これからさらに増える空き家。売ったときの特例をチェック!
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月8日 4時30分
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持ち家志向の高い日本では、住宅全体に占める割合「持ち家住宅率」は61.2%となっています。都道府県では、秋田県77.3%が最も高く、次いで富山県76.8%、一方、最も低いのは沖縄県で44.4%、次いで東京都が45.0%となっています。 高度経済成長の時代、さまざまな地域で都市開発が進みました。収入も上がり、家を持つことができるようになってきたため、それまで何世代かが一緒に暮らしていた家から、核家族化が進みました。 一軒家だけでなくマンションなども軒並み増えてきたのです。そして、少子高齢化時代へと移り変わり、「空き家」問題が年々深刻になってきました。 (出典:総務省統計局「統計Today No.152」(※1))
空き家問題とは
平成 30 年住宅・土地統計調査(住宅数概数集計)(※2)では、空き家率について調査されており、全国で13.6%の住宅が空き家となっていることが分かりました。空き家率は年々伸びてきています。
居住者が他界したり、老人ホームや介護施設へ移住したりといった理由で空き家になっているケースや、相続したけれども住んだり解体したりしないまま、手つかずとなっているケースもあるようです。
空き家は家が老朽化するだけでなく、火事や盗難などの恐れもあることから近隣の住民に不安や迷惑をかけてしまうこともあります。空き家をいかに少なくしていくかが課題となっています。日本の人口は右肩下がりに減少しています。
これから、さらに空き家が増えてくると予測されますので、ご自宅をお持ちの方は家の活用や継承について、早めに検討されておくとよいでしょう。
空き家の特例について
空き家をより処分しやすくできるよう、空き家を売却した場合の特例があります。「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」です。
相続または遺贈により取得した家屋または家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売り、一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3000万円まで控除できます。
○空き家特例の要件例
・売った人が、相続または遺贈により家屋、および家屋の敷地等を取得したこと。
・相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
・売却代金が1億円以下であること。
・親子や夫婦など特別の関係がある人に対して売ったものでないこと。
他にも特例の対象となる家屋や敷地の要件もありますので、国税庁ホームページや、実際に売買をしている不動産業者などに確認したりしておくとよいでしょう。
(出典:国税庁「No.3306 被相続人の住居用財産(空き家)を売ったときの特例」(※3))
要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所するなど、特定の事由により相続の開始の直前において居住の用に供されていなかった場合、一定の要件を満たすときは、居住用家屋に該当し、特例が使えるようにもなりました。
つまり、空き家となる可能性のある家を売却しやすくなったということです。現在の空き家問題では、家の登記もそのままになっているケースも多く、解体や売却にも費用がかかるため、相続をしたがらない人も少なくありません。
こうした問題を解消し、空き家の増加を抑制するための特例となっています。核家族化が進み、親子で別々の家に暮らすことが一般的になってきました。子ども世代は都市部で、親世代は地方でというケースも多いかと思います。
ご両親の家を相続しない場合、このような空き家問題になる可能性もありますので、特例や家の活用などをある程度考えておくのも対策の1つだと思います。
最後に
贈与や相続対策は元気なうちに、早め早めに行うとスムーズにいくことが多いです。実際に手続きをしないにしても、ご家族間で話し合っておくことは重要です。話しづらい内容かもしれません。
しかし、お互いの意思を確認しておかないと、いざという時に対処できない場合もあります。
将来的に家を使わなくなった場合、どうしてほしい、事前に誰に継承してほしいなどの意思確認だけでもしておくと、ご家族間で対策等を考えていくきっかけとなります。今回の特例のように、制度として活用できそうなものを題材に会話されるのも良いかと思います。
出典
(※1)総務省統計局「統計Today No.152」
(※2)総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計 調査の結果」
(※3)国税庁「No.3306 被相続人の住居用財産(空き家)を売ったときの特例」
執筆者:藤井亜也
株式会社COCO PLAN (ココプラン) 代表取締役社長
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