持ち家なしの老後、生活費が足りない……。そんな場合の解決策とは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年11月25日 12時10分
![持ち家なしの老後、生活費が足りない……。そんな場合の解決策とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_121970_0-small.jpg)
持ち家なしの老後のためすでに生活費が不足している、または今後生活費が足りなくなるのではないかと不安を感じている人も多いでしょう。生活費が足りない場合は、収入を増やしたり、公的機関の制度を利用したりなどの対処法が考えられます。 今回は、老後の生活費が不足した際に利用できる公的機関制度について解説します。あわせて、65歳以上の消費支出平均額や生活費を補う工夫についても知っておきましょう。本記事を参考にして、生活に困った際の助けとしてください。
老後に必要な生活費と住居費はどのくらい?
老後の生活において、どのくらいの生活費や住居費が必要なのでしょうか。この項目では、65歳以上の無職夫婦世帯または単身無職世帯における消費支出について見ていきます。平均額を知ることで、老後に必要な生活費のおおよその目安がわかります。
65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出
65歳以上の夫婦のみの無職世帯に必要な消費支出について、見ていきましょう。
総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出平均は22万4390円でした。そのうち住居費は1万4518円で、消費支出の中の住居費の割合は6.5%です。
65歳以上の単身無職世帯の消費支出
65歳以上の単身無職世帯の消費支出平均は、総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」によると13万3146円です。そのうち住居費は1万2392円であり、住居費の割合は9.3%でした。
持ち家なしの老後で生活費を不足させないためには
持ち家がない場合は住居費が必要となるケースも考えられ、平均よりも生活費が不足する可能性もあります。
持ち家なしの老後で生活費を不足させないためにも、老後の収入を増やしていき、足りない生活費を補っていきましょう。
年金の繰り下げ受給を検討する
繰り下げ受給とは、本来の年金受給年齢の65歳ではなく、66~70歳まで繰り下げることで受給額を増やせる仕組みです。受給年齢を1ヶ月遅らせるごとに受給額がアップし、最大42%増額されます。
自身の受給額をねんきん定期便で確認し、繰り下げることでどの程度増やせるか知っておきましょう。
老後も働く
老後も働き続けることで、収入を維持できます。ただし、在職老齢年金には注意が必要です。在職老齢年金とは、老齢厚生年金の額と給与・賞与の額により、年金の一部または全額が支給停止となる場合がある制度です。
年齢によって、全額支給停止となる金額が異なります。60~64歳の場合は基本月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円以下、65歳以降の場合は、47万円以下であれば年金は全額支給されます。なお、全額支給停止となる金額について、2022年4月より60~64歳の場合も47万円以下となります。
持ち家なしの老後で生活費が足りない際の解決法
工夫をしても生活費が足りなくなり、生活が困窮する状況になることも考えられます。その場合は、公的機関の制度を活用しましょう。ここでは3つの制度について解説します。活用できる制度はないか確認しましょう。
生活困窮者自立支援制度
生活困窮者自立支援制度とは、官民協働で生活困窮者からの相談に対応するための制度で、生活困窮者に対して支援プランの提案を行います。関係機関との連絡調整や支援の実施状況の確認を行うなど、包括的なサポートが期待できるでしょう。
具体的な支援内容としては、自立相談支援事業・住居確保給付金の支給・就労準備支援事業などです。全国の社会福祉協議会の窓口を中心に、相談を受け付けています。
生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金貸付制度とは、65歳以上の高齢者を含む低所得者や障がい者を対象とした貸付制度です。それぞれの世帯や状況に合わせた資金が連帯保証人を立てる場合は無利子で、立てない場合でも1.5%という低利子で貸し付けられます。
相談支援を継続的に行うことによる自立の促進が目的です。相談窓口は、住んでいる市区町村の社会福祉協議会です。
生活保護制度
生活保護制度とは、資産や能力などを活用しても生活に困窮する方に対しての保護制度で、扶助が支給されるものです。扶助には8種類あり、老後の生活に必要な住宅扶助・医療扶助・介護扶助なども含まれます。
相談窓口は、住んでいる地域にある福祉事務所の生活保護担当です。
必要な生活費を知って持ち家なしの老後に備えよう
持ち家のない老後で生活費に困窮した場合は、年金の繰り下げ受給をしたり働き続けたりして収入を増やすとよいでしょう。しかし、いくら頑張っても生活費が足りなくなる場合は、公的機関を頼ってください。
貸し付けや給付により、生活を立て直すきっかけとなります。まずは住んでいる市区町村の社会福祉協議会などの窓口で相談してみましょう。
出典
総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)」
厚生労働省「生活困窮者自立支援制度 > 制度の紹介」
厚生労働省「生活困窮者自立支援制度 > 制度概要」
全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」
厚生労働省「生活保護制度」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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