扶養を抜けてもお得な年収はいくらから?
ファイナンシャルフィールド / 2022年1月30日 1時40分
![扶養を抜けてもお得な年収はいくらから?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/financialfield/financialfield_128379_0-small.jpg)
扶養範囲内。この言葉は世帯主の扶養に入っていてパートなどで収入を得ている方ならば、誰もが一度は耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか。 扶養範囲内で働かないと逆に収入が減少するということは、一般的によく言われています。しかしどのくらいの年収があれば収入が減ることもなく、そしてお得に働くことができるのでしょう。 そこで今回は、扶養範囲内で働く方が気を付けておくべき年収の壁、そして扶養を抜けた時に必要となる健康保険や年金の目安、その金額を基にしてお得になる年収がおよそいくらぐらいになるのかをご紹介します。
扶養範囲内で働く方が気を付けておくべき年収の壁
扶養範囲内で働く方が気を付けておくべき年収の壁は、保険や年金の壁、そして配偶者控除の壁があります。保険や年金の壁は、勤務先の職場や労働時間によって異なります。
・106万円の壁
扶養範囲内で働く方が気を付けておくべき年収の壁は、まず106万円の壁があります。106万円の壁とは、保険や年金、いわゆる社会保障の壁です。
年収106万円を超えてしまうと勤務先の社会保険および厚生年金、もしくは自分自身で国民健康保険と国民年金に加入しなければいけません。106万円の壁が適用されるのは、一定の条件に当てはまる方が対象です。
106万円の壁が適用されるのは、勤務先の従業員数が501人を超え、かつ週の所定労働時間が20時間以上であり1年以上勤務する予定である方が対象となります。この条件に当てはまる方が年収106万円を超えてしまうと、扶養から外れてしまうのです。
ただし年収106万円には交通費や残業代は含まれません。そのためこれらの収入は、年収から除外して考えるようにしてください。ちなみに交通費は年間15万円以上になると、限度額を超えてしまうので注意しておきましょう。106万円の壁は、学生の場合対象外となります。
・130万円の壁
130万円の壁は、106万円の壁と同様に保険や年金の壁です。106万円の壁と異なる点は、130万円の壁は誰でも適用されるということです。そのため勤務先の従業員数なども関係なく、全ての人が対象となります。
そして106万円の壁と同様に、年収130万円を超えた時には、健康保険や厚生年金に加入しなければいけません。
・150万円の壁
150万円の壁とは、配偶者控除が適用されなくなる壁です。配偶者控除とは、世帯主が受けている所得控除を指して言います。つまり年収150万を超えてしまうと、配偶者の所得控除が減少するので、配偶者が負担する納税額が増えるということです。
しかし配偶者控除が適用されないからといって、配偶者を持つ世帯主が優遇される控除がすべてなくなるわけではありません。年収150万円を超えると、次には配偶者特別控除が適用されます。
配偶者特別控除は、年収150万円~201万円の間で段階的に控除額が少なくなっていく仕組みとなっています。そのため、配偶者特別控除は年収201万円を超えると控除額がゼロになり、配偶者を持つ世帯主が優遇される税金控除が受けられなくなるのです。
扶養を抜けた時に必要となる健康保険や年金の目安
扶養を抜けた時に必要となる健康保険料や年金保険料の目安は、勤務先で加入するか自分自身で加入するかによって異なります。一般的には勤務先で加入する方が、これらの社会保障にかかる費用は安く抑えられる場合が多いです。
なぜなら勤務先で社会保険と厚生年金に加入すると、会社が一定額を負担してくれるためです。しかし勤務先でこれらの社会保障に加入することができない時には、自分自身で国民健康保険と国民年金に加入しなければいけません。
そして気を付けておきたいことは、健康保険と年金はセットであるということです。そのため、健康保険や年金のどちらかだけに加入するということはできないようになっているのです。
国民年金保険料は、全国一律となっています。月額保険料は2021年4月からは1万6610円です。国民健康保険料は、所得割と均等割りを合計した金額で料金が決定します。
所得割は年間所得から基礎控除額の33万円を引いた額に、各自治体が決めている一定の料率をかけた金額となります。均等割は自治体ごとに決められた一定の均等額に、国民健康保険の加入者の人数をかけた金額です。
国民健康保険に自分1人だけで加入する場合で考えると、均等割は1人分となります。平均的自治体において、均等割り1人分の目安はおよそ8000円~1万円です。所得割はそれぞれの所得と、自治体の料率によって異なります。
目安としては年収が200万円以内なら、国民年金保険料に近い金額かそれ以下である場合が多いです。
扶養を抜けてもお得な年収はいくらから?
結論としては、扶養を抜けてもお得な年収は200万円以上であると言えます。なぜなら、扶養を抜けて自分自身で社会保険料を支払う時、最も高くなると考えられる国民健康保険料と国民年金保険料の合計支払額は、上記で紹介したように一般的には3万円ほどが月々の目安となります。
目安の3万円で考えてみると、3万円×12か月=年間36万円となります。36万円を年収200万円から除外すると、純粋な手取り額は164万円です。
そこに配偶者控除が段階的に少なくなっていくことまで考慮すれば、やはり年収200万円以上の所得がない場合には扶養を抜けてもお得であるとは言えないでしょう。
扶養を抜けるなら200万円以上の年収で
扶養を抜けるなら200万円以上の年収があれば、メリットも出てくるでしょう。そのため年収130万円~200万円の間で働くならば、逆に手取り収入が減少する可能性もあります。
もし手取りが減少しなくても、労働に見合わない負担が強いられてくるかもしれません。自分の状況や家計なども考慮しながら、より良い方法で働くことをおすすめします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員
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