年収500万円と800万円。夫婦で毎月受け取れる年金の差はいくら?
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月8日 0時0分
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現在の年収だと老後に年金がいくらくらいもらえるのか、心配に感じる人は意外と多いのではないでしょうか。老齢厚生年金に限っていうと、通常、年収が高いほうが年金の受給額も多くなります。 ここでは、年金額の基本的な計算方法を解説するとともに、年収500万円と800万円の夫婦を例に、年金額にどれほどの差が生じるのかを比較します。 年収によって年金額がどのように変化するのかを確認し、ご自身の年金額についてもシミュレーションしてみましょう。
もらえる年金額はどうやって決まる?
国民年金(老齢基礎年金)の受給額は、基本的には国民年金保険料を納めた月数と免除を受けた月数をもとに計算します。加入期間中に保険料の全額または一部免除を受けた期間があれば、期間と納付割合に応じて、全額納付した場合の受給額から一定の割合が引かれることになります。
具体的な計算式は、次のとおりです。
老齢基礎年金受給額=78万900円(満額の受給額)×(保険料納付済月数+全額免除月数×4/8+4分の3免除月数×5/8+半額免除月数×6/8+4分の1免除月数×7/8)÷480月(加入可能月数)
一方、老齢厚生年金の受給額は、生年月日に応じた率と被保険者期間の月数で決まる「定額部分」と、給与や賞与の金額に応じた平均標準報酬額・平均標準報酬月額をもとに算出する「報酬比例部分」から成ります。
基本の計算式は次のとおりです。
定額部分=1628円×生年月日に応じた率×厚生年金加入月数
報酬比例部分=(平均標準報酬月額(※1)×生年月日に応じた率×平成15年3月までの厚生年金加入月数)+(平均標準報酬額(※2)×生年月日に応じた率×平成15年4月からの厚生年金加入月数)
※1)平成15年3月までの厚生年金加入期間の標準報酬月額(給与などの月額を一定間隔で区分した額)の総額を、平成15年3月までの厚生年金加入月数で割った額。
※2)平成15年4月以降の厚生年金加入期間の各月の標準報酬月額と標準賞与額(1000円未満を切り捨てた税引き前の賞与額)の総額を、平成15年4月以降の厚生年金加入月数で割った額。
算式から分かるとおり、報酬比例部分の金額は、給与や賞与の額が多いほど上がります。そのため、給与所得者で年収以外の条件が同じなら、年収が高いほうがもらえる年金額は多いと考えてよいでしょう。
年収500万円と年収800万円の夫婦が受け取れる年金額の差は?
老齢基礎年金の受給額は、年収に左右されません。一方、老齢厚生年金の受給額は、年収が多いほど多くなる傾向にあります。
それでは、年収500万円の夫婦と年収800万円の夫婦がもらえる老齢厚生年金の受給額には、どれほど差が出るのでしょうか。それぞれの年金額を比べてみましょう。
●夫婦ともに40歳
●受給開始年齢は65歳の見込み
●年収は生涯平均年収とする
片働き世帯の場合
片働き世帯の場合、年収500万円と年収800万円の夫婦がもらえる年金の見込み月額は、表1のようになります。
●夫の厚生年金加入期間は40年の見込み
●妻には厚生年金加入期間がなく、老齢基礎年金は満額受給見込み
表1
年収500万円 | 年収800万円 | |
---|---|---|
夫 | 老齢厚生年金:8.7万円 老齢基礎年金:6.4万円 |
老齢厚生年金:13.6万円 老齢基礎年金:6.4万円 |
妻 | 老齢厚生年金:0円 老齢基礎年金:6.4万円 |
老齢厚生年金:0円 老齢基礎年金:6.4万円 |
合計 | 月額21.5万円 | 月額26.4万円 |
※三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算額です。
片働き世帯の場合、月額約5万円の差となりました。夫婦ともに25年間年金を受給した場合、年収500万円と年収800万円ではトータルの受給額には1500万円もの開きが生じることになります。
共働き世帯の場合
共働きで、世帯年収500万円と800万円の場合、年金受給見込み額の差は表2のとおりです。
●厚生年金加入期間は全員40年の見込み
●妻の平均年収はいずれも150万円
表2
世帯年収500万円 | 世帯年収800万円 | |
---|---|---|
夫 | 老齢厚生年金:6.1万円 老齢基礎年金:6.4万円 |
11.3万円 老齢基礎年金:6.4万円 |
妻 | 老齢厚生年金:2.6万円 老齢基礎年金:6.4万円 |
老齢厚生年金:2.6円 老齢基礎年金:6.4万円 |
合計 | 月額21.5万円 | 月額26.7万円 |
※三井住友銀行「年金試算シミュレーション」を用いた概算額です。
共働きの場合も、年金受給月額には7万5000円の差が生じるという試算になりました。
もらえる年金額は世帯年収や夫婦の加入状況で変わる
厚生年金に加入している場合は、年収が高いほど年金の受給額も高くなるのが一般的です。ただし、夫婦それぞれの過去の年金加入状況、受給開始年齢などによっても年金額は変わるため、現在の収入の差がそのまま年金の差にならないケースもあります。
もしも年収が低い、納付済期間が少ないなどの理由で将来の年金額に不安がある場合は、国民年金の任意加入やiDeCoなどの制度を利用して、老後の資金対策をすることも検討しましょう。
出典
老齢基礎年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)|日本年金機構
老齢厚生年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)|日本年金機構
年金シミュレーション : 三井住友銀行
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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