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親の死後に預貯金の仮払いをすると、相続放棄ができなくなるって本当?

ファイナンシャルフィールド / 2021年12月15日 11時0分

親の死後に預貯金の仮払いをすると、相続放棄ができなくなるって本当?

相続財産となっている預貯金の仮払いをすると相続放棄ができなくなってしまうといわれることがあります。それはなぜでしょうか。本当に仮払いによって相続放棄ができなくなってしまうのでしょうか。   親の相続を例に預貯金の払い戻しの実施により相続放棄ができなくなる原因となるのか、確認していきます。

相続放棄とは? 一般的に相続放棄ができなくなる理由は?

まず初めに単純承認と相続放棄について知っておきましょう。
 
単純承認とは、相続人として亡くなった方の残した財産をプラスの財産もマイナスの財産も全てひっくるめて相続するものです。
 
対して相続放棄とは、相続人としての地位を捨ててプラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がないものになります。また、亡くなった方のプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する限定承認があります。
 
基本的に相続人の判断によって単純承認と限定承認および相続放棄を選ぶことができるのですが、一定の場合に単純承認したと見なされ、相続放棄をすることができないことがあります。
 
単純承認したと見なされるものの代表例には、相続財産の中のお金を私的に消費してしまうことなどが挙げられます。
 
預貯金の仮払いを実施すると相続放棄ができなくなるといわれるのは、仮払いによってお金を引き出すことで単純承認したと見なされるのではないかという点からそのようにいわれることがあるようです。
 

預貯金の仮払制度とは

預貯金の仮払制度とは、通常亡くなった方の口座は凍結されてしまい、原則遺産分割が終わるまではその口座内のお金を引き出せないところ、一定の範囲内で遺産分割前でも各相続人がお金を引き出せる制度です。
 
預貯金の仮払制度には、直接金融機関にて手続きする方法と家庭裁判所を通じて行う方法とがあります。詳細については亡くなった方の口座の存在する金融機関へお問い合わせください。
 

預貯金の仮払いによって相続放棄ができなくなるのは本当か?

結論から述べると親の死後、親の相続財産である預貯金について仮払いをしたこと自体をもって直ちに単純承認と見なされ、相続放棄ができなくなるわけではありません。仮払いを受けた預貯金をどうするかが重要です。
 
具体的には、仮払いを受けた預貯金の全額を亡くなった方の借金や生前の医療費などをはじめとする債務の弁済や、亡くなった方の葬儀費用のためなど、亡くなった方のために必要不可欠な範囲で使っていれば単純承認したと見なされず、相続放棄に影響はありません。
 
しかし、一部であっても私的に使ってしまうと単純承認したと見なされ、相続放棄ができなくなってしまいます。
 
私的に使ったとはいえ、実際には自分の口座に入れただけでも使ったと見なされてしまい相続放棄ができなくなってしまうことがあるため、預貯金の仮払制度を利用する場合には細心の注意を払う必要があります。
 

預貯金の仮払いで払い出されたお金の取り扱いは細心の注意を

預貯金の仮払いを受けたことで直ちに相続放棄ができなくなってしまうわけではありませんが、仮払いを受けたお金を亡くなった人のためではなく自分のために使ってしまったり、自分の口座にお金を入れてしまうとその時点で単純承認したと見なされ、相続放棄ができなくなってしまいます。
 
親の死後、親の口座内のお金について仮払いをするときは利用用途を明確にし、絶対に私的に使用することのないように細心の注意を払い、取り扱うようにしてください。
 
出典
一般社団法人全国銀行協会 ご存じですか?遺産分割前の相続預金の払戻し制度
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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