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免除された学生時代の年金保険料を追納するのと未納のままでは、将来の年金額はいくら違う?

ファイナンシャルフィールド / 2021年12月23日 23時10分

免除された学生時代の年金保険料を追納するのと未納のままでは、将来の年金額はいくら違う?

学生時代に保険料納付の猶予を受けていて「保険料を追納した場合の年金額はどれくらいになるのか知りたい」「追納がいつまでできるのか教えてほしい」などと思っている方もいるのではないでしょうか。   学生納付特例制度を活用して納付猶予となった分は、そのままでは年金受給額へ反映されません。満額受給するためには、追納制度の利用が必要です。   ここでは、学生納付特例制度の分を追納した場合の年金受給額について解説します。

20歳以上は年金保険料の支払い義務が発生する

 
日本国内に住む20~60歳未満のすべての方に、国民年金への加入が義務付けられています。学生であっても20歳以上であれば、国民年金への加入が必要となります。
 
国民年金保険料は1ヶ月あたり1万6610円(2021年度)で、40年間すべて保険料を納付した場合に受け取れる老齢基礎年金は月額6万5075円(2021年4月~)です。
 
また、保険料を納め続けることで、病気やけがで障害が残ったときは障害基礎年金を、家族の働き手が亡くなったときは遺族基礎年金を受け取ることができます。
 

「学生納付特例制度」により保険料納付の猶予を受けられる

 
学生納付特例制度とは、在学中の保険料納付が猶予される制度のことです。本人の所得が一定以下(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)の学生が対象となります。
 
学生納付特例制度を希望する場合は、居住地の国民年金担当窓口や年金事務所に申請が必要です。
 

猶予期間は受給資格期間には入るが年金額には反映されない

 
学生納付特例は、老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間には反映されますが、年金額への反映はありません。そのため、学生納付特例を利用した場合は、追納しないと老齢基礎年金の受給額は増えないので注意してください。
 
追納しなければ、受給満額(2021年4月の場合:月額6万5075円)より少なくなります。
 

年金保険料の追納とは

 
学生納付特例制度を利用した場合、社会に出てからの年金保険料をすべて納付しても年金受給額は満額にはなりません。納付猶予期間は受給資格期間には反映されても、年金額には反映されないからです。
 
しかし、年金保険料を追納することで年金受給額を満額に近づけることができます。年金保険料の追納とは、年金保険料未納分や免除・納付猶予分の保険料をあとから納めることです。
 
追納は、年金事務所で申請をして、厚生労働大臣の承認をうけることが必要です。納付は、発行された納付書を使用して行います。口座振替とクレジットカード納付はできないので注意しましょう。
 

追納が可能な期間

 
保険料の追納ができる期間は免除・納付猶予を受けた期間から10年以内です。免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けた期間のうち、古い期間の分から納付を行います。
 
免除・納付猶予期間から10年を過ぎている分については追納ができないため注意してください。また、保険料を追納するのが、納付猶予を受けた翌年度から3年度目以降になる場合は、当時の保険料に加算額が上乗せされます(加算額は経過期間に応じて決まります)。
 
そのため、在学中に学生納付特例を利用した場合は、社会に出てからできるだけ早く追納手続きをしましょう。
 

学生時代の年金保険料を追納しなかった場合・追納した場合の年金額

 
学生納付特例期間を利用して年金保険料を納付猶予した場合、追納する・しないは自分で決められます。追納しなかった場合と追納した場合の年金額を知ることで、追納する・しないの判断がしやすくなります。
 
ここでは、学生時代の年金保険料を追納しなかった場合・追納した場合の年金額についてみてみましょう。
 

2年間の納付猶予を追納しなかった場合の年金額

 
2021年度の年金受給額は満額で78万900円(月額6万5075円)です。学生納付特例期間が2年間(24ヶ月)であれば、将来受け取れる年金額は年間74万1855円(78万900円×456ヶ月÷480ヶ月)と、満額の場合と比べて3万9045円少なくなります。
 
年金生活の期間が25年間と仮定した場合、満額受給と追納なしの年金受給額の差はトータルで97万6125円になります。
 
※学生納付特例期間以外の期間をすべて全額納付した場合
※上記は概算となりますので実際とは異なる場合があります。
 

2年間の納付猶予を追納した場合の年金額

 
学生納付特例期間が2020〜2021年度とした場合、追納する保険料は2020年度分が年間19万6920円(月1万6410円)、2021年度分が年間19万8480円(月1万6540円)です。追納分の金額は2年間で合計39万5400円となります。
 
追納しない場合の年金受給額と満額受給との差は年間3万9045円なので、39万5400円の追納をしても約10年で追納分のもとが取れる計算です。追納した保険料分は社会保険料控除の対象となるうえ、平均寿命(2020年男性81.64歳、女性87.74歳)を考えて、長い老後の資金が約10年でもとが取れると考えると、追納したほうがお得です。
 
※学生納付特例期間以外の期間をすべて全額納付した場合
※上記は概算となりますので実際とは異なる場合があります。
 

学生時代の猶予分は期間内に追納しよう

 
20歳以上になると国民年金への加入が必要ですが、学生の場合は学生納付特例制度によって納付猶予を受けられます。しかし、納付猶予は年金額へ反映されないため、将来の年金受給額が減る可能性があります。
 
年金を満額受給したい場合は、社会に出てから早めに追納をするようにしましょう。追納は10年以内と期間が決まっているため、期限を忘れないようにしてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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