ねんきん定期便の見込額が意外と少ない…増やす方法はありますか?
ファイナンシャルフィールド / 2022年1月12日 22時40分
![ねんきん定期便の見込額が意外と少ない…増やす方法はありますか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_126215_0-small.jpg)
年に一度、50歳以上の方に届く「ねんきん定期便」には、自分が老後に受け取れる年金の見込みが記載されています。それを見て「これだけしかもらえないのか……」と不安になってしまう方もいるかもしれません。 ただ、年金は増やすこともできます。その方法について解説します。
受け取れる年金の金額を増やす方法
老後に受け取れる年金を増やす方法は、実はいくつかあります。例えば以下のような方法です。
■繰り下げ(くりさげ:受け取り始める時期を遅らせること)
年金は原則65歳から受け取り開始ですが、その時期を遅らせることで1回あたりの年金額を増額できます。1ヶ月遅らせるごとに0.7%増え、70歳からの受け取りにすれば42%アップです。2022年4月からは「75歳から支給開始(84%アップ)」も選べるようになります(※)。
■年金保険料をできるだけ多く支払う
年金保険料を多く支払うほど、受け取れる年金額は多くなります。国民年金保険料は通常60歳まで支払いますが、20歳から60歳までの40年間で「未納・免除・猶予」などで保険料を納めていない期間がある人は、「任意加入」して65歳まで支払い続けることで年金額を増やすことができます。
会社員や公務員の方が加入している厚生年金では、支払った期間だけでなく収入によっても保険料や受給額が変わります。なるべく「多く稼ぐ」か「長く働く」と将来の年金増加につながります。
年金の不安解消に役立つ制度
先述の方法以外にも、通常の年金に上乗せして受け取れるようにするための制度が用意されています。職業によって加入している年金制度が違うため、選択肢も違ってきます。それぞれどんな制度なのか見ていきましょう。
■iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)
iDeCoは「自分専用の年金」を自分で用意するしくみです。自分で掛け金を支払って積み立てて、自分で運用して、自分で受け取ります。税金面で優遇されるので「節税しながら資産形成」が可能です。
20歳以上60歳未満なら基本的に誰でも加入できますが、職業によって「掛け金をいくらまで支払えるか」が違います。
<主に会社員や公務員のための制度>
■企業年金
勤務先に企業年金の制度があれば、それを利用するのも有効です。「企業型確定拠出年金」「確定給付企業年金」などの種類がありますので、自分の勤務先で導入されている制度について調べてみましょう。
■財形制度の「財形年金貯蓄」
勤務先が、「財形制度(給与から天引きでお金を貯められる制度)」を導入していれば利用できます。貯蓄残高550万円までは利子等に対する非課税措置があります。老後に向けてコツコツとお金を貯めていけます。
<主に自営業やフリーランスのための制度>
■付加年金
通常の国民年金保険料に月400円を追加して支払うことで、将来の年金が月200円増えるしくみです。65 歳から国民年金を受け取り始めて2年で、付加保険料の合計額に見合う付加年金額を受け取ることができます。
■国民年金基金
iDeCo同様、自分で「上乗せ年金」を作る制度です。iDeCoとの違いは、受け取れる年金額が運用結果によらず確定している点と、受け取りが一生涯続く点です。
■小規模企業共済
小規模企業共済は、小規模企業の経営者、役員、個人事業主などが自身の退職金を用意するために加入できる制度です。一括ではなく分割での受け取りも可能なため、年金代わりに利用できます。
まとめ:「年金が少なくて不安」なら対策しておこう
ここでご紹介したとおり、年金を増やしたり老後の資金準備に使ったりできる制度はいくつもあり、複数の方法を同時に取り入れることもできます。将来の受取額が増えるだけでなく、税金の優遇メリットがある方法も多いです。
「年金生活が不安」「老後のお金が心配」なら、自分に合った方法を見つけて早めに対策しておくのがおすすめです。
(※)厚生労働省「年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました/(4)受給開始時期の選択肢の拡大」
(出典)
日本年金機構「年金の繰下げ受給」
日本年金機構「あなたも国民年金を増やしませんか?(国民年金任意加入制度 Q&A)」
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト 「iDeCoってなに?」
企業年金連合会「企業年金制度」
勤労者退職金共済機構 勤労者財産形成事業本部「財形年金貯蓄」
全国国民年金基金「国民年金基金とは」
中小企業基盤整備機構 「制度の概要」
執筆者:馬場愛梨
ばばえりFP事務所 代表
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