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住み慣れた自宅を担保にお金を借りる。社会福祉協議会の不動産担保貸付とは?

ファイナンシャルフィールド / 2022年1月4日 22時30分

住み慣れた自宅を担保にお金を借りる。社会福祉協議会の不動産担保貸付とは?

「自宅以外の財産、特に金融資産を持っていない」という、いわゆるアセットリッチ・キャッシュプア(資産はあるが現金がない)という方がいらっしゃいます。   もちろん、自宅を売ることができれば売却資金で現金を得ることができるかもしれません。しかし、自宅を売ってしまえば、新たな住まいを探さなくてはなりませんし、何よりも慣れた住まいを離れるのも負担になるでしょう。   そこで住み慣れた自宅を担保にお金を借る、という選択肢があります。なお、売却した自宅に住み続けることができるリースバックという方法もありますが、それとは異なります。

社会福祉協議会の不動産担保貸付とは?

今住んでいる家(土地と建物)に将来も住み続けることを前提に、今住んでいる家を担保にお金を借りる、というものです。
 
貸付(と同時に担保)の対象となる不動産は、土地の評価額が1500万円以上の一戸建て住宅です。マンションなどの集合住宅は対象外です。土地に担保としての価値を求めているのです。なお、貸付月額によっては、土地の評価額が1000万円以上でも対象になります。
 
「賃借権の利用権や抵当権等の担保権が設定されていないこと」という条件もあります。担保となる不動産の状況によっては難しい場合もあります。
 
では、担保とはどのような内容なのでしょうか?
 
先述のとおり、土地に担保としての価値を求めているようですが、土地だけではなく、住まい(建物)や私道までもが担保となります。土地の評価額のおおむね80%を極度額とする根抵当権を設定するとともに、代物弁済予約のための所有権移転請求権保全仮登記が必要です。
 
これらの登記にかかる登録免許税や司法書士報酬なども申込者が負担します。
 

社会福祉協議会の不動産担保貸付の対象となる世帯

申込者が単独で所有している不動産に居住している世帯です。同居の配偶者が連帯して貸付を受ける場合には、配偶者と共有している不動産も対象です。
 
世帯を構成する人が原則として65歳以上で、単身の方、ご夫婦のみの方、単身の方の親と同居の方、ご夫婦の親と同居の方が対象となります。いわゆる8050の方(80歳代の親が、50歳代の引きこもりの子どもと同居している世帯)の場合、利用は難しいかもしれません。
 
そして、収入の基準があります。世帯の方の収入が、区市町村民税非課税か均等割課税程度の低所得の方が対象です。また、推定相続人の中から連帯保証人が必要です。推定相続人がいなくても利用することができる可能性があるので、1度相談してみましょう。
 
連帯保証人にならない推定相続人についても、社会福祉協議会の不動産担保貸付の申し込みについての同意が必要です。なお、利用していた方が亡くなり、引き続き、配偶者が利用したい場合には、審査があります。審査に通過するまで貸付は一時停止されます。
 

貸付の内容

1ヶ月あたり30万円を限度として、3ヶ月ごとに貸付を受けることができます。限度額は土地の担保評価額の70%、期間は借受人の死亡時までの期間または貸付元利金が貸付限度額に達するまでです。
 
利率は年3%か、当該年度の4月1日時点の長期プライムレートの、いずれか低い利率となります。
 

貸付の終了と償還

利用していた方が亡くなった時、都道府県の社会福祉協議会の会長が解約した時、利用していた方が解約した時の、いずれかの場合に貸付が終了します。
 
そして、貸付の終了後3ヶ月以内に、利用していた方や連帯保証人は償還しなくてはなりません。もし、3ヶ月以内に償還できなかった時には、償還期限の翌日から償還完了までの間、年3%の延滞利息が発生します。
 

まとめに代えて

冒頭に述べたアセットリッチ・キャッシュプアの方にとっては、引っ越しをせずに資産を活用して現金を得る有効な方法だといえるのではないでしょうか。
 
(出典)
東京都社会福祉協議会「不動産担保型生活資金 貸付のごあんない」
神奈川県社会福祉協議会「不動産担保型生活資金のご案内」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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