働く理由はお金? 社会とのつながり? 理想の働き方と現実のギャップに苦しむ女性のリアルとは
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月19日 9時0分
突然ですが、みなさんがいま働いている理由は何ですか? 「もちろんお金!」という人もいれば「専業主婦でずっと家にいると社会とのつながりがなくなるから……」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。 お金はあるに越したことはありません。なるべく働いて将来のためにお金を貯めておきたいものですよね。 今回は、株式会社ハルメクと株式会社キャリア・マムが発表した「『働くこと』に関する意識実態調査」の結果(※1)をひもといてみましょう。
女性がいま働いている理由ランキング! 世代によって「お金」と「社会とのつながり」が逆転?
この調査は、30~79歳の女性470名を対象に行われたもの。そのうち、現在働いていると回答した322名の働く理由を、世代別に見てみましょう。
【現在、働いている理由(年代別、上位3位)(複数回答)】
<30代>
1位:現在の生活のためにお金が必要だから 70.0%
2位:将来のために貯蓄したいから 60.0%
3位:社会とつながりをもちたいから 53.3%
<40代>
1位:現在の生活のためにお金が必要だから 66.7%
2位:将来のために貯蓄したいから 54.3%
3位:社会とつながりをもちたいから 50.6%
<50代>
1位:社会とつながりをもちたいから 54.3%
2位:現在の生活のためにお金が必要だから 53.3%
3位:生活にメリハリをつけたいから 43.8%
<60代>
1位:社会とつながりをもちたいから 67.1%
2位:生活にメリハリをつけたいから 52.4%
3位:仕事が好きだから 43.9%
<70代>
1位:社会とつながりをもちたいから 58.3%
2位:生活にメリハリをつけたいから 41.7%
2位:健康のために頭を使いたいから 41.7%
TOP3はこのような結果に。30代と40代については、およそ7割の人が迷わず「生活のためにお金が必要だから」と回答しています。そしておよそ6割の人は「貯蓄のためにもお金が必要」と回答。そして半数ほどが「社会とのつながり」が理由だと回答しています。
この世代にとっては、なにはなくともお金のために仕事をしているということになりそうです。たしかに仕事の対価として収入があるわけですから、当然ですよね。
しかし、50代になると少し様子が変わってきます。お金も必要だけれど、それよりも「社会とのつながりをもちたい」という理由がわずかながら上回るという結果に。さらに、貯蓄がランキングから落ちて「生活にメリハリをつけたい」という理由が上がってきています。
60代、70代になるとこの傾向はより顕著になり、TOP3から「お金のために働く」という理由が消え去りました。仕事という手段を通じて、人とコミュニケーションをとり、生活にメリハリをつけてイキイキと過ごしたい……というシニア世代の思いが伝わってきますね。
半数以上の女性が理想と現実のギャップに悩んでいる
「もっと働きたい」「もう少し仕事に割く時間を減らしたい」など、理想の働き方は人それぞれ。働く女性の理想と現実はどれくらいマッチしているのでしょうか。
1日における仕事の割合について、「現在」「理想」両方について聴取し、その差分を用いたものが以下のとおり。
【1日における「働く時間」の割合:現実と理想のギャップ】
<30代>
1位:現実<理想 70.0%
2位:現実>理想 20.0%
3位:現実=理想 10.0%
<40代>
1位:現実<理想 48.1%
2位:現実=理想 29.6%
3位:現実>理想 22.2%
<50代>
1位:現実>理想 39.0%
2位:現実<理想 34.3%
3位:現実=理想 26.7%
<60代>
1位:現実=理想 48.8%
2位:現実>理想 28.0%
3位:現実<理想 23.2%
<70代>
1位:現実=理想 50.0%
2位:現実<理想 45.8%
3位:現実>理想 4.2%
「現実<理想」というのは、自分が思うほど仕事に時間が割けていないということ。「現実>理想」はその逆ということになります。
これを見ると、理想どおりに働けている30代はたったの1割。7割の人が「もっと働きたいのに……」という現実と理想のギャップに悩んでいることがわかります。
40代、50代になると、ようやく理想どおりに働けている人が3割近くにアップ。ほぼ半数の人が理想どおりに働けているのは、60代以上のみということになります。
若い世代の女性ほど、「本当はもっと働きたいけど、家事や育児でなかなかうまくいかない」という悩みを抱えているのではないでしょうか。国税庁の発表(※2)によると、国民の平均給与は以下のとおり。
・男性:532万円
・女性:293万円
これを見る限り、男女で年収に250万円近くの差があることがわかります。さらに、このうちの賞与については以下のとおり。
・男性:83万円
・女性:39万円
賞与については、倍以上の差がありますね。男女でこれだけの差があるとなると、「子どももいるし生活費を稼ぎたい」「将来に向けて貯金がしたい」という30代、40代の女性が「もっと働きたいのに!」と思うのは必然なのかもしれません。
夫婦間の家事・育児の分担や社会そのものの考え方が変わりつつある現代とはいえ、もっと変化のスピードが上がることを願いたいですね。
※1 株式会社ハルメク、株式会社キャリア・マム 30~79歳の女性に聞いた「『働くこと』に関する意識実態調査」
※2 国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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