令和3年から不妊治療の補助が拡充。助成額など具体的な変更ポイントとは?
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月23日 13時0分
少子高齢化が日本の抱える大問題であることは誰も異論がないと思います。そのため、子どもを産み育てやすい環境を整えることが急務です。 不妊治療は、保険適用がないものもあり、経済的にも大きな負担があります。これを費用面からサポートする補助が、令和3年から拡充されています。どのような内容なのか確認してみましょう。
不妊治療の助成金
不妊治療の中で、保険適用外となっている「体外受精」「顕微授精」を対象とした国の補助が2021年1月から拡充されました。タイミング法、ホルモン療法、人工授精は対象外です。
厚労省のホームページによると、その目的は「出産を希望する世帯を広く支援するため、不妊治療の保険適用を検討し、保険適用までの間は、現行の助成措置を大幅に拡充する」ということです。2022年4月から公的医療保険の適用となるまでの措置です。
(対象者)
対象の治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか、または極めて少ないと医師に診断された夫婦(治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦)
※ 原則、法律婚の夫婦を対象とするが、生まれてくる子の福祉に配慮しながら、事実婚関係にある者も対象とする。
(拡充の内容)
申請手続きなどの問い合わせ先は、実施主体である都道府県・指定都市・中核市になります。
体外受精や顕微授精にかかる費用は、1回につき20万円~100万円といわれています。上限30万円のキャッシュバックがあるとはいえ、まだ個人負担は大きいので、2022年4月の保険適用が待たれます。
自治体独自の補助
上記は国で制定された助成ですが、独自に不妊治療支援の制度を制定している自治体もあります。まずは、住んでいる自治体に不妊治療に関する制度がないか確認してください。助成内容や金額の上乗せなどで自治体独自の支援をしています。
特に、新型コロナにより治療を延期したような場合には、年齢制限を緩和している自治体が多いようです。
国家公務員の休暇
不妊治療には費用もかかりますが、通院が必要ですので仕事を持つ場合には、休みを取らなければなりません。企業によっては独自に休暇を設定している場合もありますが、まだごく少数です。
国家公務員に対しての制度ですが、不妊治療と仕事・非常勤職員の妊娠出産および育児と仕事の両立を支援する目的で、令和4年1月から新たな制度を導入します。
人事院ホームページによると
(出生サポート休暇)
・常勤職員・非常勤職員ともに不妊治療に係る通院や治療に関する説明会への出席に際し取得可能な有給休暇
・休暇の期間:年間5日まで。
体外受精および顕微授精を受ける場合には年間10日まで。
(非常勤職員の休暇の新設等)
・男性職員について配偶者出産休暇・育児参加の休暇を新設
・これまで無休だった女性職員の産前産後休暇を有給化
人事院は、地方自治体や企業にも同様の制度導入を促したいとしています。
2022年4月からは、不妊治療の保険適用範囲も広がります。休暇なども充実すると、さらに不妊治療が受けやすくなります。今、制度が大きく変化していますので、どのような支援が受けられるのか確認し、上手に活用してください。
出典
厚生労働省 不妊に悩む方への特定治療支援事業の拡充について
人事院 国家公務員に「出生サポート休暇」を新設しました
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士
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