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事例で見る! 公的年金の保険料支払総額と受給総額

ファイナンシャルフィールド / 2022年1月24日 11時30分

事例で見る! 公的年金の保険料支払総額と受給総額

原則として20歳以上の方は国民年金または厚生年金に加入する必要があります。しかし毎月保険料を納めていても、最終的な支払総額と受給総額について把握できている方は少ないでしょう。   そこで今回は、公的年金の保険料支払総額と受給総額について、事例別に解説します。

自営業や非正規雇用労働者などが加入する国民年金の場合

国民年金の被保険者は第1号~3号に分類されています。そして第1号被保険者には、自営業の方や学生、非正規雇用労働者などが該当します。無職の方も第1号被保険者になります。国民年金は20歳から60歳まで保険料を納める必要があり、月に換算すると480ヶ月です。
 
令和3年度の保険料は月1万6610円ですが、これは常に固定ではなく毎年度見直されます。そのため65歳になる前に支払総額を正確に計算するのは難しいので、今回は毎月1万6610円と仮定して計算してみましょう。
 
すると、480ヶ月漏れなく納め続ければ最終的な支払総額は797万2800円となります。これだけの保険料を納めると、令和3年度の場合毎月満額6万5075円が年金として受け取れます。例えば65歳から受け取り始め、80歳まで受け取り続ければ6万5075円×180ヶ月で1171万3500円が受給総額となります。
 
ただし毎月の受給額は毎年度変わってくるので、受給総額が減る可能性もあることは覚えておいてください。この概算で考えた場合、受給総額が支払総額を超えるのは123ヶ月目なので、少なくとも75歳になって3ヶ月目まで受給しなければ損と言えます。
 
自営業の方や非正規雇用労働者の方にとって公的年金は国民年金だけであり、上の受給額では不安だという方もいるでしょう。もし受給額を増やしたい場合は、年金の繰り下げ請求をすると良いです。増額率は、65歳に達した月から繰り下げ申出月の前月までの月数×0.007で計算することができます。例えば66歳0ヶ月~66歳11ヶ月の間に繰り下げ請求をすれば、増額率が8.4%~16.1%となるのです。
 

会社員や公務員などが加入する厚生年金の場合

厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せするイメージで考えてください。厚生年金に加入できるのは会社員や公務員などの方で、保険料率は令和3年時点では18.3%となっています。そして収入に応じた保険料が決まります。例えば報酬月額が44万円の方の保険料は月額6万9520円となります。
 
ただし、厚生年金の保険料は会社と折半となるため、実際に従業員の方が負担するのは半額の3万4760円です。この保険料を20歳から60歳まで納め続けたとすると、支払総額は1668万4800円となります。
 
厚生年金の受給額は、平均標準報酬月額×5.481/1000×加入期間の月数で計算できます。報酬月額44万円の場合、年間の受給額は115万7587円程度となります。毎月受け取れるのは9万6465円となり、先ほどの国民年金(基礎年金)と合わせると月額16万1540円です。
 
これを65歳から80歳まで受け取り続けるとすれば、受給総額は2907万7200円となります。受給総額が支払総額を超えるのは104ヶ月目になるため、73歳になって8ヶ月目まで受給しなければ損です。
 
収入は変わる可能性が高く、保険料や受給額も変化します。基本的に収入が増えれば受給総額も増えることが予想されますが、ここで計算した支払総額や受給総額はあくまで参考程度に留めてください。
 
ちなみに夫婦2人、賞与などを含む平均的な収入43.9万円の場合、65歳から受給できる老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計は、令和3年度時点で22万496円となっています。これを80歳まで受け取り続けるとすれば、受給総額は3968万9280円です。
 

公的年金の支払総額と受給総額を把握しておこう

国民年金の受給額は、令和3年度の場合毎月満額でも6万5075円となります。一方厚生年金は、報酬月額が44万円で60歳まで漏れなく保険料を納め続ければ、将来月額16万1540円程度受給できるのです。
 
今回紹介した事例で受給総額が支払総額を超えるためには、8~10年ほど年金を受け取り続ける必要があります。もしこれらの金額で足りないと感じる方は、個人年金保険や確定拠出年金などの私的年金で準備することを検討しましょう。
 
出典
日本年金機構 国民年金保険料
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 令和3年4月分からの年金額等について
国民年金機構 老齢基礎年金の繰下げ受給
日本年金機構 厚生年金保険料額表
日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分~)(厚生年金保険と協会けんぽ管掌の健康保険)
日本年金機構 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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