贈与税対策をしたい!どんな方法がある?
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月25日 12時10分
相続税対策として、生前贈与を検討する親や祖父母は多いです。しかし、贈与にも税金がかかってしまうので、贈与税対策が必要でしょう。しかし、具体的には贈与の際の節税としてどんなことができるのでしょうか。ここでは贈与税対策にできることを紹介します。
贈与税の基礎控除は年間110万円
多くの税金には基礎控除が設けられています。贈与税にも基礎控除があり、金額は年間110万円となっています。注意しなければいけないのが、贈与税の基礎控除が適用されるのは贈与する側ではなく贈与を受ける側という点です。
贈与でよくある勘違いが、贈与をする側に基礎控除が適用されると勘違いして、同じ人に祖父母がそれぞれ110万円ずつ贈与をしてしまう例です。この場合、贈与された人は220万円の贈与を受けることになるので、基礎控除額を除いた110万円に贈与税が課されてしまいます。祖父母で合わせて年間110万円になるように計算して贈与を行いましょう。
また、贈与税の基礎控除は一度きりでなく、贈与者が生きている限り毎年利用できます。そのため、例えば10年贈与を続ければ最大1100万円を非課税で贈与できます。このように贈与を始めるのが早ければ早いほどお得な仕組みとなっています。
相続時精算課税制度とは
相続時精算課税制度とは、贈与の回数に関係なく、2500万円分まで贈与税が非課税となる制度です。毎年110万円の基礎控除を受けられる暦年課税と相続時精算課税制度は自由に選択することができます。ただし、一度相続時精算課税制度を選択した場合、暦年課税に切り替えることはできないので、よく考えて利用すべきでしょう。
相続時精算課税制度を利用した方がお得なケースは、財産が2500万円以内だったり相続税の基礎控除額よりも低かったりする場合です。また、相続時精算課税制度を利用すれば一括で2500万円分の贈与ができるので、贈与者が高齢者でいつ亡くなってもおかしくない状況のときにも活用できます。
孫や子の子育て・教育資金の贈与でさらに節税!
孫や子の子育てや教育資金ついて利用する目的の贈与でも控除の特例を受けられます。それでは、基礎控除の他にもぜひ利用したい相続税の節税に使える制度を紹介します。
・教育資金の一括贈与の非課税制度
教育資金の一括贈与の非課税制度は、孫の教育資金目的の贈与最大1500万円が控除の対象となります。対象は30歳以下の孫であり、幼稚園・保育園〜大学までの学費だけでなく、習い事の月謝や交通費、学校や習い事で使用する教材費まで適用されます。
ただしこの制度を利用したい場合、銀行などの金融機関と契約して贈与専用の銀行口座を開設し、そこに入っているお金しか使えないうえにレシートなど用途がわかる証拠を残す必要があるので注意してください。
・結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度
結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度は20歳以上50歳未満の子供や孫に対して、子育てや結婚に関する費用最大1000万円までの贈与を非課税とする制度です。結婚費用に関しては、挙式費用・新婚旅行費用・新居の入居費用など幅広いものが対象となります。
ただし、結婚に関連する贈与の場合、非課税となるのは1000万円ではなく300万円なので注意してください。その他にも不妊治療の費用や、子どもが生まれてからはベビーシッター費用、保育料、ベビー用品費用などの目的だと控除の対象となります。ただしこちらの制度も教育資金の一括贈与の非課税制度同様に金融機関との契約が必要なので注意が必要です。
・住宅取得等資金の贈与の非課税制度
住宅取得等資金の贈与の非課税制度は20歳以上の子に対して住宅の購入や増改築費用目的の贈与を行った際に非課税となる制度です。住宅購入時の消費税額や省エネ住宅の可否によって控除額が変動するのでよく確認したうえで利用しましょう。
贈与税の控除制度はたくさん! 早めの贈与で節税しよう!
暦年控除制度をはじめ、贈与税の節税制度はたくさん存在しています。相続税と贈与税を比べれば、贈与税の方が税負担が大きいと思うかもしれませんが、控除制度が充実しているので場合によっては贈与のほうがお得です。
特に資産の額が大きければ大きいほど早めに贈与を始めることで相続税対策になるので、自分の資産を確認し、亡くなったときに備えて早めに子や孫への贈与を始めてみてはいかがでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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