どんなに忙しくても最低限見ておきたい「ねんきん定期便」のポイントとは?
ファイナンシャルフィールド / 2022年1月10日 23時30分
![どんなに忙しくても最低限見ておきたい「ねんきん定期便」のポイントとは?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_125889_0-small.jpg)
老後の生活費の主軸となる公的年金ですが、将来いくらくらい受給できるのか把握していますか。 年金については、毎年、誕生日の月に送られてくる「ねんきん定期便」を確認することで、今までに納めてきた保険料や将来受け取れる年金額の目安などが分かります。 今回は、ねんきん定期を見るときのポイントについて解説していきます。
ねんきん定期便はいつ送られてくるの?
ねんきん定期便は、毎年の誕生月に送られてきます。送付形式は年齢によって「はがき」と「封書」の2種類がありますが、それぞれに記載内容が異なります(※1)。
封書形式のねんきん定期便は、節目の年齢となる35歳、45歳、59歳の誕生月に送られてくるものです。全期間の年金加入記録が記載されており、35歳と45歳ではこれまでの加入実績に応じた年金額が、59歳では65歳から受給できる年金見込額が確認できます。
はがき形式のねんきん定期便は、節目の年以外の誕生月に毎年送られてくるもので、記載されている内容は直近1年間の加入記録です。はがき形式は50歳未満と50歳以上に分かれており、50歳未満はこれまでの加入実績に応じた年金額、50歳以上は65歳から受給できる年金見込額が記載されています。
ねんきん定期便で必ず見ておくべきところは?
ここでは、はがき形式で送られてくるねんきん定期便の見方と、必ず見ておくべきポイントについて解説します。
「ねんきん定期便」(はがき)50歳未満の見方は?
50歳未満のねんきん定期便は、これまで納めた年金額が記載されています(※2)。最初に確認しておきたいのは以下の3つです。
●「最近の月別状況です」(表面の右側に記載)
・国民年金(第1号・第3号)納付状況
納付済、未納、確認中などのほか、免除や猶予といった国民年金保険料の納付状況が記載されています。
・加入区分
厚生年金保険は「(厚生)」、厚生年金基金は「(基金)」など、加入している年金制度がカッコ書きで記載されています。
・標準報酬月額(千円)、標準賞与額(千円)、保険料納付額
ここに記載されている厚生年金の保険料納付額は、事業主との折半額です。保険料納付額は、標準報酬月額と標準賞与額に保険料率を乗じて算出されます。
●「これまでの年金加入期間」(裏面の中央に記載)
国民年金、厚生年金に加入していた期間や、合算対象期間、年金の受給資格期間に漏れや誤りがないかを確認してください。
保険料の納付状況や加入期間といった年金の加入記録に漏れや誤りがあると、将来受給できる年金が少なくなるかもしれません。特に転勤・転職が多い場合や、結婚や離婚で姓(名字)が変わったときなどは、漏れが多く見つかるケースなので注意が必要です。
●お客様へのお知らせ(表面の左下に記載)
個別の状況に応じた年金に関する情報が記載されています。ここも必ず確認してください。
【表面】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/75e53d4448e1e2458319d198b7c42715-2.jpg)
出典:日本年金機構 「令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方」
【裏面】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/b21aa6e7a5229bdbdbdb6524b66d20f0-1.jpg)
出典:日本年金機構 「令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方」
「ねんきん定期便」(ハガキ)50歳以上の見方は?
50歳以上のねんきん定期便でも、まずは前述した50歳未満の場合と同じく以下の項目を確認し、加入記録に漏れや誤りがないかチェックしましょう(※3)。
●「最近の月別状況です」(表面の右側に記載)
●「これまでの年金加入期間」(裏面の上に記載)
50歳以上となって年金の受給開始年齢が近づいてくると、「実際いくらくらいの金額を受け取れるのだろうか」などと考えるようになるのではないでしょうか。
50歳未満の方に届くねんきん定期便には、これまでの年金の加入状況に応じた年金額が記載されていますが、50歳以上のねんきん定期便の場合、以下のように老齢年金の「見込額」が記載されるようになります。
●「老齢年金の種類と見込額(年額)」(裏面の中央に記載)
例えば52歳のときに送られてくるねんきん定期便には、52歳時点の保険料(加入条件)が60歳まで継続した場合に、65歳から受け取れる年金額の目安を見込額として確認できます。
ただし、厚生年金の被保険者の方で60歳までの間に転職をしたり、役職定年などで収入が減って納める保険料が少なくなった場合、受給する年金額が記載されている見込額より少なくなる可能性もあります。今後の働き方によっては見込額も変化するという点には注意が必要です。
【表面】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/476be8e45b7adbf739e617808e27fe26-1.jpg)
出典:日本年金機構 「令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方」
【裏面】
![](https://financial-field.com/wp/wp-content/uploads/2022/01/8cb8c7886a9072283d9a6b7b14f0ba5d.jpg)
出典:日本年金機構 「令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方」
まとめ
今回は、忙しくても確認しておきたいねんきん定期便のポイントについて解説しました。
年に1回、誕生月に送られてくるねんきん定期便ですが、できれば日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」にも登録をして、年金の加入記録をスマホやパソコンでいつでも確認できるようにしておくことをお勧めします。
ねんきんネットの登録時に必要となるアクセスキーは、ねんきん定期便(「お客様のアクセスキー」)に記載されています。アクセスキーの有効期限は到着後3ヶ月のため、ねんきん定期便が届いたら、すぐに登録してみてください。
出典
(※1)日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
(※2)日本年金機構 令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方
(※3)日本年金機構 令和3年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳以上の方
執筆者:上山由紀子
1級ファイナンシャルプランニング技能士 CFP®認定者
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