高齢の親がいるなら知っておきたい「親の口座が凍結されるとき」とは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年1月6日 12時0分
![高齢の親がいるなら知っておきたい「親の口座が凍結されるとき」とは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_125845_0-small.jpg)
高齢の親がいて「親の口座が凍結されるのはどんなときか知りたい」、「凍結される理由や凍結後の対処法を教えてほしい」など、考えている方もいるのではないでしょうか。 親が認知症になったり亡くなったりした場合には、銀行口座が凍結される可能性があります。銀行口座が凍結されると、基本的に預金・引き出しなど一切の取引ができません。 ここでは、親の口座が凍結される場合と凍結理由、対処法などについて解説します。
親が認知症になったとき
親が認知症と診断され、金融機関が名義人の判断能力に著しい低下があると知った場合、口座が凍結される可能性があります。口座を凍結するのは、名義人である親の意思決定能力が欠け正常な判断が難しく、トラブルに巻き込まれるのを防ぐためです。
ここでは、親が認知症になったときの口座凍結理由や凍結された財産を使う方法について確認しましょう。
凍結理由
親が認知症になったときに銀行口座を凍結するのは、認知症が疑われる親が詐欺や横領などの犯罪・口座の不正使用に巻き込まれて財産を失うのを防ぐためです。
認知症だと意思決定能力が欠け、正常な判断が難しくなるため、口座を凍結していないとだまされたお金を取られる可能性があります。重大なマネートラブルを防ぐためにも、親が認知症と判断された場合は銀行口座が凍結されます。
凍結された財産を使いたい場合
認知症で凍結された親のお金を使いたい場合は「成年後見制度」や「家族信託」の方法があります。
成年後見制度とは、認知症などで判断能力が低下した人を支援する制度です。家庭裁判所へ申し立てを行い、家庭裁判所の調査官による調査、審理、法定後見開始の審判、成年後見人などの選任などを経て、法定後見が開始されます。制度の利用開始までに3〜4ヶ月程度かかるので注意が必要です。
また、家族信託は、資産の所有者が認知症などになったときに、受託者(家族)に資産を託せる仕組みのことです。委託者は受託者に資産の管理や運用、処分を任せて、受益者がそれらによる利益を受け取れます。ただし、家族信託を利用する場合は、委託者に判断能力があるうちに契約を結ぶ必要があります。
このような、成年後見制度や家族信託の利用により、凍結された財産を使うことが可能です。
親が死亡したとき
銀行が口座名義人である親が死亡したことを把握すると、口座は凍結されます。口座の財産は相続財産となるため、相続内容が決定するまでは、基本的に取引が一切できなくなります。口座のキャッシュカードを持ち、暗証番号を知っていたとしても、許可なく引き出しなどはできません。
ここでは、親が死亡したときに口座凍結される理由やお金が必要な場合の対処法について確認していきましょう。
凍結理由
親が死亡して口座凍結となるのは、相続財産を確定し、親の預貯金を引き出すことで起きるトラブルを防ぐためです。親の口座に残っている預貯金は相続財産であり、相続税の課税対象となります。スムーズに相続を行えるように、口座を凍結して相続財産を確定させる必要があるのです。
親が死亡したあとに勝手に預貯金を引き出せる状況は危険です。相続財産の線引きが不透明になり、お金を持ち逃げする人が出る可能性もあります。このようなリスクを回避し、相続財産を確定させるために、銀行は口座を凍結します。
凍結後にお金が必要な場合
葬儀費用や生活費など、口座凍結後にお金が必要な場合は仮払制度を活用できます。仮払制度を利用すれば、以下のいずれか低い金額を引き出せます。
●死亡時の預貯金残高×1/3×引き出す人の法定相続分
●150万円(一つの金融機関における限度額)
また、遺産分割協議後は銀行に口座凍結解除依頼が出せます。
凍結理由と凍結後の対応方法を覚えておこう
親の口座が凍結されるのは、認知症になり判断能力がないと判断されたときや死亡したときです。不正使用や相続トラブルを防ぐために、銀行が口座を凍結します。凍結後は成年後見制度や家族信託、仮払制度などの活用により、口座のお金を使うことが可能です。
突然凍結されて困らないように、事前に凍結ケースと理由、凍結後の対処法について把握しておき、親や家族と共有しておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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