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生命保険が相続対策になるってどういうこと?

ファイナンシャルフィールド / 2021年12月7日 11時40分

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生命保険は遺(のこ)された家族の生活資金を保障するために加入するのが一般的です。同時に、相続対策としても活用できます。   相続対策は、(1)納税資金対策、(2)相続税の軽減対策、(3)争族対策が重要です。生命保険はこれら3つの対策に有効です。それぞれの対策に生命保険がどのように活用できるのか解説します。

納税資金対策

相続税は遺産総額が基礎控除額(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超えたときに課税されます。
 
相続財産の多くは預貯金以外の不動産等です。不動産はすぐには売却できません。売却を急ぐと足元を見られ高く売れないかもしれません。
 
そのため、納税資金がすぐに捻出できない場合もあります。その点、生命保険に加入していれば、受取人の請求によって遺産分割協議がまとまらなくとも、おおむね5営業日以内で生命保険金を受け取ることができますので、納税資金に充てることができます。
 
また、納税資金対策以外にも、葬儀費用や当座の生活資金としても活用できます。なぜなら、相続が発生すると亡くなった方の預貯金は凍結されますが、生命保険金は遺産分割協議を待つまでもなく、数日(即日支払われる保険もある)で受取人に生命保険金が支払われるからです。
 
この点について、改正により、一定の金額の範囲であれば、遺産分割協議が成立する前に預貯金の払い戻しを受けることができる制度が創設されました。しかし、払い戻しを受けるために必要な書類を準備するのに時間がかかり、葬儀費用などに間に合わない可能性もありますので、生命保険の迅速性が高いといえます。
 

相続税の軽減対策

死亡保険金は生命保険会社から直接受け取るもので、被相続人から直接相続するものではないので、本来の相続財産ではありません。しかし、経済的利益に着目すると、被相続人から相続で財産をもらったのと実質的には同じなので、みなし相続財産として相続税が課されます。
 
ただし、保険料を負担していたのが被相続人で、死亡保険金を相続人が受け取る場合、生活保障の観点から、「500万円×法定相続の人数」の金額まで非課税とされています。
 
例えば、相続人が妻と子ども2人で受け取った生命保険金の総額が4500万円の場合、1500万円まで非課税になりますので、残りの3000万円が課税対象となり、相続税の軽減になります。
 
生命保険は契約形態によって、死亡保険金にかかる税金が、相続税、贈与税、所得税のいずれかになりますので注意しましょう。生命保険の非課税枠が使えるのは、保険料を負担していたのが被相続人の場合(相続税が課される契約形態)で、受取人が相続人(相続を放棄した人や相続権を失った人は含まれません)の場合です。
 

争族対策

生命保険は遺産分割をスムーズにする代償分割資金や、遺産分割協議がこじれたときの納税資金の準備として活用できます。
 

▽代償分割

例えば、相続人2人、相続財産が土地・家屋2000万円と現金1000万円のケースで考えてみましょう。この場合、分け方をめぐって相続人間で話し合いがまとまらず、トラブルに発展するリスクがあります。
 
ひとつの解決策として、相続人Aが住み慣れた土地・家屋を相続し、現金1000万円を相続した相続人Bに対し、Aが500万円の現金を渡せば、両者とも1500万円の財産を取得できるので話し合いがまとまる可能性があります。この代償金500万円の準備としてAを受取人とする生命保険に加入します。
 
死亡保険金は、受取人の固有の財産ですので、遺産分割の対象にはなりません。代償金として使用できます。
 

▽遺産分割がまとまらない場合の納税資金

申告期限までに遺産分割がまとまらない場合、未分割で申告します。この場合、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の評価減の特例などは使えないので、税額が高額になり可能性があり、納税資金の準備が大変になります。この納税資金の準備に生命保険が役立ちます。
 
なお、遺産分割がまとまったら特例を使って申告をし直し、払いすぎた税金を後日還付してもらうことは可能です。
 
出典
国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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