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教育資金優先で老後資金準備を後回しにした70代夫婦。どんな暮らしが待っている?

ファイナンシャルフィールド / 2021年12月14日 23時30分

教育資金優先で老後資金準備を後回しにした70代夫婦。どんな暮らしが待っている?

子どもの教育資金と自身の老後資金、どちらも人生における支出の中でも特に大きく重要なものになります。   ですが、子を思うあまり、教育資金を優先し老後資金の準備を後回しにしてしまった場合、将来どのような結果が待ち受けているのでしょうか。   老後資金より子の教育資金を優先した、ある70代夫婦の現在を例にお話しします。

ある70代夫婦の話

先日、筆者のもとに70代夫婦から相談がありました。夫婦の相談内容は「60歳で定年退職したものの、70代中盤に差し掛かったところで医療費や介護問題、住宅リフォーム問題などから老後資金に底が見えてきた」といったものでした。
 
話を聞くうち、夫婦は3人の子どもの教育資金を優先するあまり、自身の老後資金を準備することができず、いざ老後を迎えたとき、どれだけ支出を削ろうと限界を感じたため相談に来られたようです。
 
しかし、収入は年金に限られ、切り崩す貯蓄も200万円を切っていた状態では今後生ずる医療費や介護費用、生活費までを賄いきれず、極限まで切り詰めた生活を数年続けた後、次男一家との同居という結果となりました。
 

教育資金の優先は子どもの負担になることもある

今回の同居に当たって夫婦は、次男に対して家族の説得やバリアフリー化のための自宅のリフォームなど多くの負担を背負いました。
 
夫婦が老後資金を後回しにしてでも子の教育資金に熱心であった理由は、もちろん「少しでもいい学校へ奨学金などを使わず進学させ、将来の子どもの負担を減らすため」だったのですが、結局それが裏目に出てしまい、老後資金が不足して子どもと同居という結果となって子に想定外の負担を強いることとなりました。
 
この事例からいえることは、子を思って教育資金を優先することがかえって子の将来の負担になる可能性があるということです。もちろん子の将来を考え教育資金をある程度優先すること自体は間違いではありません。
 
ただ、それによって老後資金が十分に準備できない状態で老後を迎えてしまうと、子に想定外のタイミングでの同居や金銭的な支援を求めるようになってしまい、かえって子の負担を増やすことになってしまう可能性があることを考えておかなければなりません。
 

結局は教育資金と老後資金とバランスをどう考えるか

本当に子どものことを考えるのであれば、教育資金と老後資金の割合はバランスを考えるべきです。
 
例えば、予備校など進学塾などの費用を含み、大学卒業までの学費を親が全額支出すると老後資金の見通しが全く立たないような場合、教育資金を最優先するのではなく、高校までは親が学費を出すが、大学や専門学校への進学については子が自分で奨学金を利用して進学するなどの方法をとることです。
 
奨学金の利用は子どもにとって一時的な負担とはなりますが、この負担は想定できているものであり、予想外のタイミングで生じる負担でもありません。負担としては老後資金問題に比べればより小さいものとすることができます。
 
また、今回筆者が相談を受けたケースでは最終的には子とその家族から理解が得られたため、親の老後を押し付けあう家族争いにまで発展しませんでしたが、子どもたちがそれぞれ家族の理解を得られない、金銭的に親の面倒まで見られないなどの理由があるとそこから争いが起き、家族の間に修復不可能な溝を作り出してしまう可能性もあります。
 

教育資金優先が必ずしも子どものためになるとは限らない

子どものことを思い、教育資金を優先した結果、老後の準備が不十分となってしまうと、それが裏目に出てかえって子の負担となってしまう恐れがあります。
 
真に子どものことを考えるのであれば、家計の状況に応じ、教育資金については奨学金を利用するなどして、最低限老後資金の準備ができるよう考えることも大切です。
 
もし、現在教育資金を無理に捻出している、あるいは老後資金とのバランスに悩んでいるという場合、一度近くのFPなどにライフプランの相談をしてみることをおすすめします。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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