働きながら貰える年金制度が変更。具体的にいつからどう変わる?
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月19日 23時10分
公的年金は、60歳を超えてから働いている人であっても受給できますが、給与と年金の合計金額が一定以上になると年金が減額される仕組みになっています。その仕組みが2021年の法改正で変更されました。
在職老齢年金の減額基準が緩和
原則65歳以上から受け取れる公的年金には、1階部分といわれる国民年金(基礎年金)と、2階部分の厚生年金があります。年金制度は定年退職した人の老後の生活を安定させる目的で始まっていますので、もともとは働きながら年金を受給することは想定されていませんでした。今は人生100年時代ともいわれ、60歳を過ぎても働きたい人はいますし、実際に働いている人もいます。
就業している60代が増えたことで賃金を受けながら年金を受給する人がいるようになりました。会社からの給与と年金の2つの収入がある人は、一定額を超えると年金が減額される仕組みになっていましたが、年金法改正によってその基準が緩和されました(2022年4月1日から施行されます)。
月の収入47万円までは減額されなくなります
年金と給与の両方の収入がある人は、その額によっては年金が減額されることになっています。最高でいくら収入がある人の年金が減額されるのかは60歳以上65歳未満の人と、65歳以上の人で違います。
今回の法改正では60歳以上65歳未満の人の制度に変更がありました。年金法改正前の制度ですと、60歳以上65歳未満の人は、企業からの給与と受給している年金の合計額が月に28万円を超えると年金が減額される仕組みです。年金で20万円受給している人が給料を8万円以上もらうと減額が始まるわけです。
減額される金額は給与と年金の額によって変わりますので個人差があり、一概にはいえません。それでも60歳を超えてから再雇用で働いている場合、年金と合わせて28万円はそれほど高額とはいえないかもしれません。
減額されない上限の28万円が今回の改正によって47万円までになりました。年金で20万円受け取っている人が27万円の給与を受けてもセーフとなったのです。65歳以上の人に減額が始まる金額は現行制度ですでに47万円となっており、改正はされませんでしたのでこれまで通りです。
支給をさらに遅くできる
今回の法改正で年金の受給年齢をさらに遅らせることもできるようになりました。通常は65歳から支給開始になる年金の受け取りを遅らせることで、月に受け取る額を増やすことができます。
今の制度では最大遅らせても70歳までですが、2022年4月からは最大75歳まで遅らせることができます。1ヶ月遅らせるごとに0.7%増額されますので、これまでは最大でも42%の増額だったものが84%まで増額できる計算です。この制度はあくまでも希望者だけですので、よく考えてから決めるようにしましょう。
出典
厚生労働省 年金・日本年金機構関連
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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