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「遺産は全て再婚相手に渡したい」。先妻との間に子がいても可能?

ファイナンシャルフィールド / 2021年11月29日 13時0分

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再婚された方が亡くなって相続が発生すると、もめ事が起こることがあります。特に相続財産を再婚相手に全て渡したい場合で、先妻との間に子がいるケースです。先妻との子がいる場合の相続において、再婚相手に遺産を全て渡すことはできるのでしょうか。

先妻との間に子がいれば再婚相手に財産を全て相続させるのは容易ではない

先妻との間に子がいる状況で遺産を全て再婚相手に渡すというのは容易なことではありません。なぜなら、先妻との間の子は法定相続人として、法律上、相続人となる権利のほか、遺留分という権利も有しているからです。
 
遺留分とは、亡くなった方の兄弟姉妹である方を除いた相続人に認められる最低限の相続分です。この遺留分は、亡くなった方の意思や遺言によっても奪うことはできないようになっています。
 
法定相続人としての地位と遺留分は、先妻との間の子であっても変わることのない権利です。つまり、「遺産の全てを再婚相手に渡す」という遺言あったとしても、先妻との子が相続財産について遺留分を行使すれば、遺留分相当額は子が相続することになります。
 
とはいえ、遺留分は絶対というわけではなく、権利の行使は任意です。遺留分権利者である先妻との子が遺留分を行使しなければ、全額を再婚相手に相続させることも不可能ではありません。
 

先妻との間の子に相続を知らせないとどうなる?

遺留分の存在から「先妻との子に相続を知らせなければいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、一部の相続人(今回でいうと先妻との子)を除外して決定した遺産の分配は無効となります。
 
また、遺言の内容が先妻との間の子に相続分がないものであったとしても、遺留分が存在する以上、遺言を実行する際、先妻との子に相続があったことを知らせる義務があります。そのため、先妻との子に相続を知らせないというのは現実的な話ではありません。
 

遺産を全て再婚相手に渡すには?

ここまで説明したように、先妻との子に財産を一切渡さず、全て再婚相手に渡すというのはそう簡単ではありません。ただし、必ずではありませんが、次のような方法を取っておくと相続財産をより多く、場合によっては全て再婚相手に残すことができる可能性もあります。
 

遺言書の作成と先妻との子への説明

法的に強制力を持つわけではありませんが、遺言書を作成して「財産は全て再婚相手に」と記載しておくことで、先妻との子も事情や遺言の意図をくみ取り、遺留分を主張しない場合があるかもしれません。
 
また、先妻の子との関係性にもよりますが、遺言書の作成と併せて事前に相続について説明しておくことも大切でしょう。
 

自己名義の財産をできるだけ持たない

財産のうち、金銭は生命保険を契約して保険料として支払い、保険金の受取人を再婚相手にする。できる限り生前贈与で再婚相手に財産を渡しておく。また、車など財産となるものを購入する際は再婚相手名義にしておくというような方法で、自己名義の財産をできるだけ持たないようにします。
 
そうすることで相続対象となる財産を減らし、全額は難しくても、再婚相手により多く財産を残すことが可能になります。
 

まとめ

先妻との間に子がいる場合、離婚していても子は相続権と遺留分を有しているため、相続財産の全てを再婚相手に渡すというのは困難です。
 
再婚相手に財産をできるだけ多く残したいと考えるのであれば、相続権と遺留分について理解しておき、遺言書を作成したり、自己名義の財産を少なくしておくなど、早めに何らかの相続対策を実施しておくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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