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4月から成人年齢が18歳に。どんな影響が? どんなことに気を付けるべき?

ファイナンシャルフィールド / 2022年1月2日 23時0分

4月から成人年齢が18歳に。どんな影響が? どんなことに気を付けるべき?

2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられます。日本では明治9年(1876年)に成人年齢を20歳と定めました。以来145年にわたって「20歳で成人」が維持されていたため、われわれにとっては、成人年齢は20歳という感覚が定着しています。   今回の「成人年齢の引き下げ」によってどのような影響があるのか、どんなことに気を付けておくべきかを考えます。

18歳から「大人」として扱う

これまで「未成年」として扱われていた18歳・19歳の人が「成人」となることにより、「これまで単独でできなかったことができる」ようになります。法的に「大人として扱う」ということです。
 
世界的にも18歳から成人とみなす、つまり父母の親権に服さなくなるとする国が多いことから、今回の日本の成人年齢の引き下げは世界の動向に合わせたものといえます。
 
とはいえ、18歳からすべてのことができるわけではありません。お酒やタバコ、競馬や競輪などの公営ギャンブルの年齢制限は20歳のまま維持されます。これらは健康への影響や、ギャンブル依存症対策などの観点からこれまでどおり据え置かれることとされています。
 

契約を単独で行えるようになる

最も重要なのは「契約」という法律行為を単独で行うことができるということでしょう。
 
例えば、アパートのような賃貸住宅を借りるとき、未成年者の場合は親権者(あるいは家庭裁判所が選任した未成年後見人)の同意が必要とされてきました。これが成人年齢の引き下げによって、一応は18歳から単独で契約ができることになります。
 
ただし、不動産賃貸やクレジットカードの作成、不動産購入や自動車購入の際のローンの契約には「審査」があります。
 
不動産賃貸における審査では、保証会社の審査と大家さんの審査があります。保証会社の審査は入居者が家賃を支払い続ける能力があるかどうかを見るので、仮に学生で資産も収入もない場合には審査に通らない可能性があります。
 
不動産賃貸では現在でも学生が契約する際、ほとんどの場合で親権者を連帯保証人とするため、実務上はこれまでと大きく変わらないことになるだろうと考えられます。
 
成人になると、携帯電話の契約やクレジットカードの作成も法的には単独で行えますが、やはり審査があります。ただし、一部のクレジットカードの審査などはあまり厳密に行われていないこともあるようです。
 

大人でもブラックリストに載る人がいる

最近では、ネット通販などでクレジットカードの利用範囲が広がり、気軽に利用できるようになっているだけに、その使い方には十分に注意する必要があります。
 
クレジットカードや携帯電話料金を滞納してしまった場合には、ブラックリストに載ってしまう可能性があります。ここでいうブラックリストというのは信用情報機関に「滞納歴が記録として残る」という意味です。
 
例えば、不動産を購入するとき、多くの人は住宅ローンを利用します。不動産業者としては購入希望者の収入や資産の状況を聞けば、その人がローンの審査に通るかどうかはおおむね予測できます。
 
しかし、まれに「審査に落ちる」ことがあります。審査会社からは「なぜ審査に落ちたのか」という理由が開示されることはほとんどありません。しかし、審査に通ると思われた人が審査に落ちるのには必ず理由があります。
 
その理由の1つが「ブラックリストに載っている」、つまり「その人は信用できない」というものです。
 
ひとつの例として、携帯電話の請求を滞納したことがあるというケースがあります。最近は、携帯電話の料金と一緒に携帯電話の本体の料金を分割払いで支払っているケースが少なくありません。
 
この本体料金の分割払いは携帯電話会社が窓口となっていますがクレジット契約であり、クレジットカードの支払いの滞納と同様の扱いです。携帯電話料金の滞納はその金額があまり多くなければ、支払うべき人にとっては「ささいなこと」と感じるかもしれません。
 
しかし、クレジット会社も金融業者であり、滞納歴は額にかかわらず記録されると考えておくべきです。
 

大人としての責任が求められる

こうしたことだけでなく、世の中はさまざまな「契約」があり、中には詐欺、あるいはそれに近いものも少なくありません。大人でもこうした知識の少ない方もいます。
 
成人年齢が引き下げられるということは「大人として扱う」ということにほかなりません。知らなかったでは済まされないことが増え、大人としての責任が求められるということです。
 
18歳といえば高校3年生くらい。学校でも教育を行っているようですが、成人としての自覚と責任、大人としての心構え、自分の身は自分で守るという認識について、学校だけに頼らず、ご家庭や周りの人たちがしっかり教えてあげる必要があるだろうと感じます。
 
出典
法務省「民法(成年年齢関係)改正 Q&A」
 
執筆者:西山広高
ファイナンシャル・プランナー、宅地建物取引士、宅建マイスター(上級宅建士)、上級相続診断士、西山ライフデザイン代表取締役

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