世帯主にかけている死亡保険金、平均はどれくらい?
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月19日 13時10分
世帯主に万が一のことがあったら、残された家族がどうやって生きていくかが問題になります。やはり、お金はあるにこしたことはないでしょう。普段から万が一のことがあった時に備えておくのが大切です。 そこで、世帯主にかけている死亡保険金の平均額のデータを元に「どうやって準備すべきか」を考えてみましょう。
平均額を決めるポイントは家族構成
世帯主に万が一のことがあった場合に備えるための商品の1つが、生命保険です。つまり、世帯主を被保険者にしておけば、万が一のことがあった場合に、死亡保険金の給付が受けられます。生命保険に加入する際は、毎月支払える保険料や家族構成に合わせて死亡保険金の額をはじめとした保障内容を設定し、それに応じた保険料を毎月し支払う仕組みです。
そして、死亡保険金の平均額は、家族構成によって異なる傾向があります。今回は、公益財団法人生命保険文化センターがまとめた「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」の結果を用いてひも解いてみましょう。
パターン1.子どもがいる夫婦の場合
子どもがいる夫婦の場合、世帯主に万が一のことがあったにも関わらず、満足な保障がないといろいろと弊害が生じてきます。やはり、子どもが小さければ小さいほど、大きくなるまでお金がかかるので、死亡保険金として設定している額の平均値も大きいです。
加入している生命保険における死亡保険金の設定額の平均は末っ子(末子)が赤ちゃん(乳児)」の場合で2230万円、 保育園児・幼稚園児の場合で2211万円、小中学生の場合で2178万円、高校・短大大学生の場合で2002万円となっています。
さらに、末っ子が学校を出て社会人になった場合だと1170万円にまで下がっていました。これは「学校を卒業して働きだしたら、ある程度の収入はあるのでそこまで手厚い保障は必要なくなる」という事情も関係しているでしょう。いわば、ライフステージも新たな段階に入るため、このタイミングで生命保険の見直しを行い、死亡保険金として設定する額の切り下げを行う人が多いものと考えられます。
パターン2.夫婦のみの場合
一方、子どもがいない夫婦の場合は、かなり事情が異なります。子どもがいない以上、世帯主に万が一のことがあったとしても、残された方が生活していけるだけの保障が受けられれば良いためです。また、世帯主が会社員・公務員だった場合は、遺族基礎年金は受け取れないものの、遺族厚生年金を受給できる可能性があります。さらに、共働き夫婦だった場合は、残された方が仕事を辞めない限りは給料が入ってきます。
この点を鑑みると、子どものいる夫婦に比べ、死亡保険金で備えるべき金額は低い傾向が指摘できるのです。加入している生命保険における死亡保険金の設定額の平均は、世帯主が40歳未満の場合で1616万円、40歳から59歳の場合で1524万円という結果になりました。実際にどれだけの金額を死亡保険金として設定すれば良いのかは、個々の夫婦の事情によって異なります。
パターン3.シニア世代夫婦の場合
最後に、世帯主が60歳以上の夫婦のケースについても見てみましょう。このパターンの場合、世帯主が働いているかどうかによって、事情は異なります。働いているなら、保障額をある程度大きくした上で、生命保険の保険料を払い続けるだけの余裕があるでしょう。一方、働いていないなら、生命保険の保険料として払う分を、老後の生活費に回していく必要がでてきます。
これらの背景を踏まえ、加入している生命保険における死亡保険金の設定額の平均見てみましょう。まず、世帯主が働いている場合の平均額は、921万円でした。一方、働いていない場合の平均額は603万円となっています。おおむね、世帯主が働いているケースの3分の2といったところでしょう。
実情に合わせて合理的な額にしよう
文中で示したのは、あくまで平均額です。実際に生命保険に加入する際、死亡保険金の額をどうするかは、それぞれの事情に合わせて合理的な額にしましょう。まずは「世帯主に万が一のことがあったら、どれだけ必要なのか」「勤務先の制度や公的制度により支給を受けられるのか、額はいくらか」を把握すれば、おのずと設定すべき金額が見えてきます。
出典
日本年金機構遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
公益財団法人生命保険文化センター平成30年度 生命保険に関する全国実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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