夫の死後、遺族年金が毎月いくら支給されるかご存じですか? 知っておきたい遺族年金の受給額
ファイナンシャルフィールド / 2021年12月30日 3時0分
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夫が亡くなったときに、経済的に苦しくなる人は多いでしょう。遺族年金をいくら受給できるかによって、その後の生活の選択肢が大きく変わる可能性があります。 遺族年金の受給額は、もらえる遺族年金の種類や、誰が受給するかによって変わります。ここでは、遺族年金制度の概要や、金額の計算方法を紹介します。遺族年金の金額を把握して、万が一に備えて心構えをしておきましょう。
遺族年金ってどんな制度?
遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者や被保険者だった人が亡くなった際に、その人に生計を維持されていた遺族に支給される年金です。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。受給できる遺族年金の種類は、亡くなった人の年金の加入状況などで決まります。
遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件は、それぞれ以下のとおりです。
遺族年金の受給要件
■遺族基礎年金の受給要件
遺族基礎年金が支給されるのは、次のいずれかの場合です。
●国民年金の被保険者期間に死亡した(※1)
●国民年金の被保険者であった60~65歳未満の人で、日本国内に住所がある人が死亡した(※1)
●老齢基礎年金の受給権者が死亡した(※2)
●老齢基礎年金の受給資格がある人が死亡した(※2)
受給できるのは、死亡した人に生計を維持されていた人のうち、次の人です。
●子のある配偶者控除
●子
ここでいう「子」とは、18歳になった年の3月31日までの人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の人を指します。
■遺族厚生年金の受給要件
遺族厚生年金が支給されるのは、次のいずれかの場合です。
●厚生年金保険の被保険者期間に死亡した(※1)
●厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがにより、初診日から5年以内に死亡した(※1)
●1級・2級の障害厚生(共済)年金受給者が死亡した
●老齢厚生年金の受給権者が死亡した(※2)
●老齢厚生年金の受給資格がある人が死亡した(※2)
死亡した人に生計を維持されていた人のうち、次の優先順位順に受給できます。
●子のある妻、子(障害基礎年金と同様)、子のある夫(55歳以上)
●子のない妻、子のない夫(55歳以上)
●父母(55歳以上)
●孫(子と同様)
●祖父母(55歳以上)
※1保険料納付済期間(免除期間含む)が、死亡日前日において国民年金加入期間の3分の2以上必要。死亡日が令和8年3月末日までの場合は、死亡日前日において、死亡した月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよい。
※2保険料納付済期間と免除期間、合算対象期間が、合わせて25年以上必要。
遺族基礎年金の受給額
遺族基礎年金の受給額は、受給する人によって異なります。
■子のある配偶者が受け取るとき
受給額=78万900円+子の加算額
■子が受け取るとき
子1人あたりの受給額=(78万900円+2人目以降の子の加算額)÷子の人数
子の加算額は、次のように定められています。
●1人目および2人目の子の加算額:1人につき22万4700円
●3人目以降の子の加算額:1人につき7万4900円
例えば、子が3人いる配偶者が遺族基礎年金を受給する場合の受給額は、次のとおりです。
受給額=78万900円+(22万4700円×2人+7万4900円)=130万5200円
遺族厚生年金の受給額
遺族厚生年金の受給額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3と決まっています。例えば、老齢厚生年金の報酬比例部分が月額8万円なら、遺族厚生年金は月額6万円です。
亡くなった人が厚生年金保険の被保険者であった場合、被保険者期間に初診日がある場合、1、2級の障害厚生(共済)年金受給者だった場合、被保険者期間300月(25年)未満は、300月とみなして計算します。
老齢厚生(退職共済)年金の受給権者が、配偶者を亡くした場合は、次のうち高いほうが遺族厚生年金の額となります。
●亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
●亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1+自身の老齢厚生(退職共済)年金の2分の1
また、条件により、以下の2つの加算が適用されることもあります。
●中高齢寡婦加算
●経過的寡婦加算
中高齢寡婦加算
次のいずれかに該当する妻は、40~65歳になるまでの期間、年額58万5700円の中高齢寡婦加算を受けられます。
●40~65歳未満で、同一生計の子がいない
●子が要件を満たさなくなったために遺族基礎年金を受給できなくなった
ただし、老齢厚生年金の受給権者または受給資格のある夫が死亡したケースでは、死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間が20年以上なければ、原則として中高齢寡婦加算を受けられません。
経過的寡婦加算
次のいずれかの場合は、経過的寡婦加算が適用されます。
●昭和31年4月1日以前生まれで65歳以上の妻に遺族厚生年金の受給権が発生した
●中高齢の加算を受けていた昭和31年4月1日以前生まれの妻が65歳に達した
経過的寡婦加算の金額は、昭和61年4月1日から60歳に達するまで国民年金に加入した人の老齢基礎年金と合計すると、中高齢寡婦加算と同額になるように定められています。
万が一のときのために遺族年金の受給額を確認しておこう
遺族年金の受給額は、亡くなった人や受給する人の状況によって、一人ひとり異なります。 遺族基礎年金、遺族厚生年金について、制度の概要を理解しましょう。
配偶者などに生計を維持されている人は、誰でも遺族年金の受給権者になる可能性があります。いざというときのために、金額の計算方法やおおよその金額を把握しておくと安心です。
出典
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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