平均年収と比較することで、工場勤務の収入のイメージや、高収入を目指す道筋が見えてくるはずです。

工場勤務の性別・年代別平均年収

　
厚生労働省が実施した「令和2年賃金構造基本統計調査」の結果によると、製造業に従事する人の年代別の平均年収は、おおよそ図表1次のとおりです。
 
【図表1】

年代	男性	女性
19歳以下	217万円	208万円
20歳以上	244万円	223万円
25歳以上	284万円	247万円
30歳以上	321万円	267万円
35歳以上	369万円	279万円
40歳以上	406万円	290万円
45歳以上	443万円	297万円
50歳以上	488万円	297万円
55歳以上	500万円	276万円
60歳以上	349万円	219万円
65歳以上	297万円	208万円
70歳以上	285万円	209万円
全体	386万円	267万円

※数字は概算です
 
同調査によると、産業全体の一般労働者の平均年収は男性が約407万円、女性が約302万円です。製造業の平均年収は、全体の平均年収と比較して低いことがわかります。
 
また、表題の40代に注目すると、産業全体の平均は男性が40歳以上：約433万円、45歳以上：約465万円、女性が40歳以上：約322万円、45歳以上：約325万円です。こちらも、製造業の平均は全体の平均より低い水準です。
 

【学歴・企業規模別】工場勤務の正社員40代の平均年収

　
正社員に限定すると、製造業の平均年収は男性：約397万円、女性：約290万円、全体：約376万円です。この数字も、やはり正社員全体の平均である男性：約421万円、女性：約323万円、全体：約389万円を下回っています。
 
それでは、40代正社員ではどうでしょうか。最終学歴、企業規模ごとに平均年収を確認してみましょう。
 
【図表2】

　　　　

	1000人以上		100～999人		10～99人
	40～44歳	45～49歳	40～44歳	45～49歳	40～44歳	45～49歳
中学	624万円	637万円	438万円	472万円	405万円	453万円
高校	636万円	698万円	498万円	533万円	421万円	429万円
専門学校	584万円	675万円	487万円	540万円	439万円	458万円
高専 短大	702万円	720万円	503万円	537万円	403万円	411万円
大学	758万円	894万円	612万円	666万円	475万円	532万円
大学院	902万円	990万円	795万円	745万円	584万円	653万円

※数字は概算です
 
全体の傾向として、企業規模が大きいほど、また学歴、年代が高いほど平均年収は上がります。
 
全産業合計の平均と比べてみましょう。40代正社員全体の平均年収は、40～44歳が約559万円、45～49歳は約598万円です。製造業では、従業員1000人以上の規模が大きな企業では、学歴を問わず全体の平均年収を超える数字が出ています。しかし、従業員規模が999人までの企業では、大卒もしくは大学院卒の学歴でなければ同年代の平均に届いていません。
 

工場勤務の正社員40代の賞与は？

　
製造業に従事する40代正社員全体の平均は40～44歳が約123万円、45～49歳が約137万円と、いずれも平均より少し高い水準です。なかには、1000人以上の大企業に勤める人、100～999人規模の企業に勤める大卒以上の人など、平均を大きく上回る水準の賞与・特別給与を受ける層もいます。
 

工場勤務で年収を上げる方法

　
工場勤務でより高い年収を目指すには、資格取得が有効な場合があります。携われる業務が増えること、資格手当がつく場合があることなどが理由です。
製造業で役立つ資格には次のようなものがあります。

●衛生管理者
●エネルギー管理士
●ボイラー取扱者
●ガス溶接
●玉掛け技能者
●フォークリフト運転技能者
など

また、製造業に限らず、一般的には役職が上がると年収が上がる傾向にあります。積極的に昇格を目指すことは、年収アップに直結するでしょう。
 

工場勤務の正社員40代の年収は他業種よりやや低め

　
工場勤務をはじめとする製造業に携わる40代正社員の平均年収は、40代正社員全体の平均年収と比べてやや低めです。しかし、企業規模が大きな会社に勤める人や大卒以上の学歴を持つ人の場合は、全体の平均より高い年収も期待できます。より年収を上げたい場合は、資格取得や昇格試験などに積極的に取り組むといいでしょう。
 
【出典】
e-Stat　政府統計の総合窓口
令和２年賃金構造基本統計調査　（E製造業）
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部