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年金を65歳で受け取るのと70歳で受け取るのでは、受給額は何%違う?

ファイナンシャルフィールド / 2021年12月16日 21時10分

年金を65歳で受け取るのと70歳で受け取るのでは、受給額は何%違う?

国民年金や厚生年金の受給開始は、原則として65歳からとなっていますが、各人の判断で繰り下げることも可能です。では、繰り下げることによって受給額はどの程度変わるのでしょうか。以下で詳しく見ていくことにしましょう。

受給開始時期を繰り下げた場合のメリットとデメリット

年金の受給開始時期は、66歳以降、1ヶ月単位で繰り下げの申し出が可能となっています。ただし、いくらでも受給開始を遅らせられるというわけではなく、繰り下げられるのは、最大で70歳までとされている点に注意しなければなりません。年金の受給開始を繰り下げることにはメリットとデメリットがあります。
 
まず、デメリットとして挙げられるのは、繰り下げた期間は年金が受け取れなくなるという点です。例えば、70歳から受け取ることにした場合には、65歳から70歳までの間は、年金なしで家計をやりくりしなければならなくなるのです。一方、繰下げ受給のメリットは、受給開始を遅らせれば遅らせた分だけ、受け取ることができる年金の月額が増加するという点にあります。
 

70歳まで繰り下げた場合にどれくらい増額されるのか

このように年金の繰下げ受給には、メリットとデメリットの両面があるわけですが、実際のメリットの大きさを理解するためには、繰り下げによって具体的にどれくらい年金額が増加するのかを知っておく必要があります。
 
この点、受給開始を繰り下げた場合の増額幅は、1ヶ月につき0.7%とされています。そのため、受給開始を66歳まで1年間遅らせた場合には、0.7を12倍した8.4%分だけ多く年金が受け取れるようになるというわけです。
 
前述したように、70歳になるまで5年間繰り下げることができるようになっているため、受給開始をそこまで遅らせて増額のメリットを最大限に享受する場合は、8.4%をさらに5倍した42%分だけ年金額を増加させることが可能です。
 

70歳で受け取れる受給額

国民年金の2021年度の満額は、月額で約6.5万円、年額に換算すると約78万円となっています。この金額は65歳で受給を始めた場合のものですので、70歳まで繰り下げた場合には、1.42を乗じた約110万円を実際に受け取ることができるようになります。65歳で受け取る場合と比べると、1年あたり約32万円も多く受け取れるようになるのです。
 
一方、厚生年金を満額でいくらもらえるかは人によって異なりますが、例えば平均的な収入の夫婦が40年間就業した場合の金額は、基礎年金を含めると月額で約22万円、年額だと約264万円となっています。70歳まで繰り下げて受給を開始した場合の年金額は、国民年金のケースと同様に1.42を乗じた約375万円となり、1年につき110万円ほど多く受給することが可能になります。
 

繰り下げを選んだ方が良い人とは

ここまでで見てきたように、年金の受給開始を70歳まで繰り下げれば、年金額を4割ほど増加させることが可能です。
 
これだけ聞くと、繰り下げた方が得だと感じる人がいるかもしれませんが、だからといって誰でも受給開始を遅らせれば良いというわけではありません。繰り下げた期間中は年金が支給されなくなってしまうので、少なくとも年金がなくてもその間の生活費に困らないという人以外は繰り下げを選ばない方が良いでしょう。
 
また、当然ながら死亡してしまうと年金の受給資格は失われます。早く亡くなってしまうと、せっかく繰り下げて年金額を増やしても、生涯の総受給額は少なくなってしまう恐れがあるので、長生きする自信がないという方も繰り下げない方が良いかもしれません。逆にいうと、70歳までの生活費の当てがあり、健康状態も問題がないという方にとっては、繰り下げ受給は魅力的な選択肢となり得るでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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