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「相続分放棄」をして兄に実家を譲った。でも、兄がローンを払えなくなったら請求されるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2021年11月30日 12時0分

「相続分放棄」をして兄に実家を譲った。でも、兄がローンを払えなくなったら請求されるって本当?

自身は相続放棄をしたにもかかわらず、他の相続人は相続した財産のローンを支払うことができずトラブルに発展、というのは決してありえないことではありません。そういった場合、相続放棄をした人も相続人に代わってローンの支払いを請求されてしまうのでしょうか。   実家を相続した兄がローンを支払えなくなったという場合を例に解説していきます。

実家を相続した兄がローンを払えなくなったら自分が肩代わり?

Aさんは長男である兄に実家を相続してもらうため、自分は相続放棄をしました。しかし後日、兄は経済状況が悪化してしまい実家の住宅ローンが払えなくなってしまいました。このとき、兄から「もしかしたら相続人としてAにもローン会社から請求が来るかも知れない」と相談がありました。
 
こういった場合、兄が懸念しているとおり、Aさんにもローン会社から請求が来るのでしょうか。両親は既に他界しており、相続人となるのは兄とAさんの2人だけだと仮定します。
 

相続放棄していれば基本的に実家のローンを請求されることはない

まずは相続放棄の効力から確認しましょう。相続放棄をすると、最初から相続人でなかったものと見なされる効力が生じます。つまり、先の事例において相続放棄をしているAさんは相続人ではないものとして扱われることになります。するとどうでしょう、プラスの財産を一切引き継げない代わりにマイナスの財産も一切引き継ぐ必要がなくなるのです。
 
仮にその後状況が変化し、実際に財産を相続した相続人が負債を払えなくなったとしても、相続放棄をした方には責任が及びません。つまり、今回の事例のAさんは相続放棄している以上、相続をした兄が実家のローンを払えなくなったとしても、ローン会社から支払い請求をされることはないのです。
 
余談になりますが、住宅ローンは契約内容次第で団体信用生命保険によって債務者(本事例でいうと親)が亡くなった際にはローンの残額が全額免除されるということもあるため、そもそも兄自身もローンの負担を一切しなくてもよいこともあります。
 

兄に請求される可能性はあるの?

少し事例を変えて、仮に兄が「Aも相続人なのだから俺が払えなくなったらおまえも払うべき」と申し立てをしてきた場合はどうでしょう。この場合も相続放棄をしておりAさんは既に相続とは無関係になっている以上、支払う必要はありません。
 

連帯保証人などになっている場合は要注意

住宅ローンにおいては、まれに子が連帯保証人となっている場合があります。もし、本事例においてAさんが親のローンにおける連帯保証人となっている場合は、相続放棄をしていてもローン会社からの請求を免れることはできません。
 
なぜなら相続人たる地位と連帯保証人である地位は別物であるからです。それは相続放棄をした相続人と連帯保証人が同一人物である場合も同様です。
 
連帯保証人である地位は債務(この場合では住宅ローン)に付いて回るため、相続放棄して相続人でなくなり、かつ、元の債務者である親が亡くなっても、連帯保証人である地位は存続し、兄が住宅ローンを払えなくなった場合はAさんもローンを請求される可能性はあるということになります。
 

相続放棄をしたらローンの負担もなしが原則

相続放棄をしていると、仮に他の相続人が相続した財産のローンを払えなくなったとしても、そのローンを支払う必要はありません。
 
しかし、元々連帯保証人であるといった特殊な事情がある場合は相続放棄をしてもローンを支払わなければならないこともあります。
 
相続やローンは事情が変われば結論が大きく変わることも珍しくありません。相続関係で悩んだときは弁護士をはじめとする専門家に、早めに相談するようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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